ゲーセンの営業ノウハウを記していく⑥

集客からみた機械購入戦略

はじめに

一週飛んでしまいましたが、なるだけ頑張ります!!!

注意点(テンプレ)
1・(もちろんですが)元所属会社の営業秘密は記しません。
2・勤務していたのはコロナ前なので、現在には当て嵌まらないことも多いと思われます。
3・とはいえ、普遍的?な基礎の考え方や現状も鑑みて記事は書きます。
4・なるべく早いペースで書いていくため、文章が変だったりわかりにくい場合があるかもです。
  質問等はコメントにお願いします。なので、後日記事の修正が入り得るのでご了承下さい!
5・有料記事も含みます(読んでくれる人がいるのか・・・) 今回は無料ですー
以上ご留意のうえお読みください。

機械の採算

ゲームセンターで大事なのは建物・立地であるという話は最初の方にしましたが、その次に大事なものはお金を稼いでくれる「ゲーム機」です。
ゲーム機は導入するコストに様々な支払方法が現在では存在しますが、
通常の採算性とは、
ある一定の期間に稼いだ金額
が、
機械の購入費用と諸々の金額
をどうクリアするかを考えます。
一定の期間とは、「法定償却期間内」と考えている会社もあれば、「2年間」と一定期間にしている会社もあり様々です。
購入費用はもちろん機械自体の金額ですが、諸々の金額には修理費を含む会社、次回のバージョンアップ代金まで含んで考える会社などがあります。
まあ、単純に考えれば、「購入した金額」と「売り上げた金額」の差し引きが採算となるわけです。
これはもちろん非常に大事なことで、購入金額だけしか売り上げを稼がない機械は、その設置されている面積の家賃、使う電気代、スタッフの給料などを稼ぎ出していないということになりますので、普通は購入金額の2倍や3倍、できれば5倍ぐらい稼いでもらいたいわけです。

採算だけで良いのか

では採算の良い機械だけを取り揃えればゲームセンターは必ず儲かるのか、と言われればNOなわけです。
例えばコンビニで採算の良い製品(自社製コーヒー、自社PB商品など)だけ置いていたらお客様は来るのでしょうか?
このシリーズとしては「集客をする」ということが全体売上に大事ですよ、という縦串で考えているのですが、採算と集客は必ずしもイコールではないものです。(ただし、採算の良い機械はそれだけ人がやってくれているという証明でもある)

”目的客”と”ついで客”

お客様には様々あって、「このゲームがしたいんだ!」と思ってゲームセンターに来る方がいます。こういう方はゲーセンに行くという強い目的をお持ちなので「目的客」と呼びます。
一方、どこかに出かけたい、家族ででかけたい、という大きな目的があって、そのための手段としてゲームセンターを選択する方がいます。こういう方は他の業種も含めていろんなところに行くので、「流動客」「浮動客」と呼ばれます。私はついでに遊んでくれるので「ついで客」と呼んでます。
この上の文章を読んだだけでわかると思いますが、この2つのお客様は目的がそもそも違いますから、集客する手段も全く違ってきます。

目的客を集客できる機械とは

目的客の場合は明確に「このゲームがしたい」という目的がありますので、その遊びたいゲームを用意すればよいですね。
もちろん、ゲームセンターの特殊な?商慣行により、必ずしも仕入れることができるわけではありませんが。
漠然とこの目的客全体を見た場合に、新作ゲームが出た時に一番来店動機が増大し、バージョンアップでも少し増大し、となります。同じゲームでは来店動機はどんどん減っていきますから、「変わらない」ことで集客は落ちていくと思いましょう。
こういう観点で見ると、個別の機械の採算はもちろん大事なのですが、新作ゲーム機が入らない状況というのは集客を落とし、お店自体の活気を奪っていきます
特に利益面で苦しくなってくると機械を買わない方向で採算をとろうとする会社もありますが、概ね延命しただけで復活した例はないのではと思います。
もちろん、買いたくても新作が買えない場合もありますので、その状況でお客様に新鮮味を与えるのにはどうすればよいか?という別の課題も出てきます。

ついで客を集客できる機械とは

ついで客の場合は「どういった体験か」「他業種と比べて選択するメリット」が大事になってきます。これが難しくて、人気のあるゲームを用意すれば、はい集客。とはいかないわけです。
しかもついで客といっても様々で、それによってもやることは変わります。
主な例としては
・カップル、若者グループ  繁華街、郊外複合型などに多い
・家族連れ         SC、郊外単独型などに多い

があります。
カップルが多いのであれば、クレーン機やシール機などの設置が必要でしょうし、若者のグループであれば太鼓の達人やマリオカートを4席設置するなどがあるでしょう。
家族連れの場合は出費を抑えつつ、家族で時間を過ごせるということがありますので、キッズ用のメダル機や子供を乗せて遊ばせる乗り物系などが必要になってきます。
ここにあげた機械はクレーン以外、比較的短期の採算性が悪い機械ですが、人を集めるうえでは欠かせないかと思います。
しかしそれでも、あくまでついで客なので、この機械を置いたから来てくれるわけではないのがつらいところですね。(なのでここの見出しは偽りアリです)

競合対策としての機械購入

単純に負けたくないという理由(笑)で購入されるところもあると思いますが、あながち間違いでもないのが、「競合が買うから買う」というやつです。
採算はおいといて、機械が人を集客できるとすれば、相手に入っていてこちらに入っていなければ、一方的にお客様を取られて終わるのです。
難しいのは「どの機械は競い合って、どの機械は勝負から抜けるか」。お金が無限にあれば全部沢山買ってしまえばいいのですが、最終的には採算も見なければいけません。「良い機械は競合より沢山買って、悪い機械はより少なくor買わない」というとても難しいことをすれば楽勝ですw
競合対策として買う場合は、相手より財力がある もしくは、機械選定精度が高い のどちらかが無ければなりません。

まとめ。でも集客って・・・

はい、ここまで「採算」という数値的なものだけを重視するのではなくて、「集客」も見ていきましょう・・・って話なのですが、「採算」が数値的なものであるのに対して、「集客」となるとなかなか数値での効果測定が難しい分野になります。まして売上=客数ととらえてしまうと、(ほぼ)採算=集客という答えになってしまい、わりとドツボにはまってしまいます。
この「数値」なのかお店の魅力的な「雰囲気」をどこまで重視するのか、という問題ははっきり言ってここは経営方針に関わってくるので、末端の人間では如何ともし難いところもあるのですが、ジャンル分けをしてみたり、客層別に対応機械表を作ったり、どうにか全体の魅力を上げられるような購入ができればいいですね・・・

次回予告

次回は「集客からみたプライズ原価率戦略」というのを久しぶりに書いてみておきます。


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