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イベントレポート「輝く女性経営者と市長との懇談会」2023.8.31


8月31日に石山市長と大野市で活躍されている4 人の女性経営者の方による意見交換の場がCOCONO アートプレイスにて開催されました。

参加された経営者の方々

( 株)SP 電機        前田明子さん
( 株) 石塚七左エ門商店  石塚一恵さん
( 株) かじ惣       星野美樹さん
NPO 法人 和が家     坪田千鶴さん

※自己紹介の順に記載しています

前半:自己紹介

(株)SP電機 前田明子さん

「中挾にあります電気設備工事などを行っている会社です。
もともと父が立ち上げた会社でして、社長という立場になるとは考えてもいませんでしたが、事情がありまして、五年前から順番としては3代目の社長となりました。

『会社をなんとかなくさないでおこう』
と、社員に支えてもらいながら今日まできました。
社員の方々には感謝しかないです。

コロナ禍があけ、世間が色々動いてきた中で何も知らない自分に焦りを感じ、お誘いはできるだけお断りせず、新しい出会いに感謝しながら参加しています。
女性経営者だからこそ、同じような立場の方から業界関係なく、お声がけいただくことも増えたように感じます。」


( 株) 石塚七左エ門商店 石塚一恵さん

「昭和20 年に祖父が立ち上げました。
最初は牛乳などの販売だったそうです。
父が継いだ後は、売れるものを色々仕入れて売っていました。冬は餅とそば、夏は冷やし中華など。
現在の主力商品はお蕎麦です。独自の製法で、普通の生そばと違ってツルツルとしたのどごしが特徴です。

ありがたいことに注文も多く、『この数をこの人数でやっているの?』とよく言われます。5名程度でやっていますが、長年勤務して下さっている方が多く、20,30 年勤めて下さっている方もいらっしゃいます。そういう方たちに支えられてやっています

商売基盤を父親とかが作ってくれていたので、そこを崩さず、品質を保ち、自分のできる範囲でやっています。最近は息子も仕事に入ってくれています。」


( 株) かじ惣 星野美樹さん

「かじ惣のご紹介としては、創業は明治5年、鍛冶屋から始まったと聞いています。現在は、スーパーマーケットが4店舗、仏壇店が4店舗などのグループ会社になりました。

子供の頃は、七間と三番の角にスーパーマーケットがあり、住まいもそこの上でよく手伝いをしていました。
父から任された仏壇の仕事を長年やっていましたが、高齢になった父の後を継ぎ、現在社長となって5年になります。

買い物に来てくださるお客様とお話しをしたり、働いてくださる従業員の方とお話しすることが仕事のモチベーションになっています。
またお客様から、祖父が対面で乾物屋をやっていた時の話を聞く機会がありました。商人として大事にしないといけないことをきちんとしていた方で、自分が影響を受けた方の一人だと思っています。」

スーパーマーケットのかじ惣さんはVio に入るお店の1つでもあります。
星野さんはVio の組合員の方と共にさまざまなことに取り組んでいます。

「Vio を市民モールとして大野市民に必要とされる存在にしていくために、かじ惣としては『かじそプラザ』をはじめ様々なイベントを行いました。
いろんなイベントを通して、これまで全然接点のなかった方々とお会いすることができ、経営者や人間として幅ができたんじゃないかなと思っています。

また星野さんは課題感として、異なる世代感とのコミュニケーションや、コロナでの現場の人手不足などを挙げていました。


NPO 法人 和が家 坪田千鶴さん

「介護保健事業を行うNPO 法人で、平成17 年に設立しました。翌年には小規模多機能型居宅介護事業所を開設しました。それに加えて障がいを持つ方のデイサービスも行っています。
現在は、市の委託を受けて、安否確認を兼ねた弁当配達も行っています。全然関係ないのですが、ヤギを飼ったりと自分たちが楽しめることも探して日々活動しています

最初は相談する人も少なく苦戦していましたが、色々なことがあって、今やっと17 年なんですけど、頑張っています。

介護施設は、お風呂に入ったり体操したり、決められた時間に来て帰るのが普通です。沢山の方が利用する施設ですと、決まり事も必要になってくると思います。でも、和が家の場合はみんな一緒じゃなくて、1人1 人をちゃんと見て関われるのが特徴だと思っています。」


