見出し画像

Oculus Quest 2をライブハウスに持ち込んでVRライブをつくった話

2021.11.24『Hello1103 Live:VR Experience』、ご来場ありがとうございました。
今回はVRゴーグルを含め映像システムを根本から入れ替えての初ライブ。今までで一番大規模なリニューアルでした。
内部的には不安と挑戦が渦巻いていたのですが、お陰様で深刻なトラブルはなく終えられ、次回に展望を繋げることができました。
このnoteでは何を変えたのか・何が変わったのかをざっくり書き記します。

VRゴーグルをOculus Quest 2へ変更しました

前回までのVRゴーグルはOculus Rift Sでした。
Rift Sはゴーグルの形をしたディスプレイのようなもので、PCを接続しないと使えません。客席1台ごとにVRゴーグルとPCを用意せねばならず、調達コストの高さとセッティングの煩雑さがネックでした。
Oculus Quest 2はRift Sとは構造が異なり、ゴーグルの形をしたAndroidスマホに近いものです。VRゴーグルの中に全てが内蔵されているので場所をとらず、当日のセッティングもはるかに簡略化できる。これが後述の様々なメリットを生みます。

安定性の向上

VRゴーグルがオールインワン型になったことがそのままシステムの安定性向上に繋がります。
ケーブル不良やWindows側のトラブルなどの不安から解放されてイベント全体が身軽になりました。

画質の向上

Quest 2はRift Sの後発だけあり、各所に改良が施されています。
目立つのがディスプレイで、解像度が上がって画が見やすくなったほか、画面の輝度も明るくなったように感じます。ブルームエフェクトをかけなくても光の表現が綺麗。

画質向上に寄与するもうひとつの要素として、描画エンジンをTouchDesignerからUnreal Engineに変更しました。これにより、投影するビジュアル自体がリアルで説得力あるものに。
この移植作業がめちゃめちゃ大変だったんですが、このあたりは次回のnote記事で詳しく書きます…

音響面のアップデート:VRと立体音響の親和性

PAシステムも改良を施しており、今回からスピーカーが7.1.4chになりました。
Apple Musicに採用されたDolby Atmosが7.1.2chなので、チャンネル数の点ではイマーシブオーディオの大勢に準じるところまで来ました(実際にはチャンネル数以外の要件もあるので完全準拠のハードルは高いです)。
VR映像と立体音響の親和性は非常に高く、音と画それぞれのブラッシュアップが相乗効果を生むことで演奏の質が非常に上がっています。『Hello1103 Live:VR Experience』を始めた2021年2月当時を思い起こしても別物と言えるくらいのものが出せている自信があります。ぜひ見てほしい!

2021年のVRライブは全て終了し、次回は2022年1月31日の開催です。
詳細は以下のページから。ご来場お待ちしております。
(ヒトミ)



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?