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ぼくらの100日モラトリアム(91/100)

16日前(10月10日・火)

夫が出社の日。明日以降、出張報告の大きめのミーティングがあるらしく、夫は出張から帰ってきてからずっと、家でも断続的に忙しなく仕事に追われている。
その上、ミーティングのゲストの接待などもあり、夜も明日・明明後日と家を空ける予定だ。

私個人としては、負担にならないように余計な雑談をぐっと控えているつもりなので、一刻も早く仕事が落ち着いて、出産後のことにもう少し目を向けて欲しい気持ち。
仕事だから仕方ないんだけど、この場合、決まっていないことが多かったり、事前にやっておくべきことが終わっていないと、損をするのは夫(出産後の私はほぼ使えないものと仮定する)だと思うんだけど、それはわかっているんだろうか?

散歩がてらスーパーへ行く。
タマネギ4つ入りは、形的にも(土台に3つ並べて、ツリー状にセンターにラスト1つを乗せた形)重さ的にも天敵だと知る。帰ってきてブロッコリーを茹で、ほうれん草コーンの炒め物を作ったところで力尽きた。

先日の実家帰省で、入院セットを入れるキャリケースを取ってきたので、そろそろ中身を詰めないといけない。
しかし、カフェ飯食べたい病がまた疼いてきたので詰めるのを諦めて、ゴロゴロしながら散歩に適した範囲内でのカフェを検索した。まぁ入院準備はまた今度で良いだろう。

……本当にいいのだろうか? 私は何でもギリギリになるまでスイッチが入らない悪癖がある。
でも、何とかならなかった経験がない(または何とかならなくてもいい/何とかなりそうにないものだけ、無意識的に間引いている)ので、やはりスイッチはギリギリまで入らないのだ。


15日前(10月11日・水)

今日も例外的に夫が出社。例の出張報告関連の業務が大変らしい。

夜、相変わらず私はいびきをかいて寝ているらしい。一般的に、いびきをかいている時は眠りの質が良くないというが、それにしても毎日眠い。毎日のお昼寝タイムが長いせいで、一日がすぐ終わる。

そんなわけで(どんなわけ?)眠くて眠くて仕方がないので「昼寝をいつするか」という部分に焦点を当ててみる。
結論、昼ごはん後の昼寝にすると午後いっぱい寝てしまうので、午前中に必要な家事を終えたらすぐに寝ることに。するとお腹が空いて最大でも14時には起きて昼ごはんを食べて、その後は少し動ける。
これは画期的だ。昼寝から目が覚めてもまだ日が暮れていない。
難点は、昼ごはんを食べ過ぎると晩ごはんの時間にうまくお腹が空かないことだ。

なんだか、毎日ごはんのことと寝ることばかり考えている。
私にとって、ごはんの時間にかける時間はそこそこ無駄なものなので、こんなにごはんのことばかり考えているのは損に思えてしまう。

母からのLINEが相変わらず暴走している。
私自身のメンタルも崩れていて母の行動を暴走と思うのかも、と思って夫に話を聞いてもらおうか考えたけど、夫は夫で海外から帰ってきてあまり休む間もなくまとめ業務に追われて疲労困憊だ。おまけに、もうすぐ親になることへの不安はたぶん私が思うより大きいはず。と、いうことに日常会話で気づき、喉元まで出掛かった愚痴を我慢した。えらい。

夫は基本的に私にSOSを出さないから、うっかり寄りかかりそうになるけど、私より心配しいなんだよね。言葉と態度に出にくいからスルーしそうになるけどよくないな。
こんな中でも、夫がいつもより私に目を配ってくれているのはわかるから、私は私で自分で自分の機嫌をとってみよう。そんなだからいやなこと(入院の荷造り)がすすまないという説はあるけど……。
ま、とりあえず、昼寝でもするか。


14日前(10月12日・木)

昨日の教訓はなんだったのか。昼食“後”に昼寝をしてから、散歩がてら預言カフェ(「預言」の詳細はこちらのページ)に出掛けることに。
数日前に探していたいわゆるカフェごはんを出す店ではないけれど、このカフェが流行りだした時にいつか行ってみたい! と思っていた場所のひとつだったことを思い出したので。
流行りだした頃ほど混んでいるのかはわからないけど、行くなら時間のある今しかない。

おやつ時に高田馬場店に到着。待機列はなくすぐに入店できた。店内は既に数組が席についていて、私は残り僅かな空席に通された。
事前情報だと、飲み物はコーヒー以外ではオレンジジュースしかなさそうな感じだったけど、デカフェのコーヒーがあったのでそれを頼む。酸味強めのコーヒー。

