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地域防災支える若い力 石巻専修大モデル学生消防団員 「経験する全てが新鮮」

 石巻市消防団(窪田勝幸団長)は22日、地域防災の担い手育成に向け、市防災センターで「石巻専修大学モデル学生消防団員」5人に対して辞令を交付した。学生団員の入団は市内で初めて。危険が伴う現場出動は行わないが、定期的な規律訓練や救命救急講習に参加する。

 同市消防団の実員数は定員1851人に対して1564人(10月1日現在)で、充足率は84・5%。団員の高齢化や担い手不足が長年の課題であり、市は若年層の新規入団を図るため、団の魅力や仕事内容の地域啓発に努めている。

 その一環で市は、平成29年度から大学卒業後も団員の活動が期待できる学生消防団活動認証制度を実施。しかし災害現場への出動が学生生活に支障を及ぼす可能性が拭えなかったため、これまでの入団実績はゼロだった。

窪田団長が学生団員5人に辞令を手渡した

 そこで6月に石巻専修大と協議を重ね、同大モデルを制度化。訓練や講習のみ参加する団員募集を始めた。特定の大学向けに制度化するのは全国的にも珍しいという。

 団員となったのは鈴木智也さん(経営学部2年)、今野直幸さん(同)、鈴木秀磨さん(経営学部1年)逸見亮太さん(同)、眞坂蔵人さん(理工学部1年)の5人。辞令を手渡した窪田団長は「消防団は災害対応だけでなく、地域防災力向上やコミュニティーの深化も重要な役割。訓練研修を通し、理解を深めて次代の防災の担い手になって」と期待した。

 今野さん=同市南境出身=は「地域防災を通じ、さまざまな学びが得られると思い志願した。経験する全てが新鮮に映ると思う。訓練で習得したことを社会に出てから生かせるよう、真剣に取り組みたい」と話していた。

 辞令交付の後、学生たちは齋藤正美市長を表敬訪問。その後、早速、研修会に臨み、市の危機管理監から団のあり方や心構え、具体の活動内容などを学んだ。市は来年度も学生の新規消防団員を募る見通し。学生団員の報酬は年間3万6千円という。【山口紘史】





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