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東京の小さな公園と世界の頂点をつなげるDUNK。

NIKE SBから、堀米雄斗カラーのDUNK LOWが出る。

堀米雄斗が幼い頃にスケートを練習した公園の地面や桜の色、家紋のモチーフなど、ノスタルジーを感じるDUNK。とても日本らしいカラーに仕上がっている。初めて見るDUNKだけど、なぜか見慣れたカラーパレットに感じるのは、日本人の僕たちが普段見ている街の色だからかもしれない。NIKE SBのDUNKは、ストリートで目立つのが特長だけど、このDUNKは、日本の街に馴染んでくれて、気負わず履ける気がする。

知らない人はいないと思うけど、堀米雄斗は、オリンピックのスケートボード競技 初代金メダリストだ。彼が金メダリストで、本当に良かったと思ったエピソードがある。

堀米雄斗がメダリストになった後に出演したあるテレビ番組で、タレントの一人が彼に質問した。

「自分の子供もスケボーをやっているけど、全然上達しない。アドバイスしたり、大きな声で叱咤しているけど上達しない。どうしたら良い?」

というような質問。このタレントは、スケボーができない人だ。堀米雄斗の回答は、

「それは一番やってはいけないこと。スケーターにとって、スケボーができない人に色々言われるのが一番嫌なことだから。」

という内容だった。もしかしたら台本通りのやりとりで、タレントが悪者になってくれたのかもしれない。だけど、この堀米雄斗の回答が全国放送で流れたことは、とても良いことだと思った。淡々といつもの調子で回答する堀米雄斗の姿勢もすごく良かった。

スケートボードがオリンピック競技になると決まったとき、自分は、拒否反応を示した。金メダリストスケーターなんて、どうせ、いけ好かないヤツに決まっている。スケートボードも、他の競技者の足を引っ張って、審判を欺いて、ポイントを稼いで、それでも勝ったヤツが偉いみたいなものになってしまうんだと。その頃の自分は、スケートボードの力を信じていなかったのだ。スケートボードが、オリンピックのメダルくらいで変わるわけがないのに。

堀米雄斗は、スケートボードの力を信じ続けて、金メダリストになり、NIKE SBやSPITFIREからフルパートを出し、SKATER OF THE YEARに手をかけた(今年は本当に獲るかもしれない)。「楽しむことが一番大切」というスケートボードの価値感を世に伝えて、他のスポーツのアスリートにも影響を与えている。

そんな堀米雄斗もスケート中は、孤独を感じている。堀米雄斗くらいになると、孤独というか、もはや孤高って感じだ。NIKEからリリースされた映像でも、その悩みを語っていた。

先日のインタビューでは、一人で滑っているときに、(今回のDUNK LOWの)家紋を見て、元気をもらいたいと言っていた。アメリカで夢を叶え、世界の頂点に立った彼が、今でも大切にしているのは、みんなと一緒に滑った東京の小さな公園なのだ。

NIKE SB DUNK LOW "YUTO"は、8月25日発売。


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