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ペイント大全マスターズ:ロボット/メカのペイントとウェザリング(前編)

よくぞ来た。ペイント大全マスターズでは、特定の題材に特化してその仕上げ方を解説する。今回取り上げるのは、最近リクエストが増えた「ロボットのペイントとウェザリング」。そう、コートデアームズの筆塗りでプラモを塗る回だ。

ペイント大全はハーミットイン図書室の一翼を担うが、ハーミットイン商店と異なり、ペイント大全自体は別にオールドスクールファンタジー専門ではない。筆塗りでペイントを楽しむあらゆる人に向けたものである。

今回のペイント大全マスターズで扱う題材は、ザクヘッド....ザクの頭部モデルだ。ザク(ザクII)は機動戦士ガンダムに登場するジオン軍のモビルスーツで、ジオニック社が開発したこの名機を、バンダイがガチャガチャにして展開している。

今回のマスターズで俺が紹介するテクニックは、単にザクヘッドを仕上げるだけでなく、ロボやメカはもちろん、AFVやSFモノのミニチュア・模型に活用できるし、オールドスクールファンタジーの小物や情景にも応用が効くだろう。

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俺がゲットしたのは、シリーズ5の指揮アンテナ付ザク。左側頭部後方にはジオン公国の共通軍団章と機体の型式番号MS-06Sが印刷されている。F型をベースに指揮官用にチューンナップされたS型を、いわゆる量産型ザクの色で塗装したバージョンと言うことだ。

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ちなみに一年戦争中、ザクII諸型式で最も生産されたのはF型で、宇宙空間はむろん地球上での作戦にも多数投入された。地球侵攻後、大気のある重力下での作戦行動に最適化されたJ型が開発・配備されているが、S型はJ型でなくF型を改修したもの。
ただ、整備時ぐらいにしか視認できない大きさで、側頭部後方の外装部にステンシル塗装で型式番号や軍団章をつけることは、「ヘッドモデル」としての情報量を増す意味ではカッチョいいけど、兵器運用上の事由や整備での必要性をかんがみると、俺は想像しづらい。よって俺は、この軍団章と型式番号は塗りつぶし、描き直すこともしない。ARIGATO&SAYONARA......

それじゃあ、行ってみようか!

プラパーツの組み立て:合わせ目とピン跡を消す

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