和気あいあいな雰囲気で懇談会がスタート。
普段は1つの場に集まって話をする機会がないため、参加された皆様から質問もいくつかあがっていました。

また、石山市長とお会いすることはあっても、なかなかしっかり話す機会がないため、楽しみにきましたという方もおられました。


4 人の自己紹介が終わり、コーヒーブレイクを挟んで後半の時間に移ります。

後半:質問と意見交換

後半は市の総合計画と絡めながら、質問や議論を行う時間。
大野市の総合計画には6つのテーマがあります。

これらをベースに、質問や意見交換を行いました。


まずは坪田さんから。

「利用者の方からのオーダーが細かくなってきて、小回りのきく私たちも対応出来ないことが増えています。例えば弁当配達の配達時間です。
市と連携することなどが出来ないのかということも考えています。
また、そういう中で市の中における私たちのようなちっちゃいNPO の役割とはなんなのか、どんなことが求められるのでしょうかというのもお聞きしたいです。」

健幸福祉分野で、大きな役割を果たす和が家さんは設立から今年で17 年。これまで社会の変化やコロナ禍とともに、取り組みなど変化させてきました。

石山市長からは、

「オーダーが細かくなってきてどこまでお付き合いしたらいいのかというのは、市役所でも同じ悩みを抱えています。
『ここまでやったら喜んでもらえる』ってわかっているけど、限界もあるので。和が家さんには、まずはご自身のやりたいことを中心に、その分野の中で人が求めていることをやっていってほしいと思っています。」

また、星野さんからは自己紹介でも触れていたVio のあり方についての議論も上がりました。

「Vio が” ものを売る場” だけではなく、” 集って楽しめる場”にもしていきたいと思っています。例えば、元気なお年寄りが介護という形ではなく、集って話したりする場にしたいと思っています。」

しかし一方で、イベントの開催には労力がかかり、Vio の組合員だけではハードルが大きいという課題や、免許返納をした高齢者の交通の課題があるそうです。

石山市長からは、
「公共交通の計画の中で、中心部の施設同士や中心部と各村部の中核となる場所を公共交通で繋ぐコンパクトプラスネットワークの推進を検討しています。
また、登録した高齢者が家から施設まで行ける会員制タクシーの検討をしています。また、タクシー会社の担い手不足という問題もあります。
まずはタクシーの担い手を育てていくということも重要で、そこも新しい改訂案でも検討しています。」


すると、坪田さんからも、

「利用者の中でもvio にいきたい方がいっぱいいます。でも、交通的に行けないという方も多い。
他県では、リハビリの一貫としてお年寄りの方を買い物に連れて行ってあげて買い物をしてもらうという取り組みもあります。私たちは送迎も行っているので、それを少し広げてvio への送迎も検討したいと思っていました。」

と、今後の新しい取り組みの可能性が語られました。

質問や意見交換の様子


また、情報発信力の向上に関してもいろいろな意見が集まりました。

「荒島ポークはどこで販売しているのかという問い合わせがあった」
「金沢の知り合いが、こんなに越前そばが美味しいなんて知らなかったと言っていた」

など、大野の魅力発信に、より力を入れていくべきだという話になりました。

他にも、石塚さんから
「地元、地方で頑張っていこうとすると、全国や首都圏向けの制度が圧迫してくるように感じます。」
などの声も上がりました。

後半の部の議論は話が弾み、最後は「じゃあ続きの話はコーヒー屋さんでしましょう!」なんて話に。

閉会

石山市長から
「若い方にどんどん大野に住んでもらえるような基盤づくりをしています。ちゃんとお仕事もあって、待遇もよく、ちゃんとビジネスが成立していくという雰囲気を出していきたいと思っています。

そういう時に、こうやってしっかりお仕事をされている女性の方々がいらっしゃるというのは本当に心強いです。

ぜひこれからもメッセージを発信していってほしいと思っています。」

と熱い想いをお話しされました。
皆さんも最後に一言ずつ感想を述べ、懇談会は終了となりました。

レポーター編集後期

高齢の方における交通課題の話題の際に、坪田さんから送迎の話が上がり新しい取り組みの可能性が議論されたことが印象的でした。業界が違うからこそ、1つの会社が抱えている課題感を他の会社が解決する手段を持っているということは、他の業界や会社同士でもあるのではないかと感じました。
会が終わったあと、皆さんでコーヒー店で引き続きお話されていたのも嬉しく感じました。


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