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扉 パート1(モデリング編):ペイント大全ステップアップガイド

よくぞ来た。今回のペイント大全は、少し趣向を変えて小道具系のミニチュアだ。最近特に要望の多かった「扉」の製作にチャレンジしてみよう。

漢たちのシルバニアでトンカツ定食ユニバース

ハーミットイン商店の人気カテゴリー「漢たちのシルバニア」は、家具や情景、小物などと言った物品のミニチュアレンジだ。これらは、冒険者やモンスターのミニチュアと言った“主役”を盛り立てる名脇役たちである。

冒険者やモンスター、町人ミニチュアと並び、こうした物品ミニチュアもまた、オールドスクール・ファンタジーミニチュアの重要な役どころだ。全てが合わさることで、「ミニチュア・トンカツ定食ユニバース」が完成する。トンカツ、キャベツ、香の物、ご飯、ソース、辛子、味噌汁…つまりどれも大変重要で、全てが揃うことで、そこに宇宙が完成するのである。

殺しあうばかりがファンタジー世界ではない。そこには人々の営みがある。お腹を空かせたワンちゃんが調理場から肉を一切れ失敬する情景を作るのも、世界創造の愉しみではないだろうか?

エポック社のシルバニアファミリーを例に話をしよう。ウサギさんの家族をコレクションしたら、想像力と創造力が結びつき、世界に一つだけの物語が生まれるだろう。だが、じきに彼らのお家が欲しくなり、家具を揃えたくなり、食器や食物、お洋服やレストランも欲しくなり、お友達も欲しくなる。かくして、サンタさんへのお願いリストはどんどん長大になってゆくのだ。

俺たちは大人になったのでサンタさんにプレゼントをおねだりすることはできない。日本は確かに少子化が進んでいるが、それに呼応するかのようにサンタさんの人手不足も深刻になっており、我々大人はその辺の事情を汲んで我慢しなければならないのだ。だが俺たちは大人なので、サンタさんにお願いしないでも、年がら年中好きなものを買えるようになっている。大人になるのも、そう悪いことばかりではない。

ともあれ、「漢たちのシルバニア」レンジは、オールドスクール・ファンタジーミニチュアの世界において、ミニチュアたちに熱きドラマとさらなる臨場感をもたらす、素晴らしき脇役たち(あるいは主役そのもの)なのだ。

1人用ファンタジーアドベンチャーゲーム『デス・オア・グローリー』もリリースされた今、こうした小道具ミニチュアは、君のコレクションスペースやストーリーテリングの脇役としては無論、ゲームにさらなる臨場感と物語性を加えるという側面も得た

俺が選んだのは、『デス・オア・グローリー』の様々なクエスト・モジュールで何度も登場するであろう「扉」である。デスグロは、こうした小道具ミニチュアがなくてもゲームが楽しめるようになっているけど、あると260倍面白い。また、君がゲームには興味がなく、ペイントやジオラマ作り、あるいはストーリーテリングを楽しむホビースタイルであっても、「扉」が一つあるだけで、君の世界はがぜん広がりを得ることになろう。

パート1の今回は、扉の組み立てや幅増し(パテによるテクスチャー付け)、ベースへの固定、発展的なプレーン・ベースデコレート奏法を紹介する。アンダーコート、ペイント、仕上げは次回のパート2で!

それじゃあ、行ってみようか!

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