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ゲーセンの営業ノウハウを記していく①

ゲーセンと立地営業戦略(概要)

はじめに

20年間勤めた、西日本で30店舗以上を運営していた会社を退職して3年が経過しましたので、その当時に自分が得てきたノウハウのようなものを記していきたいと思います。
以下、注意点(テンプレ)
1・(もちろんですが)元所属会社の営業秘密は記しません。
2・勤務していたのはコロナ前なので、現在には当て嵌まらないことも多いと思われます。
3・とはいえ、普遍的?な基礎の考え方や現状も鑑みて記事は書きます。
4・なるべく早いペースで書いていくため、文章が変だったりわかりにくい場合があるかもです。
  質問等はコメントにお願いします。なので、後日記事の修正が入り得るのでご了承下さい!
5・有料記事も含みます(読んでくれる人がいるのか・・・) 今回は無料ですー
以上ご留意のうえお読みください。

ゲーセンで一番大事なこと

と本題に入りますが、至極簡単でそれは「集客すること」です。
ゲーセンは何だかんだ言っても、施設があって、お客様が来るのを「待つ」業種なので集客することが何より大事で、集客をするために各種要素が決まっていくと思って間違いないです。
で、ゲーセンは施設の立地と建物で8~9割決まると言われてます。これは何より集客に大きい要素であるからで、見込み客の多い場所に立地すればそれだけで集客ができる理屈になります。
営業している店員側としては、なんだかお前らは大したことないと言われている気がするので面白くないですが、逆に考えたら2割ぐらいは人の力で変わるのでヨシとしてください!
というわけで、人通りが多い、安い土地に出店すればいいのですが、基本的に集客数と立地にかかる費用(家賃等)は比例関係にあるので、ここで各社の腕の見せ所となるわけです。
ある会社では立地にお金をかけるので、効率的な営業(早い話、人が少ない)をしています。
ある会社では立地は良くないが、郊外で大きな土地を借りて複合施設をつくります。
ある会社ではそこそこ良い立地を安く借りて、営業にお金をかけて集客しています。
などなど。

立地にお金をかけているパターン

このバリエーションにも複数あって、
1・繁華街一等地に建物を借りて営業する
2・ショッピングセンター(SC)に出店する

まぁどちらも家賃が驚くほど高いということに変わりはありません。
噂ベースですが、東京の一等地の家賃は、地方都市の大型店舗の売上より高いとかなんとか・・・
ただ、どちらも家賃比率が高くても金額が大きくなればその他費用の比率は下がるのでやっていけるわけですね。
一等地の場合は他にも競合店がある場合が多いのでレッドオーシャン気味になりやすいのと、SCの場合は入居すれば競合はないものの、母体が失敗だと集客ができませんし、そもそも入居するまでがレッドオーシャンなので思うように出店できないのがデメリットとなります。
また、多くのSCの場合は数年単位で移転や退去などに関しても母体側の権限が多いのはリスクですね・・・

郊外に複合施設をつくるパターン

基本的な考え方としては、自分のところで集客できる施設を作ってしまおう、ということだと思われます。
坪当たりで言えば高くなくても、借りる面積・建屋の大型化などで、かかってるお金自体は大きいのでしょうが、競合をあまり気にしなくて良いのが強みですね。
もちろん、お金がかかっている分、失敗した時のリスクが大きいのは言うまでもありません。こちらもそもそもその土地や建物を用意する資金力、様々な施設を運営できるノウハウなどが必要ですので、おいそれとできることではありません。

そこそこの立地で営業にお金をかけるパターン

主に地方都市でつくられるパターンです。地方の人口だと集客できる人数=売上の上限は決まってしまいますので、バランスとしては見込める客数に対して、それなりの地代での店舗が求められます。
しかしそれでは立地の良い店舗のようにお客様が来ませんので、その分のコストでお客様に還元できる部分=ゲーム機を多く導入する、景品の原価率を高めにする、スタッフを多く雇う、などにお金を使い集客する・リピートしてもらう営業です。
ただ、「そこそこ良い」が本当に良いところなのか、家賃が妥当なのか、営業にお金をかけてお客様が本当に来るのか、など事前に判断が難しく、失敗しやすい立地戦略とも言えます。

どれが正解なのか

で、いろいろなパターンがあるが、どれが正解なのでしょうか?
どれも正解ではあるのですが、良いものを引ければ一番儲かるのが、
・そこそこ良い立地で営業にお金をかけるパターン
目論見より下回りそうだったら、かけるお金を減らすなども可能ですし、事前に解約しやすい契約にしておけば、ダメージが少ないうちに撤退も可能です。
ただ、どうしても当たりはずれがあり、出店担当者に責任が行きがちだと決断できなくなるので、組織体制的に大きい会社はやりにくいんでしょうね・・・
そういった具合で、読みやすいのは立地にお金をかけてしまうパターンになってしまうわけです。ここ数年の大手オペレーターのオープン店舗は繁華街かSC店舗が大半だと思います。

まとめ

ゲーセンで一番大事な要素は集客である、というのは私が仕入れをやったり、営業指導をする際にも基礎にしていた考え方なので、今後もこれをベースに記事を書いていきます。
今回は立地について書きましたが、立地は本当に難しく、各オペレーターの出店担当さんも悩まれているところと思います。私は最終判断に入ったりしてはいましたが、専門でやっていてわけではないので概要だけ(現状の店舗から分析するだけ)ですが、そのような見方で店舗を見てみるのも面白いのではないでしょうか。
これからゲーセンをつくる!という人も少ないとは思いますが、自店舗がどのような立地で営業戦略が決まっているのか、という理解の一助にはなるかと思います。ご参考までに。

次回予告

集客をベースに~と言っておきながら、次回はゲーセンの歴史と類型について書きたいと思います。

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