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夢日記 #6「父の長嶋ジャケット」

変な夢を見た記録

「父の長嶋ジャケット」

 親父が突然、僕に服を買ってやると言ってきた。父に何かを買ってもらうなど中学生以来の出来事である。親元を離れ大人になってからはまともに会話すらないような父と息子の関係なのに、一体なにがあったというのだ。
 父に連れられデパートのようなところにやってきた。紳士服売り場に二人で入っていく。父は1着のジャケットを指し、これを買うと言っている。それは茶色いジャケットだった。分厚い生地で長嶋監督がCMとかで着てるようなガッシリした仕立てのもので、なぜか緑や赤の革でできたアップリケがまだらに貼り付けてある。値段は7万くらいでけっこう高い。
 それから二人は別行動になって僕は外の広場であんみつなどを食べていた。父があとで車で迎えに来る予定になっているようだった。
 しばらく待っていたが父は来なかった。どうやら息子を置いて一人で帰ったらしい。なにか普段の親父と違うなという感覚があった。
 それから場面がかわり、またデパートの中にいた。なぜかそこに父の姿があって「さあ帰るぞ」的な空気で僕を先導して歩きはじめた。僕の目の前にいる男は、いつの間にか例の7万のジャケットをガッツリ着込んで何食わぬ顔で歩いている。
「(お前が着るのか・・・)」
僕は父の認知症を疑い始めていた。

記憶に残っているのはここまでである。

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