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ふたりは夏雲 feat.miida

とっても今更になってしまいました…!!
次のソロ楽曲出る前に書こうと思いつつ、間に合いませんでした。。笑
ということで、順を追って夏の振り返りです。

ソロ作品は今年2月にEP "satellite flying alone" を配信でリリースしてから約半年ぶり、新曲「ふたりは夏雲 feat.miida」を8/2配信リリースしました。

ソロでつくる楽曲は、とにかく「何かを目指す」とかというよりも、ポロっと自分からこぼれてきたものをそのまま自分の手でかたちにする、そこに意義があると思っています。
かたやGOOD BYE APRILはチームなので、みんなの力で新しい自分たちを切り拓く、その結果僕自身も新しい自分に出会える。今ではそんな天井知らずなものになっています。

色んな表現の幅を僕自身が持つことで、それがバンドにも豊かな作用として還ると思い、またバンドでやりたいこととは別にミニマルでアコースティックな作品づくりも、自分の表現のひとつ軸であると感じ、ソロはこれまでもやってきました。
そのスタイルのまま、今年から携わってくれる方も増え、コンスタントに作品を出していこうという現在です。

この曲の出発点はそもそも「コラボ」というアイデアからで、はじめから誰かと交互に歌うことを想定して曲づくりをスタートしました。
いざメロディーができたとき、この曲をmiidaの声で聴きたいと思い、ミズキちゃんにオファーをしました。

これまで同様、トラックの全ての音を自分ひとりで完結しています。
今回は無機的な音と有機的な音が半々くらいの感じで混ざり合っていて、そこが個人的にはポイントです(リズムセクションは全て打ち込みの無機的なもので、ガットギターや鍵盤は手弾きの有機的な質感です)。
1コーラスはすんなりできて、最初のデモからそんなにリズムパターンや質感は変わってないのですが、一番時間をかけたのは曲の「構成」です。
2番はBメロまでいって、サビには行かず浮遊感のある間奏へ。ここで何を表現できるかが僕にとってはとても重要でした。
「後悔」のようで少し違う感情と、離れることになった街で暮らした日々のこと、ぐるぐると巡る記憶や想いをこの間奏の音に集約したつもりです。
曲の終わり方にも苦心しました。
サビの最後のメロディーを何度も繰り返すうちに曲が終わっていくのが、進んでいく現実を溜め息混じりに呑み込むような感情と重なって、この終わり方もお気に入りポイントになりました。

歌詞で描きたかったのは「諦念」。
この歳になると、嫌いになったから離れるとか、好きだから一緒にいるとか、そういったわかりやすい現実じゃないことがどんどん増えていきます。
そういう、なんともくっきり切り取れないような気持ちをそのまま曲にしたいというのが、最近の僕の大事に思っていることです。
未練がないわけじゃない、だからといってこのままではいられない、そんな歯がゆい現実への諦念を、言葉にしたつもりです。
トンネルの先に見える海は、、80年代の曲にもよく出てくる「あの」海をイメージしてます。

実は完成まで、ミズキちゃんとは一度も顔を合わせることなく、データのやり取りで制作を進めていきました。
完成させたトラックと、僕の歌データを渡して、ミズキちゃんに自由に歌っていただきました。それ以上必要ないという信頼がありました。
そして、受け取ったデータは想像以上のマッチングでした。
僕も自分のパートの歌い方で心掛けたことですが、この曲の無機的なようでエモーショナルな質感を、歌が体現してくれていると思います。

ジャケットは、10年近く前に僕が撮った波打ち際の写真を使っています。
その写真を90°反転したら、真ん中でふたつに分かれてしまった世界が現れたように感じました。
その境目が波打ち際で曖昧によれているのも、この曲らしいと思いました。

肝心のメロディーはシンプルかつ、夏の風情もしっかりと込められた気がしています。

YouTubeには、miidaとのセッションLive映像もあります。
このときの音も自分でMIXしたんですが、これはこれで臨場感のあるとてもいい仕上がりになったと思います。
ぜひチェックしてください!

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