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「推し」にもし会えたら素敵なことね〜中野たむ編〜

ネットスラングの中に「推しは推せるときに推せ」という言葉があるらしい。41歳、おじさんは、この言葉にビビッときた。
これは、「会いたい人には会えるうちに会っておけ」に通じることだろう。
今日から、新たにこのnoteで、僕が今推しに推している人物について書いていく企画を始めようと思い立った。
そう、僕がぜひとも会いたい「推し」を紹介していく、もう個人的すぎるくらいの個人的な企画。
熱量を持って書いていくので、ぜひ温かい目で見守って欲しい。
(プロレスラーの敬称は略させていただいています。ご了承ください。)

「宇宙一可愛い」プロレスラー、中野たむ

プロレス界の中でも、今、一番勢いがあるのは女子プロレス団体「スターダム」だろう。
親会社はブシロード。新日本プロレスとは同じ傘下にあることから、所属レスラー同士の交流はもちろん、2022年11月20日には合同興行「Historic X-over」を開催するなど、周りの各団体を巻き込み、刺激的な戦いを繰り広げている。

その中でも、僕が推しているのが「中野たむ」だ。
中野たむを語る際、僕らは彼女の美貌と才能はもちろんだが、その情熱について語らずにはいられない。
もともとはバレエに力を入れるものの挫折。そこからダンサー、アイドルと波乱万丈の道を歩んだ中野たむ。
彼女が光を見出したのがプロレスだった。
デビューは2016年7月18日、今や人気、実力トップクラスの女子レスラーとなった安納さおり戦。
安納さおり自身がブログで綴っている言葉で見られたのは、やはり「気持ち」や「気迫」だ。
そう、やはり中野たむというプロレスラーが僕たちを魅了するのは、その情熱的なファイトスタイルなのだ。
2023年6月現在、中野たむは、「スターダムのアイコン」と呼ばれるトップレスラー、岩谷麻優以来2人目の2冠王者である。団体の頂点のベルトである「ワールド・オブ・スターダム(通称:赤いベルト)」と、赤いベルトと並び立ち、試合や対戦選手同士のストーリーにも注目が集まる「ワンダー・オブ・スターダム(通称:白いベルト)」を持ち、トップ・オブ・トップの座に君臨していると言っても良いだろう。
しかし、そこに至るまでには数々の挫折と成功、悲しみと喜びを織り交ぜた物語がある。
スターダム参戦時、拍手や声援も少ない中、参戦を続けた時代。「大江戸隊」というヒールユニットに加入するも、首の負傷により長期欠場を余儀なくされる。
復帰戦では、愛する大江戸隊からの追放をかけた試合で敗れてしまう。しかし、そこで手を差し伸べたのが、初めて赤と白、2つのベルトを保持することになる岩谷麻優だった。
ここからはSTARSという、スターダム本隊のベビーフェイスユニットに加入。初めて王座を戴冠(アーティスト・オブ・スターダム/トリオ王座・6人王座)する。
その後、STARS内に「COSMIC ANGELS」というユニット内ユニットを立ち上げると、ここから中野たむの歩む道が開けてくる。
COSMIC ANGELSはSTARSから独立。中野たむは、因縁の相手、ジュリアと敗者髪切りマッチという、壮絶な試合に臨み勝利をおさめ、同時にワンダー・オブ・スターダムのベルトを手に入れている。
その後は、なつぽいと金網戦を行い、顔を赤く腫らす姿が多くのファンの心を揺さぶったのは記憶に新しい。
そして、今、彼女はスターダムの頂点にいる。これから、IWGP女子王座に照準を定め、初の3冠を目指す戦いを始めたばかりだ。

情熱と情念がファンを魅了する

中野たむは、先ほども書いたように、熱い心を持ったプロレスラーだ。「宇宙一可愛い」はずの彼女は、試合でボコボコにされ、顔を腫らしてしまうこともある。
しかし、そうなっても、決して諦めてしまうことはない。何度倒されても、立ち上がり、時には拳を突き上げ、自らを鼓舞して相手に向かっていく。ひたすらに前に進むその姿は、宇宙一可愛いと言うより、宇宙一美しいし、宇宙一光り輝いている。
また、中野たむの試合は、ストーリー性に富んでいる。対戦相手とのストーリーはもちろん、彼女の見せる表情も、そのストーリーを加速させる。怒り、笑い、涙、すべてが込められた試合に、ファンは同じく、怒り、笑い、涙を流すのだ。その姿は、情熱の塊と言っても過言ではないだろう。

そして、中野たむを表すもう一つの言葉があるとすれば、それは「情念」だ。
情念とは、新明解国語辞典によると、「〔社会とか個人に対する〕消しがたい、愛憎などの感情」とある。
中野たむがトップレスラーとして輝き続ける理由は、彼女に心の中にある、どす黒い情念であると言っても良いのかもしれない。
著書では、岩谷麻優に対し、「大事な試合ではパートナーになってくれない」という感情を持ち、岩谷麻優の上に立ちたいという感情と、自分が岩谷麻優にされたように、誰かに手を差し伸べる存在になりたいという思いから、STARSと決別したことを書いている。
自分のなりたい姿と、嫉妬が入り混じる複雑な感情。そこから生まれるのが、中野たむの原動力なのかもしれない。
ジュリアとは、顔が腫れ上がるまでボコボコにされた経緯、自分がチャンピオンになってからは、比べ続けられたこと、髪切りマッチでは、勝者である自分よりも話題をさらっていったこと。負の感情を丸出しにして言葉を発する彼女の顔を見て、誰がブスだの醜いだの言えるだろう。そこには、覚悟を決めて言葉を紡ぐ、かっこいい中野たむがいる。
赤いベルトをかけた試合の会見でも、ジュリアに襲いかかり流血。それでも試合では勝利し、「ジュリア!私さ、ブスかな?」と語りかける名シーンを生み出したのだった。

中野たむは唯一無二のプロレスラー

中野たむ、彼女は宇宙一可愛いプロレスラーであり、宇宙一情熱的なプロレスラーだ。そして、もしかすると宇宙一ドロドロとした情念を持ち続けるプロレスラーかもしれない。
僕は、そんなプロレスラーを見たことがない。もしかすると、いたのかもしれない。しかし、僕の中では、中野たむがはじめてだ。
可愛さ、情熱、情念、すべての面を含めて、僕らは中野たむが大好きなのだ。時には怒りに顔を歪め、時にはリング上で可愛らしく振る舞い、時には涙を流しながら語りかける。彼女の表情がクルクルと変わる度に、僕らはその姿に魅了される。
中野たむ、その存在は、確実に唯一無二だ。

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