見出し画像

トリプルプレイ助悪郎

推理小説が好きな人なら一度は「叙述トリック」という言葉を耳にしたことがあると思う。
叙述トリックとは大雑把に言ってしまえば読者を誤った解釈に誘導するトリックのことを指す。

一般的な推理小説が犯人対探偵の構図だとするならば、叙述トリックは作者対読者の構図になると言えばわかりやすいだろうか。

著名な叙述トリックを用いた作品としてはアガサ・クリスティの『アクロイド殺し』が挙げられる。ネタバレになってしまうがこの小説は語り手である『私』が犯人となる作品であり、最後地の文で自らの犯行を自供する描写は衝撃的だった。

表題に戻るがトリプルプレイ助悪郎はそんな叙述トリックをテーマにした推理小説だ。
一度盗む度に3人を殺す三重殺の怪盗 案山子、長らく息を潜めていた彼が犯行予告を出した。それは偉大な推理小説作家 髑髏畑百足の最後の作品を盗むというものだった。彼が生活していた山奥の洋館を舞台に探偵 海藤は案山子の犯行を止めることが出来るのか

というのが本作の大まかなあらすじになる。
「これが叙述トリックか!」と思わされるような書き方が徹底されていて、普通に読んでいてはまずトリックを見破ることは出来ないと思う。
それほどに「読者を騙そう」という作者の書き方が徹底されている推理小説だった。
あまり詳細に書いてしまうとこの小説の根幹について触れることになってしまうので内容はこれくらいにする。

この本の最後の一文を読めばきっと「騙された!」と思うはずだ
#ミステリー小説が好き

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?