ジャンク・ストーリー
モニター越しに確認した光景は悲惨そのもので、なにがあったら宇宙で大型客船がここまで粉々になるのだと、救援に駆けつけたジャンク屋のJJは首を傾げていた。
「宇宙生物にでも襲われたか? にしたってこの規模の船を破壊できそうな奴は全部昔に駆逐したはず……」
「周辺スキャン完了。救難信号を出していた船はやはり目の前の残骸で間違いありません、マスター」
自分の相棒である管理AIアンブレラの分析結果にJJは頷くと、操縦桿を握り直す。
「ま、この様子じゃ救援は無意味だな。なら死んだ連中には悪いが俺は本来の家業に」
しかし彼が己の言葉を言い切る直前、船のモニターにゴンッという音が聞こえそうな勢いで何かがぶつかってきた。
外は宇宙空間であり、通常の生物であれば生存は許されない極限環境だ。だからこそ最初、JJ達はその人の形をした物が犠牲者の遺体だろうと考えた。だが。
「――アンブレラ説明しろ! あの子こっち見てやがるぞ!」
--next story--
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?