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vol.7 温もりに包まれたわたしたち【まるごとウインナーおにぎり】

子どもの頃、ずっとこんなふうに思っていました。

「ひとりで気ままに生きていきたい」

早く働けるようになりたい。海外にひとりで行ってみたい。ひとり暮らしがしたい。とにかく大人に憧れて、それこそわたしの今の年齢くらいを生きる世代の人たちが羨ましかったんです。

一方で、いつだったか母が何気なく放った次の言葉が、ずっと心のなかに引っかかっていました。

「人はひとりでは生きていけないよ」

当時のわたしは小学生とかで、社会の仕組みも何もかもまだ全然知らない時期。母の言葉の真意がわからず、“ひとりで生きていけないってどういうことだろう?”とハテナだらけだったのを記憶しています。

そんな日々から数十年が過ぎ、嬉しいことにもつらいことにも出くわしていくなかで、自分ひとりではくぐり抜けられなかったなと思う瞬間は多々ありました。今はもう、ひとりで生きていきたいという思いは過去のものです。

そしてこの春、子どもが小学校に入学しました。

今までは、毎日わたしが保育園の送り迎えをしていたのですが、これからは自分の足で小学校までの道のりを行き来することになります。わたしは少し(いや実はかなり…)、心配していました。

まだ幼く見える6歳児。ちゃんと車に発見してもらえる?遊びに気を取られて道路に飛び出したりしない?迷子になったらどうしよう…。

先輩お母さん達に相談してみても、「大丈夫!たくましくなっていくよー」と皆さん。なんだかわたしのほうが固くなりながらの新生活がスタートです。

朝は、近所に住む4年生と3年生の男の子たちが、一緒に登校してくれることになりました。うちの子を含む新1年生を間にはさんで、一列になって歩いていきます。

わたしも慣れるまでは登園の様子を見送るべく、後ろから付いていくことにしました。大きなランドセルに覆われた背中が右へ左へ揺れ動く。そんな光景が、これからしばらく朝の定番になりそうです。

また道中には、黄色いジャンパーを身につけて、児童たちの安全を見守る地域の人たち。

「おはよう!」
「いってらっしゃい!」

明るく声をかけてくれます。

ちなみに新入児は、左肩に黄色い交通安全のしるしと、ランドセルにも目立つカバーをかけるので、ひと目で新1年生だなとわかるスタイル。周りの大人たちも、特に気をつけて誘導してくださる印象です。

こんな朝の風景、知らなかったな…。


子どもは地域の人たちに守られている。そう思いました。

なんだか社会にあたたかく迎え入れられるような、外の世界がぐっと広がった感じ。子ども自身がどんな風に感じているのかはわかりませんが、親のわたしの張り詰めた心配は、少しずつほぐされていくようでした。


もちろん、これから社会の中で戸惑ったり悩んだりすることはあるんだろうけど、そこには見守ってくださる方や手を差し伸べてくださる方がいる。色んな人に助けられながら、子から大人へと成長していくんだろうな。

大人になってもそれは同じ。いつも誰かのおかげさまで生きていられる。


「人はひとりでは生きていけないよ」

母の声がリフレインします。

来週からは給食もスタート。朝のお弁当作りも一段落です。
これもわたしとしては、本当にほんっっとうに助かること!!給食ありがとーーー!

- ONIGIRI recipe -

お弁当のおかずにもなりそうな具材を、まるごと握り合わせた具だくさんおにぎり。ぐるりを海苔で囲んだら、なんとも言えない安心感が…!

まるごとウインナー


#思い込みが変わったこと

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