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高い高い苗字ナンバーワン決定戦

「うおー」
「うわー」
全国から「高い苗字」のナンバーワンを決める大会がついに開催された。
「うおー」
「うわー」
東京ドームは超満員、観客のボルテージもそこそこだ。

「第1試合選手入場!」
身長2mで2mのシークレットブーツを履いたリングアナが高らかに宣言する!
「うおー」
「うわー」
観客の興奮は最高潮だ!

「赤コーナーより【高山】選手の入場です!」

「いきなり高山かよ」
「高山に勝てる奴おるんか」
ざわめく観客席。

背が割と低めの高山が花道を歩きリングへ。

「青コーナーより【宝】選手の入場です!」

「えっ」
「宝?」
「なんで?」

またざわめく観客席。

とにかく試合開始だ! 早速マイクを手にする【宝】!
「【宝】はなぁ、価値が高い!」

「おおおー」
更にざわめく客席。

「そういうことか!」
「これは一本取られましたな!」
審査員席も感服!

【宝】は失格となった。


「勝者高山!続いて第2試合をおこないます!」
新たな相手を迎え撃つ高山の視線の先に現れたのは───

「【富士】選手の入場です!」
”今日バイトどーすっかなー”みたいなダルそうな大学生が花道に登場だ!

「マジかww」
「高山オワタww」

試合開始!
「高山はエベレストとかも含んでる!富士は雑魚!」
高山の先制攻撃だ!
「でも高山って聞いてエベレスト想像する人いねーじゃん」
富士のカウンターだ!
「富士は日本一の山って歌もあるし、山って言われたら普通富士山じゃね?」
カウンター連撃!
「ゲボーッ!!」
高山は失神!

「勝者【富士】!」

「うおー」
「うわー」
観客が拳を振り上げ熱狂!

「第3試合、【K2】の入場です!」

花道を疾走する2人組!
勝俣州和と堀部圭亮のコンビ【K2】だ!

「これは富士より高いww」
「富士オワタww」

だが審査員たるもの常に冷静沈着!
「苗字ではありませんね」
「そうですね」

【K2】失格!

「第4試合、【星】選手の入場で──」
「待ったぁぁ!!!」

リングアナの口上を大音量の声が覆い潰した。

【続く】


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