見出し画像

3.14「桑田佳祐配信ライブ 静かな春の戯れ ~Live in Blue Note Tokyo~」かんたん感想

桑田佳祐の配信ライブをアーカイブ期間ギリギリに視聴。

ブルーノートという大人びた場所と、今回はソロなこともあり、アダルティでゆったりとした雰囲気のライブ。普段のライブだとソロでもサザンでも大味気味で、なんなら余計な調味料まで入っているみたいなライブも多いから、これくらいのムードのライブは良い。桑田さんも自分の曲だけじゃなくてカバーもガンガンやってて楽しそうだった。

「グッバイ・ワルツ」が凄かった。あんまりライブでやってる曲じゃないけど、ドスの効いたドラムがこの曲が元々持ってるシリアスな雰囲気を増幅させていて、ちょっとビビってしまうくらいだった。

初めて披露した「SMILE~晴れ渡る空のように~」も良かった。全編通して肩肘に力入ってない感じで歌ってた桑田さんだったけど、この曲だけはめちゃくちゃ力入ってた。10数年ファンやってるけど、見た事ないくらいの気迫で歌ってたのが印象深い。元々オリパラのために作られた曲だけど、コロナ禍の今、リスナー、ひいてはこの国で戦うすべての人を勇気づけて鼓舞する曲に結果としてなったし、それを桑田さん本人も自覚的なんだろうなぁ、と。その楽曲が持つ意味が時勢によって変化できる曲を作れるミュージシャンは一流だと思う。

全体的に原曲に比べてアレンジかかってたのも良かったな。「ヨシ子さん」なんかは原曲よりもシンプルで良アレンジだった。ライブの楽しみってそういうとこにもあるなぁと。カバーだと「君をのせて」が良かった。奇しくも桑田さんが主題歌やってた「最高の離婚」で瑛太演じる光生も最終回でカラオケ歌ってたのを思い出したり。

最後に歌った「明日晴れるかな」も良かった。希望を与えてくれる。歌はいいね。リリンの生み出した文化の極み(ry

去年のサザンの2本のライブは桑田佳祐やサザンがあまりにもその立場故に持たざるを得なかった社会的責任を負いすぎてた。年末のライブで「音楽、エンタメ業界は負けないからな」って叫んでたのを見てたしかに僕は泣いたけど、それって桑田さんやサザンが業界を代表して言うことなの?と今振り返ると思ったりもする。それはあまりにもひとりに責任おっかぶせ過ぎじゃないか?というか。桑田さんが勝手に言ってるだけって言ってしまえばそうなんだけど、とはいえこの人が言わなきゃ誰も言えないし。桑田佳祐自身そういう自身の立場に自覚的だからこそああやって言ったんだろうけど。

って中で今回はそういう責任とか立場とか気にせず、桑田さんが仲間内で勝手にやってるセッションを覗いてるみたいなムードに満ちてて、見てるこっちもいい意味で気楽に見れてよかった。「波乗りジョニー」も「白い恋人達」も無いライブではあったけど、それも本人のキャリアみたいなのから解き放たれたライブって感じがして良かった。エヴァとかもそうだけど、そういうコンテンツやクリエイターに我々の勝手な都合や責任をおっかぶせ過ぎるのも程々にしなくては...と思う。

今年はソロかな。新曲も聞きたい。有観客のライブはまだ先かな。早く見たい。...けど、1番は桑田さんが桑田さんのやりたいように活動してくれることかなーとか思ったりも。言ったってもう年齢も年齢だしね。あんまり気負わず色々やって欲しい。

画像1


この記事が参加している募集

コンテンツ会議

社会人の傍ら、ライターを目指して奮闘中。サポート頂けたら励みになります。ライター活動の資金にさせていただきます。