プロへの頼り方

SIerにつきものなのが、情シス部門とのやりとり。
情シスからしたら、SIer=システム技術のプロだと思っている。だからこその対応というのがある。だが、決して「なんでもや」ではない。「何となくうまい感じに」システムを作ってほしいといわれても、出てくるわけではない。今の何を解決したいのか、何は我慢できるのかetcをいわゆる「要件」として整理する必要がある。情シス側も技術に精通していれば、あるいはSIerとの役割分担を踏まえていれば、そして何より、情シス側が「こういうシステムが必要」というイメージを抱いていれば、恐らくうまくいくケースが多い。だが、そうじゃないケースのほうが圧倒的に多いと思う。なんとなく「現行踏襲」とか、なんとなく「いい具合のものを提示してほしい」とか、なんとなく「勝手にやっといてほしい」とか。そういう場合でも、もちろん手練れのSIerであれば、根掘り葉掘り要件を引き出せる人もいないわけではないが、だいたいの人はそうではなく、ふわっと合意して、1年後に双方泣きを見るのである。

とはいえ、どちらが悪いとかそういうことが言いたいわけではない。これと同様のことを日常悪気なく起こしている。例えば、美容院。美容師に「何となくいい感じにしてほしい」とかなんとなく「伸びた分切るくらいで」とか注文しがち。そして、いざ終わってから「何となく違う気がする」ってなるやつ。こちらも、手練れの美容師であれば、上手く要望を引き出せる人もいるだろう。だが、切られる側がせめて、困っていることとか改善したいことを伝えるだけでも、その要望を実現できるかどうか美容師も検討できる。そして「課題」に対するコミュニケーションをとることで、ちょっとは終わった後の漠然とした違和感が改善するのではなかろうか。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?