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ペイント大全マスターズ:大型ミニチュア組み立て伝説

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ペイント大全マスターズは、特定題材の塗りこみや発展的な製作法を紹介するシリーズ。今回のペイント大全マスターズでは、現在ほとんど語られないか、他媒体で語られていても内容が古すぎたり、言葉足らずだったりしている「大型ミニチュアの組み立て方法」を丁寧に、じっくり解説する。

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今回製作するのは、80年代から活躍する女傑ジュリー・ガスリーの手がけた『怒れるドラゴン』だ。とはいえ内容自体は、大型のメタル/レジンミニチュアなら何にでもそのまま応用できる。今回は組み立てにフォーカスするけど、別途ショウケースのシリーズ記事でペイント法もじっくり解説するぜ。


迫力と重量感に溢れた大型モンスターの魅力

オールドスクールファンタジーミニチュアの多くはパーツ分割のない一体成型(一発抜きという)で、人間サイズのものだと大体3cmくらいの大きさだ。それといわば“同スケール”ながら、めちゃくちゃ大きなミニチュアも存在する。ファンタジー世界には、人間を見下ろすどころか、踏み潰せるほどに巨大な魔獣がのさばっているのだ。

大型モンスターであっても、その素材がプラであれば、単にパーツが大きく分割が複雑というだけで、組み立ての手順は通常サイズのプラミニチュアとほとんど変わらない。だが、大型モデルの素材がレジンやメタルだと、組み立て方はおのずと変わってくる。パーツが細かく分割されていたり、接着面の補強が必要だったり、隙間埋めに加え、ディティール追加が必要な場所も出てくるからだ

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組み立てと表面処理が終わったばかりの『怒れるドラゴン』が冒険者一行と向かい合う! 大迫力だ! こうして並べると、ドラゴンの巨大さがよくわかるね。大型モンスターは、単体でもかっこいいけど、人間サイズのミニチュアや比較対象になる小物と組み合わせると、その巨大さがますます強調されて最高だ。

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ミニチュアは、コレクションするだけでも楽しいものだ。けど、パーツ分割の多い大型モンスターとなると、その全身像を目撃し、造形を心ゆくまで味わうためには組み立てのプロセスがどうしても必要になる....ペイントする予定がなくてもだ。

メタルミニチュアの組み立て方そのものは、『ベーシック:ミニチュア組み立て伝説』で語っているように、それほど難しいものじゃない。

また、素材がメタルでなく、レジンであっても、今回の記事内容はそのまま使える。ただ、レジンにはレジンならではの特性があり、組み立て前に離型剤の洗浄が必要だったりするので、複数パーツからなる大型レジンミニチュアを組む時は、今回の記事に加えて『ベーシック:レジンミニチュアの洗浄と組み立て伝説』も読んでくれ。

使う工具や道具、接着剤などなどは、全て『ベーシック:ミニチュア製作ツールガイド』で紹介してある。購入の参考にしてくれ。

今回の記事は、組み立て後にペイントをすることを想定して、パテによるスキ間埋めやディティール追加、あるいはアンダーコート前の表面処理などもやっていく。俺自身は、今回組み立てたドラゴンをペイントするからね。一方で、組み立てはするけれど、ペイントせずにブラッキングするなどして、メタルの質感や重量感を楽しむ趣味人もいることだろう。

そこで今回のエントリーでは、組み立てた後、『ベーシック:ブラッキング伝説』で解説した仕上げ法でミニチュアを楽しむ人のために、“ペイントしないなら不要な手順”がある時は、そのことも明記していくよ。

さて、前置きはこの辺りでいいだろう。実際に作っていこうぜ!

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