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愛について アジアン・コンテンポラリー/たのしむ、まなぶ 夢のかけら

"コンテンポラリー"という文字を見ると、脳内が沸き立つ性分なので、「愛について アジアン・コンテンポラリー」目当てで恵比寿ガーデンプレイスにある東京都写真美術館に行った。

写真というメディアの記録力って、その瞬間の一点を超えてしまう事があるから恐ろしい。被写体も、風景も、レンズの外れも、カメラマンの視線も残ってしまう狂気。を思い出した。

1986年生まれ、須藤絢乃さんの作品には全て
近づかないとわからないくらいさりげなく、オーロラのアクセント。被写体の何処に輝きを添えるか心得てる感じ。
「かわいい」がベースなんだけどそれだけじゃない、影落ちしてる雰囲気が良かった。

色々ダメージを受けつつ心に残ったチェン・ズ(陳哲)さんの作品はずっとひりひりする。
自傷行為をテーマにした「我慢できる:誕生日」を見ていたら「あぁ、この無数の傷線は、迎えた歳の本数分って事なのかな。と思って無心で数えた。21本あった。

展示のメインビジュアルである「蜜蜂」の構図が素晴らしく、表現の幅があって凄いなあ、と感心した。

面白そうだなぁと気軽に入った写真美術館のコレクション展。
「たのしむ、まなぶ 夢のかけら」
子供でも楽しめるくらいポップな展示方法。
テキストの間で作るリズム感が素晴らしい。

ある山の、あるありきたりな、命のうつろいを定点観測した、宮崎学さんの「冬・ニホンジカ 1993年」シリーズが忘れられない作品になった。悲しい景色ほどうつくしく感じるし、悲しいと思うこと自体がおこがましいけど。
そんな事をぐちぐち考えても目はうるむし涙は流れる。

この作品の前にベンチを据えるってのがまた。


#写真美術館
#愛について #アジアンコンテンポラリー
#美術館 #art

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