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新製品情報&アイテムレビュー(2019 10/28)

「現在進行形のオールドスクールファンタジー」を標榜するハーミットイン商店では、絶版品は取り扱わない。だがそれは、過去の名作をなかったことにするということではない。発売年は昔でも、現行で流通している往年の名作ミニチュアはたくさんある(商店にあるRAFMやミルリトン、ラルパーサ・ヨーロッパのミニチュアには、そうした品が多数あるぜ)。

こうした往年のミニチュアを商店に並べる条件としては、当然「オールドスクール・ファンタジーである」こと、「他ミニチュアと並べた時、サイズ的に不自然でない」こと(昔のミニチュアは25mmスケールなのでかなり小さいんだ)、そして「造形として今なお一線級のオーパーツ・ミニチュアである」こと、かつ、おなじみの「俺自身が3個ずつ欲しいと思える出来栄えである」ことがある。

ただ、最新製品と違う部分もある。昔のミニチュアには、造形的な凄みだけでなく、歩んできた歴史の重みもまた、ミニチュアの魅力に花を添えてくれるんだ。だから今日は、ちょっと過去の話をしよう。当時を知る人にとっては、懐かしい話かもしれない。当時を知らない人にとっては、新たな知識になったら嬉しい。

俺は、このミニチュアを商店で紹介するだけでなく、こいつにまつわるエピソードもまた、君に届けたい。そうすることで、俺が「ゴブリン・ウォージャイアント」に抱く思いを、君とも共有できると思うから。

米国の巨人 グレナディア・モデルズ

時は1980年代。ダンジョンズ&ドラゴンズに代表されるRPGの爆発的流行と共に、メタルミニチュアもまた“メタルフィギュア”として国内に輸入され、静かなるブームを巻き起こしていた。最大手メーカーである“米国の双璧”、グレナディア・モデルズとラルパーサ・エンタープライズに加え、英国の新進メーカー、ゲームズワークショップ(シタデルミニチュア)は、“メタル御三家”として世界市場を席巻していたが、ここ日本においても、三社のしのぎを削る戦いは繰り広げられていた。

そんな中、ひときわ注目を集めた一つのミニチュアがある。当時からメタルミニチュアを知る趣味人であれば、見たことがあるかもしれない。

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