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『黒魔術師の弟子はギャル!?』企画書


【キャッチコピー】

『孤高の黒魔術師と陽キャの化身であるギャルによる、陰キャ×陽キャの師弟魔術師ライフ』


【あらすじ】

魔術師・黒野 夜は、5年の歳月をかけた大魔術に失敗してしまう。儀式の失敗は、世界全体のバランスを壊しかねないほどだった。世界の崩壊は、魔術協会のトップ、協会の魔術師たちの手によりかろうじて防ぐことに成功した。世界を崩壊の危機に追い込んだ黒野に対し、協会側は大きな罰則を言い渡した。罰の内容は『人材不足である魔術師業界のための新人育成』だった。黒野は、イヤイヤながら罰則を承諾した。そして黒野のもとに、魔術師見習いが現れるのだが――。登場したのは、ギャルだった。孤高と共に、陰キャを極めた魔術師・黒野と陽キャの化身であるギャル・朝一あかり。陰キャ×陽キャの師弟魔術師ライフがはじまる。


【第1話のストーリー】

『1話:黒魔術師の弟子はギャル!?』

黒野 夜(くろの よる)は、暗闇の中にいた。

闇が深すぎて、部屋の大きさがつかめない。室内なのかも怪しい。

突然、頭上から強い光が当てられた。どうやら、円卓の中心に立たされているらしい。人の気配はあるが、姿形はハッキリ見えない。

『罪状。魔術師・黒野 夜は5年の歳月をかけた極大魔術に失敗。その影響で、世界のバランスを崩しかねない甚大な被害を及ぼした。よって、ここに罰則を言い渡す――』

緊張で、息を呑む。

『弟子を育てよ!』

「弟子を育てよ……え⁉ 弟子!? 待ってください。それは不可能です。一生弟子などとるつもりは――ンギュ!?」

口が開かなくなった。

『反論は認めぬ! 後日、協会が選抜した魔術師見習いをそなたのもとへ派遣する。協会の支えとなる立派な魔術師を育成せよ、以上』

「んぐぉー」

徐々に薄くなる光の中。黒野のうめき声だけが、むなしく響いていた。

――場面が変わる――

「遅い!」

黒野は、高い塀に囲まれた日本家屋の門前に立っていた。

「これから弟子になろうというヤツが、時間道理に現れないとはどういうことだ!」

黒野の怒りは、我慢の限界に達していた。

罰則として弟子をとらされること。弟子になる予定の魔術師見習いが、着払いで大量の荷物を屋敷に送ってきたこと。そして待ち合わせの日時になっても姿を現さないこと。

「この無駄な時間を魔術の研究に当てられたら、どれだけいいものか――クソッ!」

「マジで何もないところだね~! アプリ使っても、目印がないから~たどり着くの無理ゲーだよね。マリナたちに会えて助かったわ~!」

屋敷を囲う塀の端から、3人組の女子高生グループが現れた。

「あ⁉」

そのうちの一人が、こちらを指さして声を上げる。ふたりに大きく手を振り別れを告げると、こちらに小走りで駆け寄ってきた。

近づくにつれて、その容姿がハッキリと目に入る。遠くからでも、目立っていたのだが――。明るいロングの髪。ギリギリまで、上げられたスカート。ローファーに、だぼだぼのルーズソックス。

黒野の正面で停止。キラキラのネイルがまぶしい手を広げ、おでこに当てて敬礼のポーズをとる。

「日本魔術師協会より派遣されました。魔術師見習いの朝一 あかり(あさいち あかり)です!」

「ギャ、ギャルだー‼」

我慢できずに、黒野の口から盛大に声が漏れた。

そんな黒野をよそに、あかりはキラキラのまぶしい笑顔をみせていた。


【第2話以降のストーリー】

『2話:輝くネイルにきらめく才能』

「日本魔術師協会より派遣されました。魔術師見習いの朝一 あかり(あさいち あかり)で~す。よろしくお願いしま~す」

黒野は、魔術師としていろいろな経験を積んできた。経験をつむ中で驚きは薄れる一方だった。

しかし、この瞬間、驚きを通り越して驚愕していた。目の前に立っている……。

“ギャル”という名の未知の生物に!

