「プーと大人になった僕」が最高だった

金曜ロードショーで「プーと大人になった僕」を見た。最近は映画はあんまり観れてなかったけど、映画はやっぱり感情が大きく揺さぶられるから大好きだ。特に今日観た「プーと大人になった僕」はそれこそ大人になった俺にはめちゃくちゃ刺さった。実写のプーさんが可愛すぎたので、俺もピチピチの赤い服を着てハチミツを食べたくなった。

晴れて社会人としてのスタートを切った4年前の入社当初こそは未来に大きな希望を抱いていたが、2年少しが経ちいつの間にかきつい仕事をしてご飯を食べるだけの平日や、得体の知れない不安に焦ってビジネス本を読む休日に嫌気がさすことさえ通り越して感情が消えて自分を見失ってしまった。正直、一時よりはマシだが今もその最中にいる。
この映画は、人生において本当に大切なものを思い出させてくれる。幼い頃のクリストファーロビンはプーさんと「何もしない」だけで幸せを感じていた。しかし大人になったロビンは家族やプーさんに構うことなく仕事に没入してしまう。100エーカーの森で「何もしない」ことが好きだと言ったロビンは「何もないところからは何も生まれない」と仕事をし続ける大人に変貌してしまった。俺の親父もそういう感じだが、男ってそういうものなのか、社会ってそれが普通なのか、俺はいまだに疑問を感じる。もちろん給料をもらい生活をしていくには仕事をする必要があるのは当たり前だ。しかし、自分の大切なものが分からなくなったり、好きな人や物に触れる時間を圧倒的に減らしたりしてまで、仕事って大事なのだろうか。俺の答えは全くもってNOだが、そういう思考の大人達によってこの世の中や資本主義が成り立っていることが不思議で仕方がない。俺は甘いのかなといつも悩む。でも確かなのは、俺にとってのプーさんや100エーカーの森は、やっぱり育ててくれた家族であり、小中高時代の友達であり、大夢中になったサッカーだ。これらを失ってまで自分を追い込む必要はどこにもない。とはいえ、20代の間くらいは心身をぶっ壊さないことだけは前提に、がむしゃらに社会でお金を稼ぐということに向き合っていきたいとは思う。時が経ち、もし仕事で心身が削られていく毎日を感じたら、その時はまたこの映画を観ようと思った。幼いクリストファーロビンがプーに言った「何にもしないことは最高の何かに繋がるんだ」という言葉にいつか救われそうな気がするけど、この言葉に救われなくても良いような人生を目指したいと今は思う。

赤のピチピチの服を着てハチミツが食べたいのは冗談である。

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