しばしコーヒーを飲みながら待っていると、私に預言を授けてくれる方が来られたので、CLOVA Noteで録音させてもらう。
余談ではあるが、CLOVA NoteはLINE利用者向けの議事録作成アプリなんだけど、録音+文字起こしアプリとして最強なので、議事録作成や録音の機会がある人はぜひ使ってみてほしい。

以下、私の受けた預言概要。録音時間は挨拶含めて5分程度。

わかっているけどどうしようもないモヤモヤしたもの、を、愛のシャワーで洗い清めて、私は新たな何かになっていくらしい。
今は大事にされるそのときで、無理をせず、全速力で走る必要はない。私は「いつか収穫をするために、ずっと花をつけていなければならない」と思い込むのではなく、その必要もなく、既にここは収穫に向かうプロセスで、これまでから順を追って続いている場所だ。
じっくり私が向き合ってきた何かを、自分に言い聞かせながら進んできた道を、思いを、天の父は知っている。 だから、これからの道に期待して、楽しんで行きなさい。
これから、自分が得意じゃないと思っていたことも、おもちゃ箱をひっくり返したときみたいに「こんなもの入ってたの?」という、良い驚きや発見があるだろう。それは、私を成長させてくれる何からしい。

録音より抜粋

お会計の時、レジにいた預言カフェのオーナーに、ぽっこりおなかを見つけられてにっこりされる。「もしかして赤ちゃん?」と話しかけられ、それから「飲み物はもちろんデカフェよね?!」とレシートチェックを入れられたので少し笑いそうになってしまった。
その後、臨月なんですと告げると、お腹の赤子と私にやさしく祝福の言葉を授けてくれた。
私は特に人と話すのが好きなタイプではないけれど、産休に入ってから家族・病院関係者以外の人とイレギュラーな会話をすることが減っていたので、なんだか久しぶりに人と話をしたな、という充足感があった。

預言カフェからの帰り道、東京メロンパンでハッピーセールをやっていたので、チョコチップメロンパンとクロワッサンを買って帰宅。 東京メロンパンも、千石に住んでた時にバスの中から見かけては寄れずにいた店だった。
今日は、そんな気になっていた場所に2箇所も行けて満足。


13日前(10月13日・金)

定期検診に行く。予定日まであと2週間もあるのに、先週から約150g増(ちなみに、先々週→先週も約150g増である)の2900gになった。
初産だから、産まれるのなんて絶対に後ろ倒しになるはずなのに、この成長曲線で私の体は耐えられるのか? しかし、身体の調子から考えると、まだ産まれるような様子ではないらしい。不安。やっとここまできたのに。不安は尽きることがない。

体感では、昨日今日あたり腹がやたら重いのと、膀胱への圧迫感が一層増している。その上、一昨々日から尻がふたたびトラブル気味なので、気持ちが後ろ向きになっている。
ただでさえ怠け者なのに、体も重いも心も重いで、外に出るときとごはんを食べるとき以外は、横になったままの時間が増えた。外に出るのだって、臨月の妊婦はそこそこ動かないとお産が辛い、と聞いているから義務感でやっっているところもあり、出かけるまでは気乗りしているわけではない。
母からの追撃もボチボチしんどい。

昨日は預言カフェで久々に病院の人や親族以外の人と喋って、かなり詰まっていたものが抜けたような感じがしたんだけどな。その軽い気持ちはもう持続していない。
もう少しリフレッシュした気分が続くと思ってたんだけど、続かないなら仕方ない。だって続いていないのだから「なんで?」と思ったってドツボに嵌るだけだ。
大体、そもそも私はネガティブな方なのだ。逆にこれくらいが通常モードと言えるかもしれない。

間近に迫ったお産が不安なのは当たり前のことだ。そういうことにしておこう。余計なことを考えず、早く寝よう。


12日前(10月14日・土)

夫が会社の大規模飲み会(例の出張報告会関連)で朝帰り。
二日酔いの夫が力なくごめん……と言うので、百歩譲って朝帰りなのは別に良いけど、まずは日付けが変わる前に連絡してって言ったよね、と言うと返事がない、ただのしかばねのようだ。

夫が起きれないのをいい事に、私も思う存分布団でゴロゴロし、おなかが減った頃に起きて、朝ごはんの準備と簡単な身支度をはじめる。
夫も私がごはんを食べる頃に起きてきて、人と会う予定があるので出かけて行った。

