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ズノートの兵たち パート1(モデリングとアンダーコート):ペイント大全ステップアップガイド

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よくぞ来た。ステップアップガイドは、ペイントスキルのさらなるステップアップを狙う君のためのガイドだ。とはいえ、『ショウケース』でやるような、じっくり塗り込みのテクと手順を紹介するものとは違う。

このシリーズで注力すること。それはミニチュアを最小限の手数で効果的にカッチョよく塗り上げ、テンポよく完成させることだ。いかに手を抜くかという単なるスピードペイントではなく、だからといってじっくり塗り込むコンテスト向きペイントでもない。その真ん中だ。


今回俺がチャレンジするのはポール・マラーの手がけたズノート(オーク豚)。ハーミットインミニチュア製『ズノート(オーク豚)』レンジより『ズノートの兵/ハルバード』『ズノートの兵/メイスと盾』『ズノートの兵/剣と盾』を製作する。原稿執筆時点では近日発売予定だけど、君が近い将来ズノートを製作する時、必ず役に立つはずだ(初期抜きセットを購入した評議会メンバー各位は、すでに手元にあるね!)。

今回のシリーズ記事は、同一ミニチュアはむろん、他のズノート(商店には様々なオーク豚たちが顔をそろえている)、そしてそれ以外のミニチュアにも応用できるテクニックが盛りだくさんだ。

たとえば今回のパート1では:

●リキッドグリーンスタッフによる追加の表面処理
●盾のような薄い部分への軸うちと接着方法
盾をペイント前に接着するか、ペイント後に接着するかの判断基準
●複数のサンドを用いた地面ベースデコレートとハカマ磨き
●アンダーコート

などが取り上げられる。ぜひ役立ててくれ!


ズノート(オーク豚)とは?

ズノートは、他種族からオーク豚とも呼ばれる種族だ。ハルクウーベンのズノートについては、『種族解説:ズノート』で詳しくしたためてあるよ。

🔎関連エントリー
▶︎
ハルクウーべン博物誌 種族解説:ズノート

ズノートは、古式ゆかしい“豚面のオーク”を昇華し、固有種族として俺が考案・設定したものだ。君のファンタジー世界でも彼らはズノートかもしれないし、オーク豚なのかもしれないし、あるいはまた別の種族かもしれない。君のホビーであり、君の世界だ。好きにしてくれ!


ミニチュアの組み立て

左から「ズノートの兵/ハルバード」、「ズノートの兵/剣と盾」「ズノートの兵/メイスと盾」。剣装備とメイス装備は、それぞれ盾が別パーツとなる。

ミニチュアの組み立て方法や手順、気をつけるポイント、使う道具についての詳細は下記エントリーで紹介ずみだけど、改めて紹介していこう。以下の記事3つと併せて参考にしてくれよな。

🔎関連エントリー
▶︎
🔰ベーシック:ミニチュア製作ツールガイド
▶︎
🔰ベーシック:ミニチュア組み立て伝説
▶︎
🔰ベーシック:ミニチュア組み立て伝説II

クリーニング

では、ミニチュアのクリーニングを進めよう。まずは、ミニチュア製造時の空気穴であるエアピンと湯流れを助けるタグをニッパーで除去し、ミニチュア製造時にできる型の合わせ目…パーティングラインをキレイにする。

*購入時のメタルミニチュアが白っぽい理由*
メタルミニチュアは、モールドから外れやすくし、ゴム型の寿命を必要以上に縮めないよう、モールドにタルク(滑石。ベビーパウダーの主成分で、いわゆるチョークの粉だ)をまぶしてから、溶けた金属を流し込んで作られる。

買ったばかりのメタルミニチュアの表面が白っぽく曇っているものが多いのは、このタルクが表面についているからだ。一般的に、凹凸が激しかったり逆テーパー(ゴム型に対して逆台形になる部分)の多いものほど、タルクの量が増える(=白っぽく見える)傾向がある。

タルク量は、合金の種類によっても変わる。傾向として、米国系ピューター(金色を帯びた見た目のミニチュア)はタルク量が少なく、欧州・英国系ピューター(ホワイトメタル)や鉛含有ホワイトメタルはタルク量が多い。


俺の場合、パーティングライン消しは磨く前にやるようにしている。タルクを取り去る前の方が、パーティングラインや段差を見つけやすいからね! 大きめのラインと段差は針ヤスリでならしつつ、残りをモデリングナイフのカンナがけで平滑にしていこう。やりすぎるとミニチュアのディティールを潰しちゃうから慎重にね。

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