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初めてのネイル

明日は推し活だから、ネイルを塗る。最近は真紅のネイルに落ち着いた。濃い色・深みのある色が好きなのだ。

私が初めてネイルをしたのは、フィリピンにいたときだった。アニメーター志望のお姉ちゃんと一緒に居た。割と人生のどん底期だったけれど、不思議とそのお姉ちゃんだけには、あれこれしゃべってもいいような気がした。そんな中で自然とヲタばれもしてたし、そんな会話をできることが嬉しかった。

そんな中、たまたまヲタネイルっていいねって話になった。化粧っ気もない私は、自分は不器用だし、何そろえていいかもわからないからできないなあとかいうことをぼんやりと言った。そしたら、是非やろうとそのお姉ちゃんがいってくれた。即座に、イメージ(アイマス映画の衣装)を伝えて、2人で買い出しに出た。フィリピンのネイルは安かった(確か一本50円もしないくらいだったような)。

4色くらい買って、器用に塗ってもらった。もちろんプロ並み、とはいかないけれど、全部の指のデザインを凝ってもらって、私にしかない指先にドキドキした。その指でお出かけしたときに、ちょっとだけ、強くなったような気がした。

それ以来、たまにネイルを塗るようになった。最初は見えるところにすることに抵抗感があったので、ペディキュアをたまにするくらいだった。そのくせ、黒とかを塗ったりした。その「アンマッチ感」に一人でシャワーを浴びながらにやにやしたものだ。なんやかんやで、手に塗るようになった。最初は肌色とか「無難」っぽい色を塗ってたけれど、それなら塗らないほうがいいやとやめた。とはいえ、不器用なのと、こらえ性のなさで、何色もきれいに塗るのは無理だけれど、逆に一色で、こだわりの色を付けるのが何となく自分にとっての「オトナ感」を身につけさせてくれると思っている。

私にとってのネイルは、小さな自己表現と反骨心の表れだ。そして、ちょっとした大人のトキメキなのだ。ネイルぐらいでがみがみ言われたくない、という私と、どこかで憧れる大人のお姉さんの象徴である。

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