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回収屋<ダイバー>

『境界誤差200突破……どうフリック? まだ見えない?』
「待て。センサーを少し調整して――いたぞ、ここに落ちているのを確認した!」

白とも虹色とも黒とも思える色彩変化を常に行う空間で、所在なさげに漂う船。
それが今回フリック達が回収を命じられたワープゲート巡回船<ストレンジャー号>であった。

――とある天才が<ワープゲート>を発明したことにより、別の銀河とも時間のズレなく往来することが可能になった時代。

空間も時間も捻じ曲げ点と点を結ぶ線を作り、そこを通ることで長距離を一瞬で移動可能なワープゲートは、人々に新たな世界拡大の熱狂を呼び起こした。

だが、やはり空間に負担をかける事に危険は付き物で、時折今回のストレンジャー号のように、線から外れて亜空間へと落下する者達が現れ始めたのだ。

亜空間に落下すれば自力で戻ることは難しく、そのため彼らを現実空間に戻す回収屋……通称<ダイバー>が生まれたのである。

【next dive】

#小説 #SF #イベント #逆噴射プラクティス #逆噴射小説大賞

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