『完全SIer脱出マニュアル』所感

電車で電子版を読みながら、思わず大きなうなずきと涙を浮かべそうになったのはここだけの話だ。

今の仕事がつらいわけではない(つらい時期はあったが)が、それなりに(内部の事情通として)やれることが見えてしまって半端な便利屋と化した私にとって、道しるべとなってくれそうな、そんな1冊であった。

私の職業が何かと問われると、SEと答える。しかし、自分でも納得がいかない、ただの技術寄りサラリーマンといったほうが正しい。現状(必ずしも会社ではないとは言っておく)への不満、漠然とした不安はそれなりにある。しかしどうすれば動けば良いのかわからない。この業界の目標もない、しがない文系から飛び出してしまった人間だ。だが自分が世の中に提供できる価値を信じている。

正直なところ、この本で言う「エンジニア」になりたいのか、と言われるとそれもまた違うと思う。それでも、技術・システムで世の中をよくしたい・おもしろくしたい・楽しく生きたいというのが、少なくとも今のところの唯一の拠り所である。そのために、自分の武器を磨いて、ヒトと交わって、さらに磨く。そのサイクルがこんなにも簡単に回せるかもしれない。気取るわけでもなく、自然体でできるのではないか。そんなHowToと可能性に出会えたことを、心から喜びたい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?