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FutureFrontwomen 2018LA研修参加者レポート(後編)

このnoteは前編からの続きです。ぜひ前編もご覧下さい。

2/16 多様性の進むNBAリーグに感激

午前中、日本人NBAライターの宮地陽子さんにお会いし、お話を聞くことができました。女性ライターとしての豊富な経験から、実際の現場の様子や、他のスポーツリーグとNBAとのシステムの違いなど、日本にいるとなかなか触れることのできない生の情報を共有いただきました。

NBAライターになったばかりの頃のお話もしてくださった宮地さん

お話を聞く中で、時代の変化や女性の活躍に合わせて、リーグの取材ルールやシステムなどが少しづつ変化してきていることは、本当にこれまで声を上げて女性の立場を確立してきた方々のおかげだなと感銘を受けました。

宮地さんとのインタビュー後、偶然通りかかったフェニックス・サンズ(日本人初のNBAプレイヤー田臥勇太選手が所属されていたチーム)の広報部長の女性をご紹介いただき、その場ですぐにお話をお聞きすることができました!

周りの同僚、コーチや選手は女性だからとかではなく、平等に接するし、常にリスペクトを忘れずに接してくれる

 と仰っていたことが特に印象に残っています。
宮地さんのお話でもそうでしたが、やはりNBAはDiversityが進んでいるリーグだなと思いました

ばったりお会いしたNBAフェニックス・サンズの広報部長にもインタビュー

この日の午後は、NBA Cares All-Star Day of Serviceに参加しました。私達は、地元のフードバンクの倉庫で仕分けとパッキングの作業を他のたくさんのボランティア参加者の方々と行いました。NBA選手や元選手がコミュニティサービスに関わることで、メディアに取り上げられ、その活動自体の知名度も上がり、コミュニティサービスへの参加率も上がる。これがスポーツの力だと実感しました。そして、アメリカではこのようなボランティアがしっかりと根付いていることを現場でみることができました。

NBAケアーズのボランティア活動にも参加

その後、NBA All-Star weekend関係者の方々が集まるホテルのロビーで、Basketball Without Bordersのディレクターの方からお話を聞くことができました。そこでは、 

  • 国や文化によって女性が教育を受けることができなかったり、スポーツをすることができなかったりと、まだまだ女性の権利が守られていない地域がたくさんあること

  • しかし、Basketball Without Bordersに参加した若者たちがそこでの経験を自国に戻って語り広めることで、立ち上がる女性や若者が増えていくこと

  • バスケットボールだけでなく、お金の使い方や食の勉強、HIVについても学ぶことができること

  • また様々な国から来た人たちと共に生活することが参加者にとって、これからの人生を大きく変える経験になること

 を学びました。これがバスケットボールというスポーツの力で世界を具体的に変えていくことかと感動しました。

そのホテルでは、なんと元NBA選手のディケンべ・ムトンボさんにも偶然お会いすることができ、記念写真も撮って頂きました。背の高さと握手をしてもらった時の手の大きさに圧倒されました。

ホテルロビーで遭遇したムトンボ氏も同じNBAケアーズの会場でボランティアに参加

その日の夜はNBA Cross Overを訪問しました。このイベントは、市街地ビルのエリアを貸切って実施されたファン体験ゾーンで、協賛企業ブースやステージ、NBAの優勝トロフィーなどがワクワクするデザインで配置されていました。最先端のテクノロジーとSNSを利用して、試合会場だけでなく、街全体でオールスターを盛り上げるという雰囲気がとてもよかったです。協賛企業にとっても宣伝になり、参加も無料なので、これからもっと開催地で盛り上がる可能性があるなと思いました。子どもから大人までみんなで楽しめる会場で、家族連れを多く見たので、アメリカでの市民の生活とスポーツやスポーツイベントとの関わりの深さも見えました。

 

2/17  困難を乗り越えるための地域イベント

この日は朝からLakers Youth FoundationのPeace Game(コミュニティの融合を目的としたバスケットボールクリニック)のイベントを訪問しました。

2020年のBLMムーブメントのきっかけの事件などでもあったように、アメリカには警察官による黒人への暴行や、その行為に対する抗議活動が繰り返し行われてきた歴史があります。

