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ドライな関係

入院までが長過ぎて、うっかり忘れて普通に日常を過ごしていたが、7月に入ってようやく実感が湧いてきた。
主婦が二週間も家を空けるので、冷蔵庫の整理や、食材のストックの見直し、洗剤などの在庫確認などをした。
他にしておく事は…と考えて、しなくても良いけど、しとこうかなということをやり始めた。

キッチンの模様替えとか。
子どものお手紙入れの整理とか。
パントリーの片付けとか。
あと、水槽の掃除とか………。

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他所様のnoteを読んでいて、羨ましいなと思うことの内の一つ。
それは……猫がいる事…!
猫のいる生活…!
羨ましい!!!

入院の準備をしていても、スーツケースに入ってくれる猫もいなければ、入院中、どうしてるかなと心配する猫もいない。
この子のために頑張らなければ!と思える猫もいない。

今はコロナで自粛中だから行かないけど、元々旅行が好きだし、お出かけも好きなので、猫様をお迎えするにふさわしい家でない事は重々承知している。
でも猫が居るのって羨ましい。
猫大好き!
猫吸いたい!
猫モフりたい!

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水槽についたモフモフとしたコケを掃除をする。
この水槽の主は、日本淡水魚。

タナゴとか、オイカワとか、モロコとか……日本に昔からいる魚たちである。
120センチの水槽に、二十数匹が泳いでいる。

以前は熱帯魚やら水草やら凝っていたが、行き着いた先はコレだった。
地味であるが、野趣あふれていて美しい。


決してモフモフともしていなければ、にゃんと鳴くこともなく、触れ合う事も出来ないが、それでも長く飼っていると慣れて、近づけば餌をねだって寄ってくる。
池のコイほどは懐かず、手を動かすとサッと逃げるところは元野生のなせる技か。


水槽のコケを落とし、水を替えて、水草を植え直す。
コイツらは、多分私のことを認識して覚えてはいないから、幸い留守が長くとも忘れられる事はない。
寂しくはあるが、ある意味楽である。
「餌だけやってな!」
息子にお願いする。


もう一匹……外飼いのクサガメがいる。
名をヨモギという。
このカメは、もう10年近く飼っているが、目が合うとやってきて、手から餌を食べる。
我が家にきて直ぐの時、餌を食べなくなって弱ってたのを、毎日口元に餌を持って行って食べさせた思い入れのあるヤツである。

コイツも……別に私じゃなくても餌食べるんだよなぁああ!!!


楽だけど寂しい。
世話はちゃんとしてるのに。
でも心配も要らない。
安心して入院できるというものだ。
私には、そのドライな関係がちょうど良いのかもしれない。


………猫にはやはり憧れるが。

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