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ラバーの着用感を極力言葉で伝えてみる。

響音カゲです。

ラバーウェア(ラバーキャットスーツ)ってヒーローっぽいなぁ、カッコイイなぁって思ったことはないでしょうか。私はあります。

一回でいいからピチピチの服に身を包んでみたい。
ヒーローっぽい服ってどんな感じなんだろう。

そんな欲望を持っている人に向けて、実物のラバーってどんな感じなんだろうというのを、あえて客観と主観を交えつつ、文章で書いてみます。

質感

既製品のラバーウェアは塩素で後処理してあるもの、していないものが流通しています。

1.塩素処理していないラバー
2.塩素処理済みの(chlorinated)ラバー

塩素処理していないラバーは表面保護のために光沢剤(シリコン系オイル)を塗るため、表面はつるつるというよりはヌルっ、ヌメっとしています。新品のラバーは独特の甘いゴムの香りがします。

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着用中の自作ラバー taken by mephis

塩素処理済みのラバーは普段触れるゴム製品に近い質感で、ツルっとしています。光沢剤のヌルヌル感よりもマットでさらっとしたゴムの質感がお好みであれば、塩素処理済みもおすすめできます。

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selfie - 何も塗っていないクロリネーションラバー

塩素処理したラバーは、多少香りが変わります。よりムワッ、と人工的な香りが漂ってくるのはこちらです。

ただ、結構会社によって色は違うみたいです。

私はそのままも、クロリネーションも、どちらの香りも大好きです。

塩素処理を強くしてあるラバーほど、光沢剤も乗りにくく、マットな質感になります。

香りは保管している期間や洗濯で弱くなってしまうので、新しいキャットスーツやラバー生地が定期的に欲しくなります。

購入

国内外にあるラバーショップやラバーウェア製造店から購入できます。
私は通販で買いました。ドキドキしながら数カ月、到着を待ちます。

家に付いて箱を開けると、まず立ち上るのは独特のゴム臭。ゴム手袋の香りを何十倍にもした香りが部屋に充満します。こんな匂いしたら他人にバレちゃわないかな……という気持ちでいっぱいになります。

私が買ったのはクロリネーションしたラバーだったので、ラバーを取り出すと、ゴムがこすれるギュムギュムという音がします。ちょっとひんやりとした無機質な第二の皮膚が、自分の手の上でこすれる音です。

着用

焦る気持ちを抑えつつ、両手両足のつめを切り、ヤスリをかけます。

服を一枚一枚脱いでいくごとに、薄いゴムを身にまとってしまう背徳感でじわじわ脳が満たされます。これからこんな恥ずかしい服をわざわざ着ちゃって、ドキドキしてしまう、非日常に一歩ずつ近づく感覚。

私が持っているのは2着とも首元を広げて着るタイプ(ネックエントリー)です。

まくりつつ、片足をラバーに入れると、少しひんやりとしたラバーの質感が足先から覆っていきます。かかとの部分は細くて曲がっていて通りにくいので、負担を掛けすぎないように足をぐっ、と通します。

足先からラバーをたくしあげていくと、みるみる自分の足がゴムで包まれた足に変貌していきます。自分の首の細さしかない狭い穴に、足を、体を通していく小さな矛盾に、こんな小さな入り口から体を入れるんだということを実感します。

首を思い切って広げ、反対側の足を入れるスペースを作り、足を差し込みます。足先までフィットしたら、同様にたくしあげていきます。無理やり引き伸ばされたキャットスーツの首が両足のふとももを縛り上げ、小さな苦痛を与えます。こんな小さなところから、体を通しちゃっているという焦り。

なんとか両足をゴムに通したら、首をめいっぱい広げて腰まで上げます。自分の半分がゴムで覆われる瞬間です。

しゅるん、と肩が通る。自分が、自分でなくなる瞬間。

全身を隙間ないゴムで覆われ、包まれる。鏡を見ると、自分の身体が一色に染まっている――



ここから先は、実際に買って体感してみてくださいね。

キャラクターの創作費に使わせていただきます。