(野田だからノーダウトなんですか…?)
右手にビール、左手に焼き鳥。甲子園のマウンドはナイターのライトで照らされていて、とても幻想的だ。目の前で起きている試合内容も気になってはいるものの集中力が切れかけていた私の目はうつろで、「今日はもう帰ろうかな」なんて考えていた。
選手の交代のアナウンスが流れる。同時に流れた曲は私が学生時代によく聴いていた曲で、甲子園の幻想的な雰囲気に飲み込まれるように私の頭の中は高校2年生の秋になっていく。握りしめているビールカップは柔らかくて、このままギュッと握りつぶしてしまいそうになったので、早めに飲み干し、思い出の曲で出てくる選手に目を向けること、そして頭の中の高校生の私に声をかけることに必死になった日があった。
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登場曲が理由で気になり、もっともっと知りたいと思った選手がいる。
プロ野球の開幕まであと1か月ちょっと…ルーキーの”登場曲”が決まったというニュースを見るたびに今年のルーキーはどんな曲を自分の登場曲に決めるんだろうな…とワクワクしてきた。
そんなワクワクした気持ちが抑えきれなかったので、これは良いタイミングだと思い、去年私が登場曲を調べていて打席に立つとき、リリーフカーで登場するところを想像してワクワクした曲、球場で聴いていろんな感情を覚えたものを紹介しようと思う。
2018年度のシーズンで一番といっていいほどトキメキを感じたのが、Official髭男dismの『ノーダウト』を使用している、埼玉西武ライオンズの野田昇吾選手だ。正直言って野球選手の登場曲をザッと見た時に感じたのは、ある程度”好き”のジャンルが決まっているということ。
バンドとなれば、ONEOKROCK/WANIMA/UVERworldの使用がメインになっている野球界。こういったバンドに触れてこなかった私からすると「野球選手というのはやっぱり違う世界を生き、自分の触れたことのない感情と共に生きている人たちが多いんだろうな」と思うわけだ。
15歳の私はとがりまくっていて、UVERworldが流行りだしたタイミングで、人と違う曲が好きな自分を愛していた。裸足で歌えばバンドは全てかっこいいとおもっていた時期すらあった(ジャパハリネット)
そんなバンドを使う選手が多いなかでの「Official髭男dism(オフィシャルヒゲダンディズム)」の使用には心を掴まれた。
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ポップというくくりで終わらせることのできないバンドは、2018年にメジャーデビューをした。
野田選手が使っている”ノーダウト”は彼らの2ndシングルでメジャーデビュー曲であり、2018年4月スタートの月9枠「コンフィデンスマンJP」のエンディング曲でもある。
尖りきっていた15歳の私なら絶対に見ないであろう鮮やかな色調のミュージックビデオにも、ついつい目を通してしまった。ノーダウトの歌詞の中に「偏見を前にピュアも正義もあったもんじゃない」という言葉があるが、この言葉は私が先に考えられていたらいいなと思う歌詞ランキングがあれば、かなり上位にランキングするだろう。
そんな野田選手が2017年使っていた曲が気になり調べてみると、「AK-69のStronger」あれ?と、少しの疑問を覚えた。じゃあ、プロ1年目の曲は?と調べると「ケツメイシのLOVE LOVE Summer 」あれ…?明らかにちがうぞ!!
1年目はケツメイシで、2年目がAK-69で3年目はOfficial髭男dism!!?
なにがあったらそうなるんや!!!!
野田選手はヒップホップとか、そっち系(伝われ~~)の音楽が好きなんじゃないか!!!!!!と驚いたところで独自の見解を述べていこうと思う。
1年目というのは”思い入れの深い曲”や”自分的にテンションの上がる曲”を選ぶと思う。もし私がプロになれたのならドラフトに選ばれたその日、その瞬間から登場曲のことで頭がいっぱいなるはずだ…。インタビューを受けている瞬間に「登場曲はサンボマスターでいこうと思います」なんて口がスベってしまいそうなぐらい考えてしまうと思う。
そうやって好きな曲を選んだり、考えるのが1年目だとしたら、2年目でいろんな反省点が生まれてくるはずだ。例えば「球場ではあんまり響かない音なんだな…」とか、打席に立つことや、登板までの時間を考えるとフレーズに入るまでが長いな…ここはカットしてもらおうとか(そんなことを考えている選手がいるのかは不明)
そういう反省を生かせるのが3年目だとすると、野田選手は好きな界隈のベスト曲を選ぶことができるはず。
だが、彼が3年目に選んでいる曲は「Official髭男dism」なのだ。
どうして?と考えていたときに”ノーダウト”という曲名を見て、ハッとした。
「え?もしかして"野ー田うと"ってこと!???」
偶然見つけた曲なのか、「ノーダウトって曲があるよ。”野田”って苗字なんだからそれにしたら?」と言われたのかは分からない…。それでも、本人の意思のどこかに野田だからノーダウトという曲を選んでいるのであれば最高すぎる。そして全力で応援したい。
(ネットで 野田昇吾 ノーダウト 理由 と記事検索をしても出てこなかったので真相は未明)
彼が登板時にノーダウトが流れる中、マウンドに立つ動画を見つけたのだが、メラドに流れるノーダウトは、とってもかっちょよかった。
2019年も続行するのであれば、是非メラドに行き、野田選手がノーダウトで登板する瞬間を目に焼き付けたいものだ。
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