その後、昼寝という名の二度寝をしてしまう。しかし昨日も殆ど動いていないのに今日も動かないのは妊婦の体に毒だ、と、16時も回った頃、自分を振るい立たせて散歩に行く。
目的は、近所……というには少し遠いパン屋やお菓子屋の偵察。パン屋2件とスイーツ店を1件、Google Mapを開きながら回る。結果として、私の出足の時間が遅かったせいで3件中2件は本日の営業を終了していたが、残りの1件であるパン屋で明日食べるパンを買って帰宅した。


11日前(10月15日・日)

今日は引越し先、もとい私実家周辺への挨拶回り。出産後では時機を逃してしまうということで、引越し前の今やることになっていた。

無駄に顔の広い実父のせいで、かなりの件数回ることになっていたのだが、今朝になって夫に「何でそんなに回るの?」と言われて、「うちの実家の付き合いのあるところだから」と答えるも、夫は納得してくれない。
さらに「回る理由があるならやるけど、(上記の理由では)納得できない」と畳み掛けられ、私は納得できない理由がわからなくて混乱してしまった。

一時期とはいえ、うちの実家、地域に住むのだから、その人たち(私実親)が必要と言っているのだから、以上の理由ってある? 理解も納得もしなくても、言われたことをやればいいのに。
私は夫の実家の風習について、マイナスではない感想のひとつも述べたことがないのに、それはただの気遣いなのに、どうしてあなたはたった1回の事象について噛み付くの? 結局のところ、うちの実家や親について軽く見てるから、そういうこと言うんじゃないの?!
そう思って、つい声を荒らげてしまった。

すると夫は「別に挨拶に行くのが嫌なんじゃない、だけどどんな関係か分からないから、どんな挨拶していいかも分からない」と続けた。
それを先に言いなよ。関係性を聞いているのだったら、私にだって別の答え方があったよ。相変わらず言葉が足りない人だな。一気に脱力し、怒りを露わにしてしまった自分にガッカリしてしまう。

さらに私の方でも落ち度があり、挨拶周りは親が付いて音頭をとってくれる、ということを伝え忘れていた。夫は二人でまわると思っていたらしいから、不安が相当あったらしい。
でも、挨拶くらい臨機応変に出来るでしょという気持ちもある。今度引っ越してきます~子供が産まれるので~うちの親がいつもありがとうございます~で大体上手くいくでしょ、と思うのは、システマチックとは程遠い中小企業でトンチキ営業やってた経験上の浅知恵なのか。

そんな感じで多少不穏な空気を残しながらも、車で実家に移動。くせっ毛で雨の日が嫌いな夫は、小雨がぱらついていることにも苛立っている。
実家に着くころには幸いなことに小雨もあがり、母と連れ立っての挨拶回りをすることができた。

マンションに帰ると、近くのカフェでハロウィンオフのようなイベントがあったらしく、ハロウィン衣装だったりゴスロリちっくなドレスだったりに身を包んだ集団が記念撮影をしていた。
ハロウィンは年間通して好きな方のイベントなんだけど、今年は何もできないな。ま、仕方ない。それよりもっと大きなイベントが控えているのだから。


10日前(10月16日・月)

これまでは夫がテレワークの日は私が外出することが多かったが、今日は夫がテレワークだけれど私も家にいる。長時間の外出は少しばかり体にしんどいし、予定日より遅れると思っているとはいえ、二週間を切っているので何が起きてもおかしくないという不安もある。

ただ、妊婦運動がてらの外出はすべきだろうということで、食材の買い出しに行くが、思ったより疲れてしまい、帰ってくるなり横になる。
その後、横になり縦になりしながら、引っ越し先での電気・ガス・水道の手続きをしたりする。みんな思ってると思うけど、こういう手続きって、どうしてこんなに説明がわかりづらいんだろうね? チャットやAIで捌けるものは、ごく一部な気がするよ。

体が甘いものを欲している。しかし、甘いものを食べると胎児が育ちすぎるという説を見てしまったので、見てしまったからには控えなければいけない気がする。だけど、控えなければと思えば思うほど、甘いものが食べたくなるのが人間心理なんだよな。
そして胎児の過成長と同等に気になるのは、かといって甘いものを食べると調子があまりよくないということだ。気にしすぎだったり、罪悪感でそういう体調に……ということもあるけど、やっぱりあまり食べない方がいいのだろうか。

夫は今日も飲み会。前回とは違って、日付が変わる前に帰宅連絡をしてくれたのでよしとする。

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