お正月に買った、和菓子のような花がずっと枯れずに咲いている。

周りの葉は落ちてきているのだけど、中心が周りの色よりごく薄いすみれの色のもう一つの花が咲いている。

毎日水を替え、朝ごはんと夕ご飯のとき

眺めている。

多分キク科の植物なので、最後ぽろっと花が落ちてしまうのかもしれない。

5歳の頃におばあが飼っていたプチという黒と白模様の雑種の犬を思い出す。

今考えるとわりとアバウトに育てられていたにも関わらずわりと元気に育ち、ガツガツと毎日おばあに味噌汁をかけたごはんを貰って食べ、日向で昼寝をして、臭いオナラをして、保育園から戻ると毎日オンオンと鳴くので散歩に出かけていた。

おばあの家に預けられていた時、ずっと一緒に眠った。

夏の暑い日は離れて、寒い冬はぺったりとくっついて、硬くてあんまり柔らかくない毛並みを撫ぜると安心した。

私は小学校に上がる前に、神奈川に住む

母の家に帰る事になった。

プチは何もわかからない黒い目で首を傾げていた。

私はさよならも言わず神奈川に住む母の元に帰った。

その次の年の夏休み、小学校に上がった私は母と一緒におばあの家に帰省した。

そこにプチはもういなかった。

おばあが腰を壊し面倒がみれず、保健所に連れて行ったと母と話しているのをうっすらと聞いていた。

その時、保健所がどういうところなのかわからなくて、中学生くらいの頃テレビのドキュメントでその意味を知った。

私の犬はプチだけだ。

一人暮らしをして、10年くらいになるけどなんとなく生き物と暮らすことが想像できない。

今年お正月に買った花は、あの白と黒の模様の犬を思いださせた。






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