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ペイント大全マスターズ:上級モデリング伝説(パーツのすげ替え改造&グリーンスタッフの使い方)

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よくぞ来た。今回のペイント大全では、『マスターズ:上級モデリング伝説』と銘打ち、今までのエントリーではカバーしきれていなかった、発展的なモデリングテクニック各種を紹介していく。

今回扱うメインは2つ。作例ミニチュアを組み立てつつ、「パーツ変更によるミニチュアの改造」「グリーンスタッフでのパーツ隙間埋め、革ベルトの追加工作、荒れ補修」を紹介する。いずれも、最初のうちは別に必要ないスキルだけど、身に着けることでミニチュアの製作がさらに楽しくなるものばかりだ。

題材に選んだのは、「人間の戦士(斧と盾)」。彼は元々斧を持っているけど、これを長剣に差し替える。軸うちと接着の復習をしつつ、グリーンスタッフでスキマを埋め、盾に革ベルトを追加するぜ。


モデリングは大切なステップ

君がゲームを楽しむためであれ、まとめ塗りを楽しむのであれ、塗り込みペイントやジオラマを楽しむのであれ、ブラッキングで重厚なミニチュアコレクションを楽しんでいるのであれ、ミニチュアの組み立ては必須のステップだ。君が、未製作のミニチュアをコレクションすることを専門にしていない限り、誰もが通過するステップ……それが、ミニチュアのクリーニングや組み立て……つまり、モデリングである。

それゆえにペイント大全では、ミニチュアの組み立てやクリーニングといったモデリング題材を、独立エントリーのほか、ステップアップガイドやショウケースのたびに取り上げてきたし、これからも取り上げ続けるだろう。

メタルミニチュアの基本的な組み立て法と手順を解説した『ベーシック:ミニチュア組み立て伝説』は、初心の友にまず挑戦してほしい内容だ。ミニチュアのパーティングラインやバリの取り方、接着方法、軸うち方法などを丁寧に解説してある。

レジンミニチュアの場合だと、メタルとは違い、最初に離型剤を落とす「洗浄」が必要だ。『ベーシック:レジンミニチュアの洗浄と組み立て伝説』では、レジンミニチュア特有の洗浄プロセスや組み立てのコツをじっくりと紹介してある。洗浄のプロセスを理解できれば、レジンはかなり組み立てやすく、クリーニングもやりやすい。

メタルであれレジンであれ、大型ミニチュアの組み立てにはスキルと根気が求められる。『マスターズ:大型ミニチュア組み立て伝説』では、重量のある大きなパーツをどうガッチリ接着するか、場所をずらさずにどう軸打ちするか、パーツ同士の隙間をどうグリーンスタッフで埋めるかなどを紹介している。

また、ペイント大全ショウケースペイント大全ステップアップガイドでは、そのつど作例となるミニチュアの組み立てから始まるので、様々な実例にも事欠かないはずだ。

今回のエントリーは、上記に追加して、君に更なる「表現の引き出し」を加えるものにとなる。それじゃあ、始めようか!


パーツのすげ替え改造&ミニチュアの組み立て再探訪

ミニチュアの改造にはさまざまな程度があるけど、今回紹介するのは、中でもかなり手軽かつ効果的なもの。武器の変更で、ミニチュアの印象をガラリと変える手法だ。

ハーミットイン商店の『冒険者』レンジで不動の人気を誇る二人の戦士!

俺が用意したのは2つのミニチュア。右が「人間の戦士(剣とたいまつ)」で、左が「人間の戦士(斧と盾)」。右はケビン・アダムズのデザインで、左は、右側のマスターキャストを用いて、イアン・マウンテンが改造してバリエーションにしたもの。マスターキャスト(原型から直接型取りした「マスターモールド」からの一次複製品。量産用のゴム型であるプロダクションモールドの作成に用いるもので通常は市販されない。マスターキャスト自体を指してマスターモールドと呼ぶこともある)に改造を増やしてバリエーションを増やすのは、80年代のシタデルミニチュアを筆頭に、現在でもよくあるアプローチだ。

人間の戦士(斧と盾)の原型。金属部分が「人間の戦士(剣とたいまつ)」なのかがわかるね。

両者をよく見比べると、胴体部分と鞄の多くが共通していることに気づくだろう。主な相違点は以下の通りで、それ以外の部分は同じだ。

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