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私に、ちょうどいい、西宮北口

なんか新築マンションの宣伝みたいなタイトル。

でも、この言葉に尽きる。

この街(西宮北口)でお店を営むことができて、本当によかった。


毎朝、新聞を抱えて店の扉を開けるたび、

思っている。(たまに忘れているが)


そもそも

私には定住欲求がない。

20代で7回、30代で3回の引っ越しを経験。

京阪各地を転々と、ついでに沖縄にも1年間。


どこも住めば都で、それなりに楽しく
ご近所づきあいも、ほどほどにしてきた。

だから一か所で2年以上暮らすなんて、
福井の実家ぐらし以来、初めてのこと。


結婚してからも、
子供ができて、引っ越し。
店を持って一年で引っ越し。
その二年後に、また引っ越し。

かなり自由に動いてきた。

それが

西宮に住民票を置き、
店、家、ともに西宮市民となり
ここは、長くなりそうだなと

初めて

根っこのようなものが生えた感じ。


ここは、
いろいろなものが、
ちょうどいい。



ってことで、今回は

ひばり珈琲のある【西宮北口】の魅力について


西宮北口と言えば、関西住みたい街ランキング4年連続1位(SUUMO)の住みやすい街、として知られている。

不動屋さんいわく、

・抜群の立地とアクセスの良さ
・高級住宅街が多く、住環境も良好で治安が良い
・文教都市宣言を行い教育に力を入れている
・自然もいっぱい

といっても、このようなデータは、人によるでしょ、、、
(ひねくれものなので)。

梅田にも神戸にも用がない、
高級住宅街って、要は物価高いんでしょ?
塾の関ケ原って。そもそもお受験させないし。
確かに武庫川近いなぁ。自然は割と近くにある、それは認める。


私の西宮北口の第一印象は、
世間の(不動産屋さん調べ)定評よりも低めだった。


こじゃれていて、特筆すべきことのない街。
こぎれいにまとまった、退屈そうな街。
怒られそうだけど、その二文に尽きる。



それが、今では、西宮北口で
どっぷりと、生活している。

2年近く梅田にも三宮にも行ってない。


買い物はガーデンズかアクタの2択。
コロナのせいというよりも、
それですべて足りてしまう、恐ろしさ。

当分、ここを離れたくない。
離れたくない、なんて感情があったのか!と驚く。

保育園や小学校が快適、というのも理由であろうが。

では、西宮北口のちょうどよいところ、列挙していく。


①外から入って来た人に寛容

店があるのは、西宮市深津町。

「若い子がお店始めて、大丈夫かってみんな心配してるんよ」

開店当初のお客様は、ほぼ、町内の人だった。

町内会長さんはじめ、近隣のおじいちゃん、おばあちゃん、
深津町OB会のみなさん、青年部のみなさん、
集うなら、ここを使ってあげてね、といろいろな方が
口添えしてくれていたようで。

よそから来た右も左も分からない、生意気娘に
西宮の今、昔、
震災以前と以後の街並みの変化、
ガーデンズの前は、阪急ブレーブスの西宮球場があって、
サティがあって賑わっていて、
市場もあった、
部落差別も今ではなくなった(そう)だが、歴史としてあった、

・・・

ここで店を営む上で、知っておいたほうがいいこと、
知っておかなければいけないことを
世間話に交えていろいろと教えてくださった。

冷ややかによそ者を見るんじゃなくて、

自分たちの住む西宮のことを知ってもらいたい、っていう
温かい想いが伝わってきた。

すごく世話を焼くでもなく
さりげなく気にしてくれる。
入り込んでこないけど
寄り添ってくれる。


なんなんだ?
人々の
このちょうどいい距離感は。


生まれも育ちも西宮!
という人もいるが、

結婚してからこっちにやってきた、
転勤で最近引っ越してきた、

という方もかなりの数いる。


アクセスの良さもあって、
大企業の社宅や借り上げ住宅が多いのだ。

ちょうどいい具合に、
ジモティと転勤族が同居していて

ジモティが、よそものをウェルカムしてくれる土壌が育っているのかもしれない。

ほんまにうまいこと、溶けあえるので
ご近所づきあいが、浅からず深からず、ええ感じ。


②芸術文化センターがすごい

自慢じゃないがこの歳まで、

クラシックのコンサートに、一度しか行ったことがない。
(前に住んでいた福島のシンフォニーホールで、
 高島千ちさ子さんのバイオリンを聞いたのがただ一度の体験。)

