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『劇場版 春を謳う鯨』 / 崔 真央人 presents 佐竹

【合わせて読みたい:これは大村鈴香という複雑なひとの心の奥に悠々と横たわる、訪れる者のない美しい湖、の水面を、みんなでひっそりと覗き込む連載小説、『春を謳う鯨』の、特別企画!劇場版の完成披露試写会で公開の特別映像、キャストインタビュー④崔真央人さん(佐竹役)編です。←長すぎて全部タイトルに入らなかった!! ※わぁい、華やか〜♡なキャスト紹介はこちら、次は千住光太郎さん(北原麗)編です】


(ハンディカム、普段着、古民家カフェで撮影されていて、チャプターでふわっと字幕が入ります→)

神秘主義と自然主義
『春を謳う鯨』には神秘的なところがあるでしょう。超現実的なイメージと現実的なイメージをぶつけて止揚するような、不思議な比喩が多用されていて、なんだか異世界が重なってるような印象を受ける。鈴香は恋人たちと、現実から離れた閉鎖的な空間でしか交流しないし、佐竹のブレスレットはまるで魔法の作用があるみたいに描かれますよね。物語が進むにつれて、鈴香の特殊な魅力が明らかになったりもする…佐竹が「なんだこの世界は」って言う、あれね。
一方で、そういう魔術的な世界観が、魅力の構造、トリガー、自己催眠、恋愛経済、アサーティブネス、権力闘争、もちろん(笑)体の仕組みといった科学的根拠のなかに立ち消えていくような、微細な記述があったりもする。
エピグラフ* そのものなんですね。不知の知というか、人間には理解できないからといって超常現象というわけではない。見たところ神秘的ですが、僕はこの作品は自然主義の系列に入ると思っています。

*
海には鯨がいた。独りだった。
陸には象がいた。独りだった。
ふたりの交わす歌声は、
人びとには聴こえなかった。


役作り
まあその…僕にだってこういうこと真面目に考えるような、真面目な部分はあるのね。だからこそ長年役者やって来れたと思ってるし。おちゃらけ大魔王とかおふざけ野郎とかのほうが有名になっちゃってるけど、役者として、作品には真面目に向き合ってますよ。うん。真面目な時は真面目な時でかっこよくて、自分では気に入ってます(笑)。かっこいいでしょう? まあ、何かやるなら、それくらい自信持ってないとね…?
実写化なんか、「違う」って言われるに決まってる。僕は「お前じゃない」って言われる覚悟がもちろんあって、からの、「まあこういうのもいいな」とか、「そっか本当はこんな人だったんだ」って思われたいな。
…役としては、水を得た魚とはまさにこのことですね。だって…僕からおふざけ野郎の要素抜いたらどうなると思う? 僕じゃなくなっちゃうだろうって? いいや、違うんだな。僕からおふざけ野郎を抜いたら、佐竹になりますから(笑)。他のキャストは作り込まなきゃいけない部分多くて、大変だったろうなぁ。けど、僕は大人の男性だし、明るいし、優しいし、羽根より軽いし、仕事ちゃんとやってるし、遊び大好きだし。それに、たまにはカノジョにコーヒー淹れることだってあるよ…裸でね。
唯一、あれだ、そこはガチ実写化なんだって愕然としたのが、ツルンツルンね。全身ツルンツルンは意外にも経験したことなかった。感想としては、常時服が全身の地肌に絡みつく感触にびっくりしましたね、ツルンツルンの期間は僕はもう、エロスの化身ですよ。帰るでしょ、服脱ぐでしょ、僕は家では自己解放の一環としてマッパなんですけど、普段通りに生活しようとしても、絡みつき欲求に耐えられなくて、何かしら纏わりつかせてました。女の人たちって、体毛薄いか、処理してるから、だから敏感で繊細で、常時エロスが漂うんだろうな。まあ、よく知れ渡ってるとおり、そのあとのチクチクがね…常に絡みつかれてたい決心が付いたら、僕も永久に脱毛だな。

クランクアップ
うーん…うーん…なんだろうね、みんな、若くて(笑)。クランクアップは、鈴香と佐竹が待ち合わせをする喫茶店で迎えました。みんな駆けつけてくれてね、キャストからは全員で主演の小松さんに拍手して花束を渡しました。そのあと、焼肉に行ったんだけど、ほんと、無理。ずっと肉焼いて酒注いでた。一応、僕が最年長だから、みんな立ててくれようとして、世話を焼こうとするんですけどね、僕はもうあんなに飲めないし食べれないし、話せない。瀧仲監督もみんなよりは年上だけどね、僕からすると若者側の人。みんな、ワイワイガヤガヤ、キラキラしてて、いい意味での幼さや勇気があって、僕は一人、園長さんみたいな気分だった(笑)
デートのシーンは、悠莉ちゃんと色んな場所に行けて、僕は田舎育ちで、デートなんて、川べりで肉まん食べるのがやっとだったから(笑)都会っ子すっげぇな、って思いました。何かにつけてお金かかって、大変だなとも(笑)。若者のデートなんて、川べりで肉まんでいいよ。どうせそのあとのことしか考えてないんだから。それにしても、目の前に美味しそうな肉まんが2つも待ってるのに敢えて肉まん頬張るってなんか、…。

あー、喋った喋った…それにしてもこんなに長く時間使えるの? え、使えない? [ピーーーー]とか[ピーー]とかがダメだった?! 言ってよー…。僕、結構いいこと言ってたよ…? 男性諸氏には[ピーーー]の話、かなりタメになると思うけど? いいじゃない官能小説なんだし、結局18Rになっちゃったんだし。
むしろU30? そうきたかー…前言撤回ね、年齢で人をみるのは僕、よくないと思うなぁぁぁ。


映画は真面目にやってます。よほしく。あ、やべ、いいとこで噛んだ(笑)! 使わせていただく? おじさんには、基準がわからないよ…。


次回、千住光太郎さん(麗)
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①小松悠莉さん(鈴香)
②西村ちなつさん(ミナガワ)
③柳居桔平さん(楢崎)
⑥伊月陣さん(奏太)&成田穂乃さん(倉沢)
⑦瀧仲安嗣さん(監督)

今日は明日、昨日になります。 パンではなく薔薇をたべます。 血ではなく、蜜をささげます。