固まる黒野をあかりがじっと見ている。

「師匠いくつ?」

「今年で30歳だ」

歳を答えて、我にかえった。

「いきなり、年齢を聞くな!」

「老けてるけど、イケオジだからセーフだね!」

会話が通じないーー

「本当にオマヘが、弟子候補なのか?」

「あ!? 疑ってるな~? コレをみよ!」

アクセサリーだらけのカバンから、ハガキを取り出す。そしてハガキから手を離す。地面に落下しかけていたハガキは、フワッと浮き上がり空中で静止した。同時にハガキの中身が飛び出し、声が流れ出す。

《選抜通過報告》
魔術師見習い・朝一 あかり。そなたは『黒野 夜 弟子選抜試験』を見事通過したことをここに報告する。このハガキを正式な合格通知とする。
詳しい内容は、後日改めて報告する。
協会の支えとなる立派な魔術師になるように  以上

慌てて、ハガキを掴み取る。

「こんな場所で出すな⁉ 一般人も通る道だぞ‼」

「そっか、女子高生と話してたら“パパ活”だと思われるよね!」

プツン! 黒野の頭の中で、何かが切れる音がした。

無言のまま、あかりの腕を掴み敷地内へ入る。

門から玄関につづく石畳の中間で、あかりの腕を放す。

「協会からの書類は確認した。オマへが弟子候補であることは認める」

うんうん! と頷く、あかり。

「だが、試験を受けてもらう!」

「え~⁉ 待って師匠、弟子をとるのが罰則なんでしょ!」

「自分が納得できない弟子をとるつもりはない!!」

あかりが、驚いて固まる。次の瞬間、笑いだす。

「マ、うけるねw どうかしてるよ、師匠w」

「まだ、師匠ではない!」

あかりが笑いをおさめて、真剣な表情をみせる。

「OK 試験うけるよ!」

反発されると思ったが、すんなり受け入れられた。

「よし、中庭に移動する」

屋敷を回って、移動する。

「和風の屋敷だ~私の部屋はどこかな~」

一瞬、見せた真剣な表情は、すでに消えていた。

少し歩くと中庭についた。土がむき出しの庭だが、魔術を行うには適している。庭の中央で、足を止める。

「試験を始める」

「魔具は持っているか?」

あかりはカバンをこちらに見せる。

「よし、試験内容は基礎三大魔術の『マナの集合』だ」

「そんな簡単な魔術でいいの⁉」

驚く、あかり。

「甘い! 基礎だが、これほど奥が深い魔術は存在しない」

「了、基礎が大事ってヤツだ!」

「そ、その通りだ。まずは、俺が実演する」

「師匠、お手本みせてくれるんだ!」

「まだ、師匠ではない! 何度も言わせるな!」

「オマヘも私の実力が知りたいだろう?」

きゃはは! あかりが、また笑いだす。

「何がおかしい⁉」

「まじめすぎ~ハハァ~」

「は、はじめるぞ!」

あかりを無視し、黒野が魔術儀式を開始する。

懐から、銀の棒を取り出す。

ボタンを押すと、長い杖に変形した。

杖で中庭の地面に、魔術円を描く。狂いのない正円が地面に描かれた。続いて、目にも止まらぬ早さで、術式文字を書き込んでいった。

1分もたたないうちに、魔術サークルが完成した。

「はっや……」

あかりが、小さく声を漏らす。

黒野が完成した魔術サークルに右手をかざし、魔力を込めて唱える。

「集え!」

その瞬間、音が消えた。

あかりが、周りを観察するとあることに気が付く。

「ウソ⁉」

空が黒色に染まっていた。

正確には屋敷を覆う結界が黒に染まっていた。屋敷全体が、黒い箱に覆われた様な状態だった。

「結界内だと、これが限界か――」

通常、魔術サークル内にマナが集約する魔術なのだが、黒野の規格外の魔力により、サークルを飛び越えて屋敷を覆う結界内全体に闇のマナが集まっていた。

