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Dolby Vision® ワークショップ紹介 - “Edge: Detection 2023 with Dolby Vision®”

こんにちは。Hello1103のyukakoです。
暑いですね…東京都も35℃越えの猛暑日が続き、8月の気温は一体どうなってしまうのか気が遠くなっています。皆様はお元気でしょうか。

さて、Hello1103の音と映像の企画"Edge"について、概要とアーティスト紹介の記事を2本投稿しましたが、今回は本企画の目玉のひとつである Dolby Japanさんによる iPhoneを用いた映像のワークショップについて書きます。

なお、前々回の記事はこちらです。未読の方は合わせてご覧ください。

"Edge"の映像ワークショップで何が学べるの?

本企画では Dolby Japan  萩谷太郎さんによる「iPhoneで撮れる!見れる!Dolby Vision®動画」というワークショップがあります。
ざっくり説明すると、
現代人おなじみのiPhoneをうまく使うと映画みたいな映像が撮れちゃう!その方法を解説するワークショップです。

今回のサンプルとして、
実際にiPhoneで撮ったDolby Vision
®映像をVimeoで公開しましたのでご覧ください。

Dolby Vision Sample #1 (for Edge:Detection 2023)
iPhone 14 Pro Maxにて撮影。
Hello1103「Ophiopogon planiscapus Nigrescens」Live at 新宿motion (2023/6/25) 
Movie by Naoki Inoue 

※端末の関係で動画が見えない方はこちらからどうぞ

いやあ、、とっても綺麗です。
恐ろしいほどの階調の再現性。光の強弱が不安定なライブハウスの環境でも、白飛び黒つぶれがありません。
上のサンプル動画の冒頭は会場のスモークや照明も相俟って光が綺麗に入って、一眼で撮影したのかな?と思うほどのなまめかしさ。
旧来のSDR撮影だとこうはいきません。
サンプル動画は客入れでのライブ撮影ですが、カメラマンがもっと自由に立ち回れる環境でしたら質の高いライブMVも余裕で撮れてしまうでしょう。
iPhoneは12以上の端末でDolby Vision®の撮影が可能です。

自分たちみたいなインディーズは綺麗な映像を残してなんぼですからね。
Dolby Vision®のように、質の面で一歩踏み込んだ技法を知識として知っておいても損はないはずです。
しかも今回のワークショップは公式から直接手ほどきを受ける稀少な機会。
ライブイベントでこういった機会はほぼないと思います。

ワークショップの対象としては、新しい映像技術に興味がある方だけでなく、MV制作やライブ動画の編集等の映像に携わる音楽関係者、推しを美しく映して布教したい音楽ファンの方、iPhoneが好きで撮影の可能性を拡張したい方など、多くの方にとって、入り口として有意義だと思いますので是非気軽に体験してみていただきたいです。

コラボに至る経緯

ちょっと待って…そもそも、なんでHello1103企画に企業 Dolby Japan が絡むの?と思う方も多いと思いますので、経緯からお話します。
ちょっと長くなりますので、経緯はいいからDolby Vision®動画を実際に運用してみてどうなの?と思う方は飛ばしていただけると。

Hello1103とDolby Japan社 (以下Dolbyさん) との関わりは2021年末から。吉祥寺NEPOで開催したVR企画(Hello1103 Live:VR Experience)にお越しいただいたことに始まります。
最初に挨拶してくださったときは二人して飛び上がりました。
だって…国際的な映像規格や音響規格のあのDolbyさんですよ。映画館やブルーレイディスクなどなど…多くの方が生活の端々で一度は目に耳にしているのではないでしょうか。Apple MusicのユーザーでしたらイマーシブオーディオのDolby Atomosは耳馴染みがあるかもしれません。そういう大企業の方が何故ここに。我々何かやらかした!? と思いましたが、そういうのではなくて良かった…。
和やかに挨拶をして、ゆくゆく何か一緒にできるといいですねとお話をして…それが現在に至るDolbyさんとの関わりの始まりでした。

それから折に触れて情報交換を進める中で、NEPOの配信サービス「NEPO Stream」のプラットフォームがVimeoベースであるという話になり、iPhoneでDolby Vision®撮影した収録ライブをNEPO Streamで配信できないかとお話をいただきました。
私たちとしても、技術的に新しい挑戦になりそう(そういうの大好き!)だし、何よりコロナ禍で集客が難しいライブハウスの一助になればと考え受けることにしました。
それが2022年5月からNEPO Streamにて配信した『Edge: Online HDR Live with Dolby Vision®』です。
つまり、Hello1103とDolbyさんの縁はほぼNEPOのおかげと言えます。ありがとうNEPO…!

(うう…gato解散嫌だああ)

こちらの企画では4台のiPhoneを用いてDolby Vision®撮影を行いました。
共演はgato。圧巻の演奏と極彩色のVJでした。
また、今となっては良い思い出ですが、コロナ再蔓延の中での撮影ではNEPOやコーノ元店長の手厚いサポートに助けられました。感謝してもしきれません…。

この企画の編集は私ユカコが担当しましたが、撮影した素材を触りながら発色がやはり一段違うなと実感したことを覚えています。とくにNEPOの照明装置の光量の強いLEDパネルをバキバキにしていても白飛びや黒つぶれがないのは驚きました。

前回のEdgeのことは際にイベントの狙いに触れつつヒトミがまとめているのでご覧ください。

『Edge:Online』の後もDolbyさんとのご縁は続き、2022年8月開催のHello1103企画『irreversible 3』では同じくiPhone 4台での収録を行い、2022年秋に『irreversible 3 - Special Live Archive with Dolby Vision®』としてNEPO Streamで配信しました。

そして今回の『Edge: Detection 2023』は3度目のコラボレーションになります。当日もライブの模様をiPhoneで撮影を行い、後日編集してVimeo (NEPO Stream)にて公開予定です。そちらも合わせてお楽しみに…。

Dolby Vision® って…何?

