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32歳、まだ何者かになろうと道を探しているのはどうなんですか。


季節は終わり、また次の季節に向かうのに、
またひとつ、人生の終わりに歩みを進めてしまった今日というこの日。

30歳までにきっと自分は何者かになっている。
大学生くらいの頃まではそう信じていた。

当時、短期留学やダブルスクールをしたとき、
そこには多くの社会人学生もいた。
20代後半や自分より10歳くらい上の人たち。

そんな人たちをみて、自分はこれくらいの年の時までには何かを成し遂げてるはずだ、この人たちとは違って、きっと自分の進むべき道で何者かになっているのだ、そんな風に思い上がっていた。

まあ、人生思っていたようには転ばないよね笑笑

最初は、公務員になった。
外交官になりたかった。かっこいいから。
それに、年齢制限もあって試験もあるから、
まずは難しそうな事からやってみようと思った。

次は、民間企業に転職してみた。
ファッションとサステナビリティとか社会貢献活動の両方ができそうなところに進もうと思った。

そのとき、そのとき、
自分なりにやるべき事、やりたい道を考え、
これだと思うものに挑戦してきた。
そして、そのときどきにおかれた場でも、
頑張らなかった訳ではない。
褒めてくれる人や評価がまったくなかったわけではない。

でもやっぱり、どんなに社会的なステータスを手に入れても、立派と言われる会社にはいっても、いつもどこか上の空な感じがした。

自分のいる場所はここじゃない。
ずっと頭の中で、そう言われてるような気がしている。

でも、そんなの言い訳だ。
多くの人は居場所がここだろうとここじゃなかろうと、今目の前のことを精一杯がんばっているし、ちゃんと成果を残している。
本当にできるやつは、これじゃないとかあれじゃないとか、そんな事言わないぜ。

そう言っている自分もいる。


これじゃないあれじゃないとか色々試せるのは、
本当は10代から20代前半くらいに終えておくべきだったんだろう。
だけど自分はまだ30歳を超えて自分の進むべき道を探ろうとして、何者かになろうとして、霧の中にいるみたい。

けど、もう、かっこ悪くてもどうにかこうにか進んでいくしかない。
とにかく気持ちを落ち込ませず、気分を曇らせず、毎日少しの楽しみを設けて、やるべき事を淡々とやりこなし生き抜いていく。

やりたいと思った事が思い通りにできてもできなくても、それは一旦脇に置いておく。

ときには、今週はとりあえず生きていればいい、そう思う日も挟み込みながら、やっていくしかないか。

さて、今学校ではシャツ作りにトライしている。

スカートからいきなりシャツ!

なんと無茶振りな、そんなことってあるかい、と思ったけれど、しかしちょっとずつだけど、ミシンの使い方、布の合わせ方、アイロンの掛け方、身体が覚えてきているような、そんな気もしないではない。

まだまだ自分のアイデアを形にする、さらに美しいものに仕上げる、というにはほど遠いけれど、

自分の手によって、ペラペラの紙上の二次元だったものが布となって浮かび上がり、
さらにそれが立体となって空間に現れる。
角度や力加減でかたちは微妙に変わり、
手をかけた分、仕上がりにも反映される。

なんかそういう感触が心地いい。

思えば、ずっと頭の中で考える仕事をしてきた。
今ある仕組みや事業の課題を発見して、
どうすれば良さそうか考えて、
ペーパーに書いて、上司に説明して了解とる。

現場でそれがどうなったかを見届けるというのも、自分が手を動かして実際に何かをつくりあげるというのにも、実はあまり縁がなかった。

仕事してるといつも、頭の中で考えたってわかんないじゃん、そんなこと言われても難しいよって思ってたけど、服作りなんかは実際に手を動かして、トライアンドエラーしながら手応えがあるのが新鮮なのかもしれない。

早く、自分の頭の中の世界を、美しい風景の一瞬を、震えるような感動を、表せるようになれたら良いな。

みつを。






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