歌手のコンサートなら、

ドリカムだ、三代目だ、安室ちゃんだ、と
周りもたくさん行っているし、友達との話題にも上るが

だれそれのバイオリンが、

外国の交響楽団が来たから、

佐渡裕さんが指揮を振るから、

そんな理由で、クラシックコンサートを聞きに行く人がいるなんて、びっくりした。

天気の話の延長線上で、
芸術の話題を口にするのだ。

交響楽とオーケストラの違い、
ベートーベンの何番はどこがいいか、
ロシア音楽の楽しみ方、


カウンターから漏れ聞こえるクラシック談議が
熱い。
知識ゼロの店主は、だまーって、ちん、としています。

雲の上のお話。

西宮市民の芸術好きがいつから始まったかは知らないが、
芸術文化センターの存在が、
一躍を担っていることは間違いない。


ひばり珈琲から歩いて5分のところにある

「兵庫県立芸術文化センター」。

(いや、ひばり珈琲が、芸術文化センターから5分のところにあるのか。)

ともかく、
芸文(みんな略称で呼ぶ)がすごい。

大阪の大きなホールより比較的安く見られる(お客様談)、
東京やメジャーな都市でしか講演しないようなアーティストがやってくる、
若手芸術家たちの演奏が気軽に楽しめる催し物(ワンコインコンサート)、
芸術監督、佐渡裕さんの西宮愛が半端じゃない!など。
(期間中よくその辺のお店に出没するとか)

平日の昼間でも、大、中、小、各々のホールが
まずまず稼働しているとこをみると

地域に根付き、地域外にも認知された、文化発信基地だなと感心する。


食べていくだけで精いっぱい、だった私に、
音楽って楽しいと教えてくれたのは、
芸文を愛するお客様たち。



今はコロナ化で、芸文の利用も制限されているが、

毎年7月に開催される「オペラ」(街を挙げて盛り上がる)の時期には
賑わいが戻るといいのになぁ。


③ガーデンズがすごい!

商店街や個人スーパーの好きな私、


認めたくはないが、西宮市民のご多分に漏れず
「阪急西宮ガーデンズ」が大好きだ。

コロナ化でも、ガーデンズは別格。

ガーデンズが閉まると街がしょんぼりして見えるように

西宮北口の看板ともいえる施設だ。


なにも買うものがない、
なにもすることがない、
少し時間がある、

そういうとき、ガーデンズにふらっとよってしまう。

もちろん、買いたいものがある、
明日までにこれがいる、
この調味料が欲しい!
なんてときも、ガーデンズ。

専門店も百貨店も、ちょうどいいセレクトで入っているので
なにかと重宝する。

値段も高過ぎず安過ぎず、
がんばれば手の届く、ちょっといいもの、が見つかる。

プレゼント探しに、かならず利用する。

一か所で、生活に必要なもの、すべてがそろってしまうので、
ガーデンズに慣れると、
梅田にも神戸にも、もはや行かなくなってしまった。

私のような西宮市民は結構いるだろう。

土日のガーデンズは、まぁ、すごい人!

うちの前の山手幹線もガーデンズ渋滞が名物だ。


あそこは混んでいるから、ちょっとねぇ、
なんていいつつ、
結局みんなガーデンズにいる。


西宮市民はガーデンズが好き!

西宮の良さを一言で


結婚後に、西宮北口にマンションを買ったという
30代の常連さんは、力説する。

買った値段より相当高く売れるけど、マンションは絶対売らない!と。
ここ以上に住みやすいところはない

からなんだって。


ひばり珈琲も、西宮北口の魅力の一つになれるよう
何十年後かに西宮の老舗として君臨(偉そう)できるよう

地道にやっていきたい。

この場をかりて、

西宮北口、ありがとう。






頂いたサポートは、ひばり珈琲のお客様やこのページを読んで下さるみなさんの幸せが、増強できるように使います。たまにうちのちびと温泉にいく費用にも使います。(行った際はこのページで紹介します)