さて、Dolby Vision® ドルビービジョン…と度々書いておりますが、
聞き慣れない方にとっては何それ美味しいの状態だと思います。
ざっくりと 映画で使われるような綺麗な色の映像規格 とイメージしてください。
まず公式の説明を引用します。

SDRとDolby Vision®の比較イメージ

ドルビーの技術革新 
Dolby Vision®(ドルビービジョン)とは?


ドルビービジョンは、映画やゲームから自宅でのストリーミングまで、お使いのサービス、デバイス、プラットフォームに応じて画質を動的に最適化することで、HDRテクノロジーの可能性を最大限に引き出し、常に美しい映像を提供します。エンターテインメントには、豊かな色彩やよりメリハリのあるコントラストがもたらされ、ドルビービジョンがなければ見られないような、驚きに満ちた新たなディテールが明らかになります。

Dolby Vision - Official Site - Dolby

※以後何度か出てくるHDR(ハイダイナミックレンジ)とSDR(スタンダードダイナミックレンジ )の説明は割愛しますが、HDRのほうが新しい規格で明度や色彩の表現が豊かと解釈してください。

以前ヒトミが書いた文章と重複しますが、
Dolby Vision® について少し噛み砕くと大きく「光の明るさ」と「色の鮮やかさ」の二つに分けて説明できます。
スマホ画面などで言う「光の明るさ」とは、画像が白飛びや黒潰れをせず、明るい部分ではより強く眩しく映像を投影するということです。
(そもそもディスプレイが対応していないとどうしようもないです)
この部分だけを指して「HDR」という言葉で表現することがあります。

「色の鮮やかさ(色域)」とは、画像の赤色や緑色などを濃く鮮やかに投影するということ。
微妙なディスプレイで赤い花を表示すると全部のぺっとした色味だったり、沈んでいたりといったことがないでしょうか。
こうした色の表現をより細かく・ダイナミックに表現できることを指して「広色域」と呼びます。

Dolby Vision®に対応するということは、HDRかつ広色域の映像を作成するということで、これが十全に表示できるディスプレイであれば旧来よりも目の覚めるような鮮やかな映像として表示されます。

iPhone 6以上の端末はDolby Vision®に対応しており、美麗な映像を観ることが出来ます。
そしてなんと、iPhone 12以上の端末ではDolby Vision®で「撮影」することも可能です。

で、実際運用してみてどうなの?

過去2回Dolby Japanさんとご一緒した企画では、私が映像編集を担当しました。
コンテンツ制作・クリエイター側目線でお伝えすると、素材を触ってみて色がとにかく綺麗ですし、高品位でありながらワークフロー(撮影→編集→投稿)が手軽と感じました。
冒頭のサンプル映像と同じ手順で制作したもう一つのサンプルもご覧ください。

iPhone 14 Pro Maxにて撮影。
Hello1103「楡の夢」新宿motion (2023/6/25)
Movie by Naoki Inoue

LEDビジョンのモアレは私が新宿motionの設定を詰め切れなかったせいなので、ご容赦いただきつつ…やっぱり綺麗ですね。とくにライブハウスのような光の強弱が変動する環境で黒つぶれ白飛びがないのが驚きです。灯体とスモークの光の線の階調も美しいです。

iPhoneでの撮影からの編集作業と投稿作業を行って、気付いたことを3つに分けて列挙してみました。

①撮影
iPhone12以上でDolby Vision®撮影が出来る。
・×1のカメラが最も綺麗。
・スタビライザーやリグがあると便利。

②編集
・モニターはDolby Vision®対応のモニターが望ましい。最近のmacbookは対応済み。詳しくはこちらを確認のこと。
最終的にFinal Cut ProでDolby Vision®用の書き出しを行う必要がある

③投稿
日本だと基本Vimeo一択です。YouTubeはHDR対応はしているけど、Dolby Vision®には対応はしていません。
・Vimeo投稿、変換に成功したらDolby Vision®のロゴが押されます。動画の尺に応じて箔が押されるまでの時間が変わります。

Apple製品で制作環境を固めている方は特に恩恵がありそうです。

長々と書きましたが、このように新情報盛りだくさんのDolby Vision®ワークショップ。
7/23 吉祥寺NEPOにて開催です。ご期待ください。

ご予約まだ受付中ですので、記事を読んで気になり始めた方は気軽に是非!

7/23(日) 吉祥寺NEPO
“Edge: Detection 2023 with Dolby Vision®”

[Live]
galcid × Ken-ichi KAWAMURA
Paris death Hilton with eetee
ツチヤヒトミ × 大西英雄「色と音によるミニチュアグルーヴ絵巻」
Hello1103

[Talk & Workshop]
Dolby Japan 萩谷太郎氏

開場 16:30 / 開演 17:00-
チケット:前売 ¥3,000 + 1order / 当日 ¥3,500 + 1order
予約・詳細 : https://edge2023.peatix.com/

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