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新製品情報:モンスター温故知新

やあ! 評議会メンバーのみんな、元気にしているかい? 今日俺が君に紹介するのは、今はなきグレナディア・モデルズ(アメリカ)の復刻を手がけるミルリトン・ミニチュア(イタリア)からのオーパーツ・ミニチュアたちだ。いずれも80年代のグレナディア黄金期を支え、世界のシーンを牽引した往年のモデルたちである。そしてそれが今こうして、日本にも戻ってくるんだ!


グレナディアの落日と新たなる夜明け

グレナディア・モデルズ。80年代の世界最大手メーカーであり、80年代国内シーンにおいても、その存在感はひときわ大きかった。

「ゲームズワークショップが本当にスゴイ2つのこと 第2回」で、80年代当時のグレナディアがいかに新興メーカーであるゲームズワークショップ/シタデルミニチュアと対峙したかを書いた。

カウンシル記事「メタルフィギュアの世界が俺に教えてくれたこと」では、国内におけるグレナディア・モデルズの変遷について書いた。

1970年代から80年代にかけ、グレナディアの隆盛を支えたミニチュアは数千に登るが、1993年春にほとんどが絶版となった。そしてそれは、グレナディアが自社のレガシーを失い、衰亡に向かって急降下することを意味していたんだ。

当時、ニューヨーク州を皮切りに全米に広まった鉛撲滅の社会的圧力により、グレナディアは鉛を用いない合金への素材転換を迫られた。結果、往年のレンジに含まれるほとんどのミニチュアが抜けず、大幅な絶版を断行したのだ。その結果、看板ミニチュアのほとんどを失ったグレナディアは、急激に衰退を遂げ、廃業への道をひた走った。

グレナディアの倒産後、複数のメーカーにマスターモールドが散逸したが、最終的にはミルリトンのステファノ・グラジーニの元にグレナディア黄金期のマスターモールドがことごとく集ったのは、シーンにとって僥倖と言える。グレナディアについては、ラルパーサやシタデル同様、伝えたいことがたくさんある。また機会を改めて、グレナディアについても掘り下げてみたいね。

ともあれ今、こうしてグレナディア黄金期ミニチュアが復刻し、かつての製品同様、鉛入りの素材で君の手元に届けられるのは、素直に嬉しいことだ。なぜならこれらのミニチュアは遠い日の思い出を彩る過去の存在ではなく、今なお入手できる現行品なのだから! 

現在進行形のオールドスクールファンタジーミニチュア。それは、現在新たに作られるミニチュアたちを中心とするものだが、現行品として今なおその素晴らしい造形を輝かせる往年のオーパーツ・ミニチュアたちも、俺は大切にしていきたい。今後も折に触れて、ミルリトンによるグレナディア復刻レンジを届けてゆくつもりだよ。

温故知新…古きをたずねて新しきを知る。早速レビュー行ってみよう!

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