「いや、エグちしょ⁉ 何、このマナの集合⁉ 見たことない⁉」

「せ、世辞などいい」

まんざらでもなさそうに、自分の杖をちじめて懐に戻す。

「流石、世界を崩壊へ導こうとした黒魔術師」

カラン! 杖を懐に入れ損ねる。

「今、なんといった?」

あかりは、同じ言葉を繰り返す。

「世界を崩壊へ導こうとした黒魔術師」

「ま、待て⁉ 私は協会内でそのような名で呼ばれているのか?」

「うん」

悪気なく、あかりが即答する。

あかりの返答に一瞬だけ立ちくらむ。が、持ち直して落とした杖を拾い上げた。

「次は、オマヘの番だ!」

「OK~! 私も張り切っちゃうぞ!」

気合いは十分といったところか――。

しかし、あかりは庭の中央ではなく、庭に面した縁側へと歩いていく。荷物を置くのかと思いきや、その場に座り何やらカバンから大量の小物を出しはじめた。

「おい」

「静かにして、集中してるから!」

言葉を遮られる。

観察していると、手の指先をいじっているのが分かった。

『まさか⁉ ネイルで魔術儀式を構築しているのか?』

黒野は、驚いた。平静を装い、あかりの様子を観察した。

5分ほどして、あかりが声を上げた。

「できた! いい出来じゃん、盛れてる!」

自分の爪を眺めながら、自画自賛している。

そして縁側から立ち上がり、中庭の中心へと歩み寄る。

塗りたてほやほやのネイルが輝く。

右手を天に掲げて唱えた――

『集え!』

その時、視界が光に包まれる。

黒野が目を開くと、右手の上に光の玉を浮遊させる、あかりの姿があった。

「光の属性か――」

集まったマナの量はさほどではないのだが、異常なほどのマナの密度だった。

指一本に対しひとつの魔術サークルを描き、指5本分の魔術がかけ合わさっているのだ。魔術構築までの時間はかかっていた。しかし、その点を補うには、あまりあるオリジナリティと完成度だった。

あかりが振り返り、満面の笑みで黒野に問いかけた――

『師匠、コレでどう?』

あかりによって集められた光のマナの影響か、それともあかり自身のまぶしい笑顔の影響か……。

どちらにせよ、黒野は眩さで直視できなかった。

「合格だ」

黒野は目をそらしながら、合格を告げた。

輝くほどの明るい笑顔に、影が落ちたように疲れた顔。

なんのひにくか? 

これはこれで、バランスの取れた師弟ではあった。


[3話]

①:黒野が1週間と立たずに、あかりとの生活に疲弊する。

②:そこで、使い魔を召喚することを思いつく。

③:早速、あかりと共に使い魔の召喚儀式を行う。

④:この儀式で、黒野に因縁のある上位悪魔(七つの大罪の傲慢)が現れる。

⑤:単独戦闘ならやりあえるが、あかりをかばってピンチに追い込まれる。 

[4話]

①:ピンチを乗り越えるために、あかりも戦闘に加わる。

②:ふたりで力を合わせて、上位悪魔(七つの大罪の傲慢)を使い魔として使役に成功する。

③:成功したが、色々な問題が発生する。

④:悪魔はあかりの命令しかきかない。黒野には反発する。

⑤:悪魔に対しての魔力供給が、黒野からになっている。黒野の魔力量・魔力コントロールが不安定になる。

⑥:これにより、黒野の変身魔術が解ける。実は、子供のように幼い容姿であることが、あかりにばれる。

⑦:あかりは、その姿をみて大喜び。

⑧:黒野は、自分の力を取り戻すためにも、あかりを立派な魔術師として育て上げなくてはならなくなる。


黒野・あかり・使い魔を中心に話を進めていく。

読んでいただいてありがとうございます。面白い作品を作ってお返ししていきたいと考えています。それまで応援していただけると嬉しいです。