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元ひきこもり。青春も遅れてくる。

東京。とある若手のお笑い劇場を訪れた時のこと。

私は前もって前売り券を購入していたので、前列に座っていました。
夕方開演だったのですが、始まる頃には前から3列ほどは全て小綺麗にした若い女の子達が客席を占めていました。

芸人ってモテるんだ・・と思った。

客席にいる女の子は、ただ純粋にお笑いが好きで見に来ている雰囲気ではありません。皆身なりをキチッとしていて、客席からアピールしている風貌に見えたのです。

もし自分が十代の頃で、この事実を知っていたらモテたいという動機でお笑いを目指していたかもしれないなんてことを考えていました(現実には私は人前に出ることが得意ではないので難しいとは思う・・)。


私が二十代前後の頃。
昔からのツレに会うとモテたいことに必死でした。
それなりに身形を整え、ナンパに勤しみ、浮気をしまくっていました。
「社会的ひきこもり」状態だった私からすると、浮気は御法度であり、なんて不埒な不埒なことをしているのだと倫理をかざしていました。

そんな彼等を私はアホらしいと否定をしていたのですが、今この年になって私はモテたいと思っているのです・・・・。

14年間寄り添ってきた彼女と別れて一人になりました。
もう特定の彼女が欲しいとは思いません。
結婚もしたいとは思いません。
しかしモテたいとは思うのです。

皆が二十代の頃に経験している願望が今私に吹き出しています。
周回遅れの青春。
所帯を持って落ち着いて、子供が大きくなるぐらいの年代で私は青春をかましているのです。

身形について

44歳。年齢に抗おうとしています。
若々しい人というのは体型がスリムなのです。

丸々としたおじさん体型にならないように筋トレを始めました。
筋肉をつけて代謝を高めて中年太りを回避することにしました。
バーベルを担いで顔を真っ赤にして夜な夜な鏡の前でスクワット。
すると体が締まってきました。

少しだけ膨らんできた胸の筋肉を暇さえあれば触って悦に浸っているのです。

また肌も大事です。洗顔後に保湿は行い、お風呂に入った後はパックもするようになりました。これが効果的でパック後の朝は肌がなんだか艶々するようになった気がします。

また女性用の剃刀を購入して顔剃りを自分でするようにもなりました。全ては瑞々しいお肌のためなのです。

古着屋さんに服を買いに行き、お洒落に気を遣うようになりました。
古着を着て職場に向かうと、ある日同僚にその格好を見られました。

「なんか〜今時の大学生みたいな格好しとるよね〜。」

えっ?大学生?
若いと言われるのは良いのですが、若作りと言われるのは不本意。
年齢に合ってない格好をしている人がたまにいるじゃないですか。
女性の場合、年齢の割にはミニスカートを履いていて、顔と格好が合っていないみたいな!!
あのような感じになっていないかが心配です。

当初はモテたいという気持ちから始めた身なりを整える行為ですが、最近では見た目が変わることがなんとも楽しくなってきました。

仕舞いには髪の毛を伸ばしてパーマをかけるという大学生の様なイメチェンを行っている次第です。

生きることへの執着の乏しさ

この年齢になってくると両親も高齢になってきます。

自分に子供がいたら幼い子供を残し死んでしまうわけにはいかないと思うのでしょうけど、私の場合たまにポックリいってしまったも良いかな・・なんて親不幸なことを考えることがあるのです。

両親を看取ってしまうのは寂しいものがあります。

それなら特に人生に意義を見出しておらず、家庭も持っていないので、両親より先に人間を卒業しても良いと思うのですが、冷静になるとやはりそれは本心ではないのでしょう。

女性にモテたいはモロに生きることへの執着ですから・・。

あけすけなことを書くと、この前メンズエステに行ったのですが、エステティシャンにこの様なことを言われました。

「ほらほら〜。大きくなった!そんなことを言っても(彼女いらない的な話)喜んでるじゃない!」

体は正直ですね。性は喜びなのでした。

無理矢理に近い目標。

14年間お付き合いしていた彼女は神経の難病を持っており、年月を経ていくことで体が思う様に動かなくなり、車いすユーザーになってしまいました。

彼女は同居することを望んでいたのですが、私はそれが難しいと感じていました。

彼女に対して特別な感情を持っていたのですが、その期待に応えられない状況が辛く、決断できない自分が情けなく、顔を合わせると喧嘩することが増えていってしまいました。

人生で達成したいことを100個以上私は紙に書き出していました。
その中で彼女を連れてオランダやニューヨークやオーロラを見に行くということを掲げていました。

もう彼女はいませんが、一人でオランダに行ってみたいとフッと思ったのです。

昔、スペインの巡礼にいった時に巡礼者同士でコミュニケーションが取れずに悔しい思いをしました。

私は英語が全く話せないのですが、オランダ人の巡礼者の方達はそんな私の言葉に耳を傾けてくださった印象がありました。

オランダ人はでかいけど優しい・・。そんなオランダに行ってみたいと思いました。

だから四十を過ぎて、目標が生まれたのです。

英語の勉強して、ツアーじゃなくて個人で旅行の手配をしてオランダに行く。

意義がない。いつポックリといってしまっても良いなんてヤケクソなことを考えていますが、この目標が生きる執着になるかもしれません。







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