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石巻日日新聞

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石巻市・東松島市・女川町の話題を掲載している夕刊紙「石巻日日新聞」のnote版マガジンです。とっておきの地域情報と過去記事などのアーカイブ。無料と有料記事があります。ぜひぜひフォ… もっと読む
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記事一覧

外来種捕って食べる(上)

好奇心と食欲携え自然の中へ 外来種のウシガエルとミシシッピアカミミガメに、ナマズやコイ。これらは石巻専修大学の2年生有志4人で作るグループ「こんじん」が捕獲、調理し、食した生き物の一部だ。いずれも石巻市内の用水路や沼などで捕まえた。4人のルールは「捕獲した生き物の命は決して無駄にしない」こと。自然に飛び込み、好奇心と食欲の赴くままに遊ぶ中で生き物の命に対する責任も学んでいる。(2回続き)【泉野帆薫】 石巻専修大の4人「こんじん」  こんじんは、同校理工学部生物科学科海洋生

能登の復興願い演奏会

輪島伝統 御陣乗太鼓 石巻・女川で鳴り響く  石川県輪島市名舟町は、元日の能登半島地震で甚大な被害を受けた地域。ここで400年以上の歴史を持つ伝統芸能「御陣乗太鼓」の保存会が6日、石巻市と女川町であった演奏会に招かれた。保存会メンバーは全員被災しているが、苦境をはねのけるように勇壮な舞を披露。大観衆は息をのみ、大きな歓声と拍手を送った。保存会の槌谷博之代表(57)は「同じ被災地である石巻地方の皆さんの応援で私たちも元気をもらえた」と語った。【山口紘史】  御陣乗太鼓は15

追悼と未来へ 青空悠々と

550匹のこいのぼり(東松島市)  震災で犠牲となった子どもたちの鎮魂と今を生きる人たちを後押しする「青い鯉のぼりまつり2024」が5日、東松島市の矢本海浜緑地公園パークゴルフ場第3駐車場で開かれた。「青い鯉のぼりプロジェクト」として続けてきたが、今年から名称を変更。550匹が晴天を泳ぎ、市内外から2千人を超す集客があった。  震災時、大曲浜で家族4人を亡くした同市職員の伊藤健人さん(31)が、弟の律君(当時5歳)が大好きだった青色のこいのぼりを命日に掲揚したことが始まり

牡鹿病院 応援医師確保

入院患者受け入れ再開  医師不足で入院患者の受け入れを約1カ月間休止していた石巻市立牡鹿病院は、夜間対応する応援医師の確保ができたとして、7日に受け入れを再開した。今春、就任した阿部康二院長(67)=女川町出身=は「過疎地域だが、ここを必要とする住民は多い。医療の質を維持し、安心で健康に住み続けられる地域にしていく」と語った。  鮎川浜にある同院の常勤医は院長1人。内科、外科、歯科の3診療科を有し、急性期や慢性期医療に対応。入院病床も25床あり、県内複数の医療機関から医師

連休渋滞対策でバス運行

初日 観光客約80人利用  大型連休中の渋滞緩和対策で3日、石巻市の南浜地区と同市のまちなかを結ぶ無料シャトルバスの運行が始まった。初の試みであり、5日まで行う。初日は約80人の観光客が利用。バスにはふあん★がーるや清水狸などの芸名で活動する、地域おこし協力隊員のお笑い芸人、清水一宏さんが同乗し石巻の魅力を紹介した。  バスは、㈱街づくりまんぼう、石巻観光協会、石巻圏観光推進機構、元気いちばによる共同運行。石巻南浜津波復興祈念公園の門脇駐車場とかわまち交通広場を発着点とし

絵本の中で生きる命

行員の息子亡くした夫婦「ふしぎな光のしずく」出版  東日本大震災の津波で、七十七銀行女川支店に勤めていた長男健太さん(当時25)を亡くした田村孝行さん(63)、弘美さん(61)夫妻が息子の生きた証を残そうと、「ふしぎな光のしずく~けんたとの約束~」と題した絵本を自費出版した。健太さんの半生や津波の恐ろしさ、夫妻のこれまでの活動が盛り込まれた内容。夫妻は「次代を担う子どもたちに震災の出来事と教訓を伝えることが大事。命を守る大切さを考えてほしい」と望んだ。  発災当時、女川町

予算3割減も内容工夫|川開き実行委臨時総会

花火会場の有料駐車場増  第101回となる8月2日(金)―4日(日)の石巻川開き祭りに向け、実行委員会は1日、石巻商工会議所で臨時総会を開いて事業計画案や収支予算案を承認した。100回記念だった昨年の決算額より3割少ない予算規模だが、工夫して盛り上げていくことを申し合わせた。  臨時総会には実行委を構成する市、商議所、観光協会の関係者ら約70人が出席。実行委会長の青木八州石巻商議所会頭が「緊縮財政となるが、工夫して石巻川開きの名に恥じない祭りにしたい」と協力を求めた。

