何気なく観に行っていた野球。球場に着いたら前日までに予約をしていた選手プロデュース弁当を買いに行って、まだ暗くない夕方の暑い熱気を肌で感じながら座席に座り、まずはビールを頼む。そんな当たり前だった流れも、いつの間にか疎遠となってしまった。

昨年のシーズン終盤、阪神対ヤクルト戦を一番後ろの座席から観ていた。先発は高橋遥人投手。確か序盤から結構点を取られていて、援護も無かった日。ただ、この日は近本選手が154安打を決めた日で、一緒に野球を観ていた友達が「これ見れたから負けてもいいや」なんて笑顔で言っていたけど、試合の内容が酷になるにつれ、「もうCSに出れないのかな…」とうつむいていた。

私は試合結果よりも、高橋投手のことが気になった。いつも通り3塁側に座っていたから持って行っていたコンデジをズームして、双眼鏡みたいに一塁側のベンチを覗いたら、肩を落とす高橋投手に声をかける福原コーチの姿が見えて、少し胸が熱くなった。7回裏ぐらいで甲子園球場を後にし、当たり前のように「二人で観に来て、勝った試合観たことないね。来年は勝ったらいいね」と笑いながら言葉は、思いもよらない形で叶わなくなった。

もちろん、今シーズンの試合は行われているし、球場に行くこともできるのだけど、その友達と試合を観に行けることはなさそうなので、いつかの日に持ち越し。

そんなことを思い出しながら、去年撮影をした甲子園球場で撮った写真を整理していた。特に使い道も無く、ただ想い出のように見返すことになるばかりになるなら...と「みんなのフォトギャラリー用」にいくつか編集をしてアップすることにした。

甲子園球場に行った人たちが、この写真を使ってnoteを書いてくれたら嬉しいな。

（2020.03.10追加）