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『おいしい給食』が大好きだ【好きな番組】

 ただ給食を毎日おいしく食したいだけだ。
 それが全てでありその他はどうでもいい。

(文字数:約1500文字)



ドラマは大抵配偶者発

  夕飯の片付けを終え居間に戻ると、
  配偶者が何やら大爆笑していたので、
  「どうした」と訊ねたところ、

  「80年代の中学校が舞台のドラマでね」
  と返ってきて私の心はまずねじ曲がった。
  ちょうど我が人生の暗黒期だったもので。

  「給食がテーマみたいなんだけど」
  「私の中学校には給食、無かったけどな」
  「僕も私学だったから無かったけど」
  とは言え私も居間の定位置に座り込んだところで、
  画面には確かに当時の小学校給食の、
  人気メニューが映し出され、

  主演の市原隼人さん演じる中学教師、
  甘利田幸男が今まさに食らわんとしていた。


ドラマ全体の構成

  30分番組、というサイズ感が実に良い。
  前半に中学校生活における、
  諸問題が取り上げられたりもするが
  (だからこそ私の心もねじ曲がりかけたんだが)、

  後半以降の給食シーンでワヤ、もとい、
  ほとんどほっとかれる形で適当に収まる。

  実際中学生にとって教師との関わり合いなど、
  そのくらいのものでホントに助かったりする。
  生徒たちも甘利田先生が嫌いではないだろう。
  基本愛情あふれる放置で済ませてくれている。


  メシが美味けりゃいいんだ。


  毎日なんかは正直言って、
  ある程度はそれで乗り切れる。
  (ってかだからメシだけは食わせろ。
   それも美味しく食わせろ。
   他人様に説教できるのはその後だ。)


生身の人間が創り成すCG感

  もともと市原隼人さんは大好きだ。

  種ともこさんのファンだった配偶者から、
  映画『虹の女神』に誘われて、
  一緒に観に行く前から存在は知っていたが、
  鑑賞後は尚更スゲェと恐れ入った。

  この方は真にどんな役でも演じ切れるな。

  ただ給食を食べているだけなんだよ。
  この世の何よりも学校給食を愛する教師、
  というはっきり言って異常設定が、
  ガッツリ中央に存在しているだけなんだよ。

  CGは一切使わず(ちょっとしたアニメは入る)、
  生身の肉体を映し込んでのカメラワークで、
  一口ごとの美味さと喜びを、
  ここまで表現できるかね。

  そして甘利田と密かに、
  しかし明らかに、
  「どっちが美味しく食えるか対決」を、
  日々繰り広げている生徒、神野ゴウ。

  教師をあおりまくる神野のドヤ顔が、
  配偶者にはツボにハマりまくった様子だ。


うまそげじゃないか!

  大抵甘利田の完敗で終わるのだが、
  「うまそげ」と言うキラーワードが噴出し、
  生徒の工夫に心から悔しがる姿を見せつけた、
  第1シーズンの第1回で、

  後の映画化に、
  第2シーズンと更に映画化、

  2019年の放送開始でありながら、
  2023年10月には第3シーズン開始という、
  まさかの継続放送中もむべなるかな。

  たとえふざけていようと本気の絵面は強い。

  神野くんは中学を卒業してしまったものの、
  シーズン3で甘利田とタイマンを張る生徒、
  粒来ケンにも配偶者は大爆笑していたので、
  おそらく何の問題も無いだろう。

  そして80年代当時を生きた者からは、
  確かに懐かしいメニューが続々、
  ……と言いたいところだが配偶者は、
  食えた事が無いのでいつも羨ましげ。

  逆に言えば懐かしみが無い人にまで、
  美味そうに思えるって最強。

  やはり物語は食事をうまそげに描き込んでナンボだよ。
  自作小説でも気をつけたいところだけどもな。 

  

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