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ペイント大全マスターズ:グリーンスキン(肌・顔・爪と牙)後編

よくぞ来た。『ペイント大全マスターズ』は、単一の題材にテーマを絞り、そのペイント方法をじっくりと解説するシリーズ。今回はリクエストの多かった「グリーンスキン」......すなわちオークやゴブリンの肌と、顔、爪と牙のペイント解説後編だ。前編はこちらから見てくれ!

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前編で肌のペイントがひと段落。後編では、目、唇、牙、爪を仕上げ、顔や体の各部に色味を加えて生物感を出していく。

それじゃあ、早速行ってみよう!

目のペイント

まずは目のペイントから。俺がグリーンスキンの目をペイントする時は、白目にあたる部分を赤で、黒目に当たる部分に向かってピンクへのグラデーションをかけている。つまり、人間やドワーフみたいに、違う色で瞳を入れるのではなく、瞳にあたる部分に向けて、白目で使った色を極端に明るくしているんだ。これにより、視線の方向をつけつつも、過度の表情をつけず、モンスター然とした恐ろしさを出せるし、まるで光っているようにも見せられるんだ。ただ、OSL(特定光源法)をするわけじゃない。実際に目が光っているんじゃなく、あくまで周囲の光を受けて反射しているだけだからね。

目のOSLをする時は、呪術師とか、あるいは何かの呪文で操られているとか、魔法関連のエフェクト表現で使うようにするといいよ。OSLは使い所を見極めないと、安っぽくなっちゃうからね。

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ではペイントだ。まずはコートデアームズ237【ラセットレッド】で目をフラットペイント。ラセットレッドはしっとりとした落ち着きのある赤だ。上右写真は、すでに瞳が光っているように見えるけど、これはカラーが反射してるだけだよ。

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続いてハイライトへ。上写真左のように、パレットが4割透けるくらいに水で薄めた104【ブラッドレッド】で、目の両端にラセットレッドを残しつつ残り部分をレイヤリング。ブラッドレッドは、コートデアームズの赤系では一番鮮やかな色で、ちょっとオレンジみがある。全体的に赤が鮮やかになり、目の両端が暗く落ちくぼんで見えるようになったね(相変わらず中心点に反射があるけど、これはペイントによるものじゃないぜ)!

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次に中心点部分(さっきまで反射で白く光ってたとこだ!)へ、黒目に当たる部分を入れる。104【ブラッドレッド】と144【ショッキングピンク】を4:6で混ぜると、サーモンピンクみたいな、少しくすみのある桃色が作れる。ショッキングピンクは、明るいけれど少し灰色みのある、くすんだピンクだよ。上写真のように、通常のフラットペイントよりも薄く、レイヤリングよりも濃いくらいの濃度にして、サキ・シロメ(『ペイント大全マスターズ:肌』後編で解説した)の要領で瞳を描き入れてやる。

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こんな感じね。白目に当たる赤と、黒目にあたるピンクだ。

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今回は、瞳にもハイライトを加えてやる。101【ホワイト】と144【ショッキングピンク】を7:3の割合で混ぜると、ホワイトの白さでショッキングピンクの灰みが消えて、むちゃくちゃ明るいパステルピンクができる。これを上写真左のように半分パレットが透けるくらいに薄め、筆先で瞳の真ん中らへんにチョイっと載せてやろう。さっきペイントした瞳全部を塗りつぶさないように気をつけてね。

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瞳のハイライトまで入れ終わった状態。ギラリと光るオークの目ができた!

瞳のような点付け系のペイントで大切なのは、番手の細かい(筆が細い)面相筆を使うことじゃない。筆先が尖った面相筆を使うことだ。例えば今回俺は、ウィンザー&ニュートン:シリーズ7の3番(一個前の調色写真で見えている筆だ)を使っているよ。00番とか000番みたいな極細面相筆が使いやすい人もいるだろうけど、俺は、あんまり筆が細くて短いと、カラーの含みが悪くなる(=パレットから取ってペイントするまでの間に筆のカラーが乾いちゃう)ので苦手だな。

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