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ティーンとアダルトの境目図書館

こわい夢を見て2時間で目がさめる。乙一の『失はれる物語』を思い出すような夢だった。起きた瞬間しばらく心臓がどくどく鳴っていて、せっかく思いだしたんだから読み返そうかと思ったり。前に借りてた『パリの憂鬱』を全部読み終わることなく返却し、新しい本を借りにいった。『ザリガニの鳴くところ』を借りたかったけど(映画化を先に観ていておもしろかったので)予約で埋まっているので順番待ちすることに。IDとパスワードを忘れたのでその場で新しく更新!13番目だった。遠いな…わたしみたいな延滞常習者がいないことを祈るのみ。

文庫本コーナーも単行本コーナーにもなかなか目当ての本がない。わたしの大好きな山本文緒や森絵都の作品が少なすぎる。『痴人の愛』が読みたいのにどこにもないなんてと思っていたら別の棚に谷崎潤一郎コーナーが設営されていてようやく発見。乙一の作品なんてほぼなかったなーと計10冊の小説とエッセイを抱えて出ようとしたら、出口付近に「ティーン向けコーナー」があったのでのぞいてみる。あるじゃないの、乙一。『失はれる物語』はなかったけど、森絵都もちょいちょいあるし、全巻持っている米澤穂信のスイーツ事件シリーズも揃えられていた。子どもの頃ってどうやって本を選んでいたっけ?実家の真隣にあった図書館は、1階が子どもコーナーで一般書籍は2階だった。その差別化はけっこうはっきり分かれていたと思う。わたしは中学受験生だったので小5くらいには大人に混ざって2階で勉強し、合間を縫っては重松清を読み耽っていた。受験問題で国語の物語文に抜粋されて読んでいた重松清とはちがう、大人でエロティックな重松清に衝撃を受け気持ち悪くなったりして。それからは子どもコーナーにはなかったであろういろんな作家の作品をパラ見しては、受験が終わったら読みたい本リストをちまちま更新していった。わたしはティーンながらそこでアダルトな本を知ることができた。ここでいうアダルトとは一般書籍のはなしである。ティーンとアダルトを分けた棚のコーナーなんて!

思えばわたしが住んできた家の近くには徒歩5分圏内にかならず図書館がある。環境が生活をつくり、生活が性格をつくる。あの頃もっと本を読んでおけばよかったなんておこがましい。忘れている本なんてざらにある。今、読むんだよ!読め!そして記憶に残ったものだけが、そう、わたしをつくるのである。10冊も借りちゃってまあ、ちゃんと返却期限を守れるのでしょうか…





嬉しい!楽しい!だいすき!