Galileo Galilei/Bee and The Whales感想

感想を簡潔にまとめるなら、ざき兄にとってのGalileo Galileiってなに?である。何回かアルバムを通して聴いても分からなかった。

 俺は高校生くらいから、Galileo Galileiが世界で1番好きなバンドである。正直に言えばGalileo Galilei復活は手放しで喜べなかった。今の彼らにGalileo Galileiができるの?という不安の方が大きかった。

 ぶっちゃけ、俺はBBHFの良さがあまり分からない。あくまで邦楽が好きだし、洋楽に寄りすぎたサウンドが合わないのかも。GGはちょうどよかった。洋楽やりたいけどあくまで邦ロックとしての音楽性を保っている(保たなければならなかった?)感じが好きだったのだ。あれは絶妙なバランスすぎたと思う。

 一番大きいのは歌詞である。俺は死ぬほど歌詞を大切に音楽を聴くタイプだ。Sea and The Darknessのウェンズデイとか、鳥と鳥とか、歌詞だけで白飯3杯は余裕なほどに。SaTDはサウンド的にはかなり洋楽寄りかもしれないが、絶妙な歌詞世界に音楽性がマッチしていて、間違いなくGG最高傑作である。俺が一番好きなのはPORTALだけどね……サウンドも歌詞も。

 GGは好きだけど、BBHFは好きじゃないって人は割といる気がしていて、多くは俺のあげた二つの理由のどちらかではないかと思う。BBHFの曲で、歌詞が刺さったのは強いて言うなら「黒い翼の間を」くらいだ。あとは全然印象に残らない。南下する青年はBBHFファンは大好きだろうけど、俺には全然わからない。邦楽的なキャッチーさを捨てるのは構わない。でもGGの頃の歌詞世界が失われていたのはショックだった。

 今回のBee and The WhalesはSaTDとPORTALの良いところを取り合ってほしいなぁというのが俺の願望だった。そんな俺の願望的にはアルバムは50点だった。M7「I Like You」が無ければ30点だった。M2「死んでくれ」が無ければ20点だった。「ピーターへ愛を込めて」も好き。でもねぇ、これはGalileo Galileiのアルバムとしては納得いかないよ。BBHFをベースに、ちょっとGGみを足しましたという感じ……。これBBHFでよくね?GGでやる意味って何だろう?俺の不安は現実になった。

まあ先行配信の色彩を聴いた時に、半分くらいお察しではあったんだけどね。色彩のどこをどう切り取ってもBBHFだから。ざき兄だっけな、どこかで色彩好きになってくれたらこのアルバムも好きになってくれるとか言ってなかったかな。あれも絶望した。色彩のサウンドとか世界観が中心ってことだもんね。

今のところ、I Like Youが一番好きなんだけど、恋愛の歌詞面でいうなら「恋の寿命」には勝てないし、狂愛でいえば「ウェンズデイ」にも勝てない。もっと書けるよざき兄。文句ばかりになってしまうが、正直な感想なので許してほしい。

 Galileo Galileiって何だろう。俺は繊細で爽やかさを孕んだ世界観をサウンドと歌詞の両面から歌うバンドのことだと思う。邦楽とか洋楽とかそんな垣根を超えたものを作り出せるのはGGしかいない。今回のアルバムではそんなスケール感を感じられなかった。GG名義を復活させた意味がまるで分からない。次、アルバムが出ても聴かないかもしれない。

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