人種問題に端を発する負の連鎖を止めようというイベントで、地元の警察官と地元の黒人の若者がバスケットボールを通して関係を築くきっかけになるよう、バスケットボールクリニックの前にレイカーズのレジェンド選手も参加しての警察官と若者の対話セッションもありました。同じコミュニティに住む一人の人として挨拶し、会話するという簡単なことからコミュニティが良くなっていく。これまで困難なことを乗り越えてきた人たちこそ、人に親身になり助けてあげたいという気持ちを持っている。そして、そのような人が多いことに感銘を受けました。

レイカーズユース財団のエグゼクティブ・ディレクター(当時)に質問タイム

イベント訪問後、Lakers Youth Foundation エグゼクティブディレクター(女性)にインタビューをさせていただきました。スポーツ産業は男性優位(人数の割合的にも)の業界ではあるが、スポーツの中でも特にバスケットボール業界は男女平等に扱われる。若者の女性へのアドバイスとしては、メンターを持つことと支え合うことの大切さを説いていました。

競争ではないので、支え合って一緒に成長していくことが大切。そして自分が上の立場になれば自分がしてもらったことを下の人たちにも返す。その連鎖でスポーツ業界の女性たちは活躍していけるはず。

この日の午後は束の間のリラックスタイムで、サンタモニカビーチへ行きました。オシャレなカフェでランチを食べ、ビーチでカリフォルニアの晴天を楽しみました。夜ご飯には、贅沢にも本格的なお寿司屋さんで3人で美味しいお寿司を楽しみました。アメリカの中西部へ留学していた私にはとっても貴重で長らく食べられていなかった本格的なお寿司を食べられて良い時間を過ごせました。

オフタイムにサンタモニカのビーチにて


2/18 若者へ力強いメッセージ

朝から私たちが滞在していたホテルのロビーでGOLD(Global Organization for Leadership and Diversity)の創設者/エグゼクティブディレクターの日本人女性にお時間を頂き、お話を聞くことができました。金融業界で長年エグゼクティブとして活躍してこられた方ですので、すごく言葉に重みがありました。若者へのアドバイスとしていただいた

人脈を作るのはもちろん大切だけれども、それをきちんと維持していくこともまた大事なこと。人脈を作るために、会議やイベントなど様々な所に参加する。その際には、前もって誰が参加しているのか、誰と人脈を作りたいのかのターゲットを絞り、事前準備をしてから参加する。そして、人脈ができたら、その人脈を自分の必要な時に使えるように維持していくことが大切。

が、今でも強く覚えていて、日々意識するようにしています。

その後、All-Starゲームの行われるStaple Center (現 Crypto.com arena)の近くまで行き、現場の雰囲気を味わいながら、近くのレストランのテレビを通して観戦しました。

 2月19日、刺激的であっという間に過ぎていった5日間のプログラムが終わりを迎えました。それぞれが別の飛行機だったので、ホテルで2人とは別れ、充実の日々を振り返りながら、空港へ向かい、無事に大学生活に戻りました。

 

プログラムを振り返って

このプログラムを通して、しっかりとセッティングされていない状態でのインタビューは初めての経験で、さらに英語でということだったので、自分の力不足がはっきりとわかり、何をこれから伸ばしていくべきなのかを見つけることができました。学生ではなかなか経験できない、ビジネスの基本も経験することができたのは、これからインターンシップや仕事をする際に生かせるもので、この機会に学ぶことができてよかったと思います。

「実際にどのような仕事が行われているのか」を現場で見聞きすることができたので、自分のビジョンを明確にしていくきっかけにもなりました

スケジュール自体は「未定」が多く、正直どうなるのかと思っていましたが、初めから予定が埋まっていなかったことで、その場で得た機会を生かし行動することができたのだと今では思います。本当に、とても良いプログラムでした。

プログラム後、大学生活に戻ったのは先述の通りですが、クラスや学内での組織で話すことに抵抗がなくなり、声を上げる勇気がついたように感じます。今後も、学んだことやインタビューした方々から頂いたアドバイスをしっかりと生かせるように積極的に行動し、いろんな経験をしていこうと思います。


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