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新年の初詣間に合った 鹿島御児神社・大鳥居 日和山のシンボル再建

 石巻市日和山公園の鹿島御児神社の大鳥居が建て替えられ、12日に除幕式が行われた。以前の鳥居は東日本大震災とその後の度重なる地震の被害を受けて解体されたが、日和山の象徴の再建を願う多くの寄付が集まり、新年の初詣に間に合った。

 除幕式は鳥居越しに太平洋を望む場所で行われ、神社や工事の関係者が参列。竣工式の神事の後、参列者の代表者が鳥居前に進んで5色の布を引くと、覆っていた幕が外された。色とりどりの風船も舞い上げられ、順番にくぐり初めした。

 昭和10年に建てられてから86年が経過していた以前の鳥居は、石巻市で震度5強を観測した5月1日の地震で一部が破損。倒壊の可能性があるとして5月22日に解体された。

竣工式と除幕式後、くぐり初めした

 2代目となる新しい鳥居も以前と同じ鉄筋コンクリート製。高さ約6.9メートル、幅約9.2メートルで、大きさは以前よりやや大きくなり、基礎の強度を高めるために2メートルほど社殿側に設けられた。

 柱は秋田杉の型枠から木目模様を転写し、根元は雄勝石のスレートでうろこ状に装飾。上部中央には三つ割菊の神紋が金色に輝く。鳥居は海側からも見え、灯台の代わりになるよう照明も仕込まれている。拝殿につながる参道も改修された。

 最終的な再建費用は1800万円ほど。費用が課題となったが、地元に協力を呼び掛けた奉賛金とインターネットで寄付を募るクラウドファンディングで1200万円以上を集めた。工事を担った地元の遠藤興業(株)も、解体作業を無償で行うなど援助している。

 鳥居のある高台の日和山公園は観光スポットとなっており、震災時には多くの人が避難した。窪木好文宮司(50)は「皆さんの御厚情で年内に完成し、新しい鳥居で新年にお出迎えできる。100年以上もつ鳥居を作っていただいた。日和山の風景になじみ、地域に親しまれ、愛されていただければ」と感謝した。【熊谷利勝】


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