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貴様は日本のオーロラで満足するのか 山中りんたそ

 週末の2日間は太陽フレアの活発化により、世界中の低緯度帯においてオーロラが観測されるという現象がみられた。日本ではTwitterなどのSNS上で北海道や能登半島、東北地方にいる人たちから目撃情報が多数寄せられていた。

 車で行ける範囲で観測されたという情報が寄せられたら、高速かっ飛ばして向かうことも考え、21:00頃からしばらくTwitterに張り付いていた。が、願い虚しく空振り。しかし、Twitter徘徊している間、一体どこまでだったら、自分は車を出して見に行くかを考えた。

 例えば、赤城山山頂で目撃情報がでたら。これであれば、1時間かからないくらいなので迷わずに行く。

 では、那須塩原あたりでは。このあたりから迷ってしまう。時間にすれば1時間30分くらいである。1時間30分かければあの”オーロラ”が見られるというのに、出不精すぎる。

 3時間かかる新潟だったら、完全に諦めである。

 そんなことを考えていたら、私はオーロラを見たいのかなんなのかわからなくなってきた。もともと、「裂空の訪問者デオキシス」の映画を小学生のときに見てから、人生で1度はオーロラを見てみたいとは思っていた。そのためであれば、北欧やカナダへ行くのに何十万を出して、1週間ほど旅行するのも辞さない覚悟ももっていた。それを、1時間半や3時間、1万円もない移動費で見に行けるというのに、己の心はちっとも燃えなかった。

 となれば、私はオーロラを見たかったのではなく、「寒い異国の地で震えながら、その日に見れるかわからない自然現象。」を見たかったのかもしれない。

 日本国内でオーロラを見た人は、オーロラ見たい欲は解消されたのだろうか。


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