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親知らずという警告

 はじめましての人も、
 前から知ってる方も、
 ごきげんよう。

 偏光です。

 Pixivで公開してきた小説以外の文章を、
 noteに移して行きます。

(文字数:約2100文字)


 私が不健康だったのも、
 一気に健康度合いが上がったのも、
 ひょっとすると貧血治療と同時期に行った、

 下顎両側の親知らず2本の抜歯、

 との相乗効果だったかもしれないと思い立ち、
 そちらについてもまとめてみる事にする。

 何にせよただ一点を変えるだけで、
 他の全てが上手く行く事は無い。

 そう読み取れそうな文章や、
 そう感じるような体験に出会った時は、
 たとえ自らの文章や体験であったとしても、
 疑ってかかった方が良い。

 しかしながら「親知らず」という、
 しょうもない正式名称も、
 正直どうにかならんかと思っている。
 世間話にしても職場に報告するにしても、
 どこか「知らんがな」「勝手にやって」感が付きまとうのだが、

 人によっては相当規模の時限爆弾だ。


 貧血の治療を始めた頃、
 奥歯の詰め物も欠けた。

 近所の歯医者さんに詰めてもらって、
 まだ数ヶ月くらいしか経っていない。

 わりと好きな先生ではあったんだけど、
 知人が通っていて良い評判を聞いていた、
 少し遠くの歯科でも診てもらう事にした。

 「ええ処置に問題無いです。
  さすがベテランの仕事ですね」
 「そうですか(なんだ)」
 「念のためにレントゲン取ってみましょうか」

 と地域の歯医者では見ないような、
 新型のレントゲンに掛けられ、
 パソコンに転送されてきたデータを見た先生の、
 表情がくもった。

 親知らず、
 要するに一番奥の臼歯、だが、
 私の場合完全に埋没していて外からは見えず、
 更には歯茎の内側で顎に向かって横倒しになり、
 そのままじわりじわりと顎に伸びていた。
 (見出し図から頭と根っこの向きを逆にしたバージョン。)

 「これが詰め物に悪さしていましたね」
 「抜いた方が良いですか」
 「おすすめします(キッパリ)」

 「このまま行くと顎の神経に突き刺さります」
 「ひえー」
 「そうなってくると腫れて痛みも酷くなるので、
  抜歯自体が出来ません」
 「うひゃー」
 「顎の骨を削るほどの手術になり、
  術後の神経にもダメージが大きいと」
 「抜きます」

 すでに歯科では無理な症例という事で、
 口腔外科を予約(※)。

 歯科の先生に紹介状を書いてもらって、
 予約しておいた日時に持参。
 口腔外科でも診察を受けた上で、
 手術手順や注意事項、リスクの説明も受け、
 現在の健康状態を確かめるために採血。
 採血の結果待ちを経て、
 どうやらお手本みたいな症例だったらしく、
 学生も三人ほど見学する中で抜歯。

 トータルで4、5時間くらいだったかな。
 結構な長丁場。

 抜歯そのものは20分くらいだったと思うけど、
 肉を切開するので血が飛び散らないように、
 顔全体を覆うシート掛けられて何も見えず。

 麻酔も効いてくれて痛くはなかったけど、
 ゴリゴリガンガンゴンゴンゴンと
 工事現場的な衝撃がきてなかなか怖ぇ。

 症例にもよるけど私の場合は、
 根っこが頑丈で砕いてから取り除かなあかんかったらしくて、
 まぁおかげさまでキレイに取れたようですけど、
 つまりは手術なんで痕を糸で縫って、
 丸1日うがいとか舌先で触るの禁止。

 血が固まってカサブタ出来てくれたところから、
 歯茎の肉再生していくから。

 痛み止め効いてくれて痛くはないけど、
 顎からぷっくりと晴れ上がって熱持って眠りにくい。
 ご飯は基本的に流動食か、
 小さく一口ずつを丸飲み。

 前歯しか使えないのは、
 痛みよりも物理的に顎が開かないから。
 私の場合は二週間くらい続いたかなぁ。

 あ、あと若干の腐った臭気に妙な風味を、
 口の奥に感じ続けるので割と気が滅入る。
 順調に回復していると言ってもらえるまでは何かと不安。

 術後一週間後に歯科の方で、
 今度は糸を取る方の抜糸(ややこしや)。
 一ヶ月後の経過観察でもまだ糸出てくる。
 腫れ上がっていたので見えなかった分らしいが、
 肉に埋まり掛けているのを引っ張るので地味に痛い。

 そして(※)からここまでを、
 一ヶ月後にはいもう一回。

 歯科の先生も口腔外科の先生も、
 人柄も穏やかで多分技術的にも良い先生だと思うけど、
 歯科の方はその後も、
 半年ごとに定期検診受け続けて気に入ってるけど、

 気持ち的にしんどかったのは、
 (※)以降の大まかな流れやスケジュールが、
 事前に分からない。

 「それは外科の方に訊かないと……」
 「そこは歯医者ですね」
  いや全体を、大まかにで良いんですってば。

 「ネットに詳しく出ていますから」
 いやワシの場合はどないなるねん!
 って普段は使わへん
 コッテコテのエセ大阪弁でツッコンでまうやないかい!

 比較的難儀な症例だったせいでもあるけど、
 フル勤務している頃だったら治療出来なかったよなぁ、
 と思わせてしまう勤務状況ってやっぱり良くなかったよなぁ。
 私の場合抜かなきゃ命に関わってたもの。

 「念のためにレントゲン」
 って先生に言われたら頷いてみるか、
 不安があれば自分から言ってみてね。


以上
ここまでを読んで下さり有難うございます。

何かしら心に残りましたらお願いします。頂いたサポートは切実に、私と配偶者の生活費の足しになります!