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【CEDEC2023】プロジェクトだけでなく組織もアジャイルに~課を越え相互理解から連携を強化する組織づくり~ 講演補足記事

こんにちは、研究開発課の森田です。
今回は先日登壇させていただいた、CEDEC2023の補足記事となります。


セッションの概要

過去、プロジェクト内での取り組みとしてアジャイル開発を行う事はありましたが、2022年に研究開発課だけでなく情報システム課の課長を兼務する事になった際に、情報システム課をアジャイルな組織に変化出来るよう取り組んできました。

課毎でアジャイルな取り組みを行うだけでなく、研究開発課、情報システム課合同での活動についてお話させていただきました。

情報システム課の取り組みについて補足

各課の取り組み自体はサラッと流し、合同での取り組みの話を優先した為、少しだけ補足しておきます。

カンバン

情報システム課では、カンバンを導入しタスクや割り込みの見える化を行いました。週末にふりかえりを実施し、計画通りに作業が出来たのか確認したり、カンバンボードのカイゼン等を行う流れです。

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情報システム課は、ヘルプデスク業務もあり日々割り込みが発生します。
その為、中長期計画に対するタスクの優先度が下がりやすく、計画の見直しや変更と言った日々の確認が必要ですが、出来ていませんでした。

見える化する事で、長時間留まっているタスクや、優先度が下がっていたがそろそろ着手しないといけないタスクの確認がしやすくなり、デイリーや、ウィークリーで再計画を行えるようになりました。

割り込みが多くとも、検査し再計画を行う習慣がある事で、気持ちよく健全にタスクをこなす事が出来るようになりました。
「人数が少ないから必要に応じてやっています。」ではなく、時間を決め、習慣化する事が重要だと思います。

感情、体調の表明

時間の都合で講演時にはカットしましたが、感情やその日の状態を表現する為に行っている取り組みがあります。

有名なツールとして、ニコニコカレンダーがあります。
ただ、私たちのスペースにも設置しようと検討したのですが…

壁が足りない…

という事で、カンバンボードの上部を少し使い、毎朝 〇、△、✖ の三段階で今日の気持ちを表明し、軽くお話してからスタートします。

  • あまり体調は良くないです。ちょっと天気のせいか頭痛が…

  • 今日の夜予定があって、早く終われるかそわそわしてます!

と言ったような、個人的な事でOK。
体調や気持ちの確認をしてから、タスク入れ替えや相談を行ったりします。

残業しなくていいように、中途半端に終わるかもしれないタスクをこなすよりも、小さく安全そうなタスクを優先する。ぼーっとしているので、考える作業より流れ作業を行う。と言ったように、優先度の変更が可能であれば、タスクの入れ替えを行ったり、タスクの移譲を行います。

1日3回の同期 単純接触効果について

課と合同で、合わせて3~4回の同期タイミングがある事をお話しました。


研究開発課、情報システム課は連携や相談する事が多いですが、名称の通り組織としては"課"が異なりタスクも違います。当然、課が違うと接点が少なく連携しようにも上長の判断を待つ事になる場合が多いと思います。

ですが、毎日2回両課全体で顔を合わせる事で、短時間であれ確認や相談がスムーズに行えるようになりました。

これらの一日の中で、数回同期を行うのはプロジェクトでも有効です。

2020年以降、オフィス出社、テレワーク、リモートワークと言ったハイブリッドな環境に変化しています。ビデオ会議ツールの利用が広まり、会議室からビデオ会議をつなぐのではなく、自席からビデオ会議に参加する事も増えました。

結果、気軽に話しかける事が出来ていた場が減ってしまいました。

それらを補う為に、5分でも構わないのでタイミングを作る事で、
 「明日確認しよう」「来週の定例で確認しよう」
と言ったようなような話を即日解決できたり、時間を空けてもらうために、長い文章を作成すると言った事がかなり軽減されるかと思います。

1分間スピーチ

この1分間スピーチは、Scrum Fest Osaka 2019、CEDEC2019 にて、
コンセントリクス・カタリスト(旧 タイガースパイク)社の根岸さんがお話されていた取り組みです。オフィスにお邪魔させて頂いた際に体験しましたが、ステキな取り組みでした!

すぐにプロジェクトやいろんな場で実施していたのですが、いつかオフィス全体で実施したいと思っていました。

2020年以降にオフィス出社から、リモートワーク、テレワークに移行した結果、会社という組織の中の一人と言う感覚よりも、プロジェクトが主となり、それ以外の情報は主体的に取らないとわからない状態になりました。

以前から関係性のある場合は良いですが、中途や新卒で入社された方がいたらどうでしょうか? 直接関わるプロジェクトの方としか接点が無く、それ以外の方と話したり、どういう人がいるのか知る事も難しくなります。

その為、2021年7月から毎月1回大阪のオフィス全体で、Zoomを使って実施する事になりました。毎月1回 組織的な全体共有の会があるため、その日の朝に実施しています。

やり方はシンプルです。
Zoomに集まり、ブレイクアウトルームでランダムに割り振るだけです。

 0.初回のみ 1分間スピーチをなぜするのか説明する
 1.テーマを伝える
 2.1分間のシンキングタイム
 3.4~5人のグループにわける
 4.1分間ずつ話をする
    各々時間が許す限り雑談

10:00~10:15 を時間として設定しているのですが、各グループ全員が話終えても、多くのグループが10:15まで残って雑談をしています。

開発部だけでなく、業務部、法務部、情報システム課といった非開発のメンバーや役員も参加する為、新人と社長、部長という組み合わせもあったりします。月一回のランダムの為、「よく〇〇さんと一緒になる」と言った声も聴きます。

この1分間スピーチの場で終わるだけではなく、他の場で

「1分間スピーチ誰と一緒だった?」

と言ったような話もされているようで、話すきっかけが増えているのはうれしい効果です。

立ち向かう事に疲れたら、コミュニティにでかけよう

様々な取り組みを昔から出来ていたかというと、まったくです。

いろいろやりたい事やカイゼンしたい事がある中、社外のコミュニティに参加して、気づきを得たり、勇気をもらいました。

本を読んだり、記事を読んで全て解決できるのであれば素晴らしい事です。ですが、何かをやるとしてもそんな簡単な話ばかりではありませんでした。

一人で悩んでいましたが、勇気を出してコミュニティに参加してみたら同じような課題感を持つ方々とお話する事が出来ました。

自身の生々しい状況や、悩みを伝えると様々な話が聞けすしアドバイスもいただけました。

孤独感を感じ疲れるくらいなら、「ちょっと聞いてほしい」と外に出てみるのはどうでしょうか?おすすめです。

最後に

反響があったところとしては、以下でしょうか。
 ”何かしたい事、やりたい事があるなら偉くなろう”
この”偉くなるためには”の部分が聞きたかった!というお話がありました。

信頼貯金をどうやって貯めていくのか、信頼を得ていく為に何をしていたのかというお話になるのですが、また機会があればお話させていただきます。

スライドを見ただけでは、お話させていただいた内容が伝わり切らないかと思いますが、皆様の現場で何か試せる物があれば幸いです。