再発防止へ検討委初会合 官製談合事件 石巻市 幹部の委員会設置

組織的な課題洗い出す  石巻市は市職員が逮捕された官製談合事件受けて幹部職員の委員会を設置し、4月30日に市役所で初めての会合を開いた。事務の流れを検証して組織的な課題を洗い出すほか、他の自治体の例や外部の意見を参考にしながら再発防止策をまとめ、市長に報告する。  委員会は先月22日に要綱を定めて設置し、構成は部長級職員10人。事実関係のほかアンケートなどで職場内の実態を調査し、外部の有識者の意見を伺いながら再発防止策をまとめる。具体の調査や再発防止策の検討などは、課長級

青空イベントに1万人

石巻青年会議所60周年記念  ステージイベントや飲食・物販を通じて石巻地方の魅力を体験してもらう「TSUNAGARU FESTA(ツナガル・フェスタ)2024」が4月28日、石巻南浜津波復興祈念公園内西側の広場で開かれた。一般社団法人石巻青年会議所(木村亜梨沙理事長)の60周年記念事業。夏日に近い絶好の行楽日和も手伝って約1万人が来場した。  ステージはいしのまき観光大使の萌江さんの司会で進行し、圏域の2市1町から渡波獅子風流千寿会、ダンスチームHADDLE、石巻好文館高

コバルトーレ白星発進

東北社会人サッカー JFL目指す戦い開幕  本年度の東北社会人サッカーリーグ1部が28日に始まり、コバルトーレ女川はホーム(本拠地)のWACK女川スタジアムで盛岡ゼブラと対戦した。  おととしにこけら落としとなった同スタジアムでのホーム戦では、過去最多の650人が来場。10月まで全18試合のリーグ戦を制覇して平成30年度以来の日本フットボール(JFL)参加を目指すコバルトーレは、多くの声援を受けて4―0の白星スタートを切った。  試合はコバルトーレが支配。それでもあと一

消滅可能性に石巻市と女川町

有識者会議が将来人口分析 30年で若年女性半減  有識者でつくる人口戦略会議は24日、人口減少と少子化で将来、なくなってしまう恐れのある市町村を「消滅可能性自治体」として公表し、県内は石巻市、女川町を含む19市町が含まれた。各地域の実情と課題を踏まえ、自然減対策と人口流出を抑制する社会減対策を適切に組み合わせ対応を求めている。  消滅可能性自治体は、2020年から2050年までの30年間に、20―39歳の若年女性人口が50%以上減少すると推計される地方自治体。同会議は昨年

シカとサルの生態伝える 写真集「金華山の鹿たち」

石巻市中里・三上さん|鹿角プロジェクト制作  石巻市中里の三上義弘さん(86)が、約60年前の金華山でニホンジカやサルの様子を捉えた写真が一冊の本になった。題名は「霊島 金華山の鹿たち」。東日本大震災後の金華山で復興支援を行ったボランティアによる「鹿角(ろっかく)プロジェクト」が被災を免れたネガを用いて制作、発行した。フィルムカメラで撮影したモノクロ写真が野生動物の暮らしや当時の島の自然を物語っている。  三上さんは同市住吉生まれ。幼少期から父親に連れられ、金華山黄金山神

5年ぶりに本山車巡行

河南鹿嶋ばやし祭り 児童生徒が春の音色  石巻市広渕地区の春の伝統行事「河南鹿嶋ばやし山車(だし)祭り」(同実行委員会主催)が21日、広渕農業担い手センターを起点に行われた。最も大きな「本山車」が5年ぶりに運行され、軽やかな囃子(はやし)の音色に合わせ、華やかに地域を練り歩いた。  本山車の正面となる御前は、平清盛と源義朝が政権を争った平治の乱(1156年)を人形で表現。後ろ側の見返りは、放映中のNHK大河ドラマ「光る君へ」より紫式部、藤原道長が源氏物語について語り合って

〝馬っこ山〟花見の名所に

市民有志ら千本桜計画 地元出身の篤志家支援  〝馬っこ山〟の通称で市民に親しまれる石巻市南境のトヤケ森山(=鳥屋森山、標高173㍍)が将来、花見の名所になるかもしれない。市民有志らが地元出身の篤志家から寄せられた約2800万円の支援金を使い、同山で「千本桜植樹」を計画。すでに市有地部分を借りる内諾を得ており、19日には関係者が市役所を訪ねて本年度中の植樹完了を目指して準備を進めることを報告した。  「一般社団法人イヌワシと共生の森いしのまき」(以下イヌワシの会・高橋福子代表