“HOME”の世界観設定

少し遠い未来。
人類は『誰もが平等に生きられる場所』として地球上の全てを模した仮想空間(シミュレーションリアリティ)に居を移していた。話が持ち上がった当初は使用エネルギーと釣り合いが取れないと言われていたが、技術改良によって20年程で克服。当初はリベラル国家、独裁国家が率先して各々のHOME(と言っても国家の全員ではなく、志願者を募った事業)を立ち上げていたが、全人類が移住することになった際に巨大化かつメンテナンスも自動化された。人々の「信仰の自由」「思想心情の自由」「生存権」「安全に生きる権利」「教育を受ける権利」「医療を受ける権利」は最大限に守られ、人々は生まれてから死ぬまでHOMEで生きることとなった。

人々は生まれてすぐ体内に特殊なチップを埋め込まれ、栄養豊富な養液の入ったポッドに入り、そのまま眠るように生涯を過ごす。死後はポッドごと処理される。

99.9%以上のカップルがポッドからの細胞採取によってHOMEの共同母胎を利用し、仮想空間上で産み育てることがHOMEでの価値観となっている。この技術により同性であっても自らの遺伝子を持った子を育てることができる。

唯一人類に残された『生物としての人の権利』は地上で自然のままの子作りをすること。
子が産まれたら揃ってHOMEに戻るのがルール。外に出ているカップルはバイタルデータを常に監視されている。

ごく稀にHOMEでの生活に適合できない者が現れる。彼らには「即座に死ぬ権利」「人知れず死ぬまで眠り続ける権利」もしくは「外での任務」を与えられる。外での任務は『管制』『探査』。サイボーグ化を施され、機械と共に、もしくは孤独に任務を遂行する。どちらも『管理官』と呼ばれる特別な存在。特に『探査』を行う者は産婆と医療者の役割を担うため責任は重い。反旗を翻した場合は『管制』によって即座に抹殺される。『管制』もまたHOMEの統括政府によって常時監視されている。

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